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鉄道全線完全制覇の旅

昭和から平成へ・・・全線制覇の旅紀行!

ドリームにちりんへの旅(後編)

新幹線からの乗り換え客の多さに座席があるか心配であったが、やって来た「ハイパー」は結果的に空席が目立った。と言うより私の乗った車両は2~3名ほどしか乗っていなかったので早速回転式のリクライニングシートを向い合せにして「戦闘態勢」を整えた。暫くすると女性車掌による車内改札が始まった。周遊券を見せると「どちらまで?」の問いに「空港まで」と答えた。いかにも「ツウ」らしき表現であったが、車掌もまるで「カー」の様に「わかりました」と答えた。空港とはもちろん宮崎空港の事であるが、私にとってみたら宮崎空港は非常に新しい存在である。しかも日南線が一部ではあるが電化されている事も非常に新鮮であった。

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(途中の津久見では完全に深夜の時間帯。利用者はほぼ皆無に近いであろう。昼間の時間帯は隣の臼杵と共に利用者が多い。)

そんな宮崎空港を目指しハイパーは既に日付の変わった日豊本線を只管南に下って行く。中津を過ぎるころには私の乗った車両は既に独占状態となっていた。他の車両も小倉で座席の確保を心配していたのがうそのような程ほとんど空席になっていた。行橋、中津辺りまでは終列車の役割もしている。そして大分に着くと、高架工事中となっている上りの部分を見上げた。大分は後ほど訪問するという予定であったのでその場はすぐに目を閉じ仮眠体制を取ったが、ここ大分に来るのはそれこそ小学校以来であった!約30年振り位に見た大分駅は既に新しく生まれ変わろうとしていた。私の乗った「ハイパー」はまだ高架化されていない昔からの地上ホームであった。しかしそれもいずれ近い将来に無くなってしまうであろうと思い、後ほどの訪問でしっかりと記録する事を心に誓った。

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(かつては杉安までの「妻線」を分岐していた佐土原。現在でも宮崎までの通勤・通学駅として利用者が多い。佐土原付近になると完全に空は明るくなっていた。)

夜がだんだん明けてきた。所々記憶が無いのはやはり寝ていたのであるが、基本的に座席での仮眠は意識は働いているものだ。高架化された鉄路を進むとやがて日向市に着いた。私の初訪は1978年8月であったが、その時は地上であったので全く印象が違ってしまっていた。そして何より大きなバッグを持った乗客が数十名ホームにいるではないか!しかも高校生まで数名いる。そう、この「ドリームにちりん」は始発列車の役割もしているのだ。大きな荷物を持った乗客はもちろん終点の宮崎空港までの乗車と思われるが、特急列車で通学する高校生はいったいどのような思いで「ドリーム」に乗車しているのであろうか?

高鍋、佐土原と停車し宮崎に着く。ここも私の知らぬ間に高架化されていて、ものすごく新鮮な感じであった。しかし停車時間は確か1分であったのでじっくりと確認できなかったのが残念であるが、乗客がかなり下車した。私が小学生時代にこの宮崎に来た時は当然地上駅で、寝台特急「富士」での訪問であった。当時宮崎~西鹿児島は非電化であったので東京からやって来た「富士」はここ宮崎で機関車をELからDLに交換する作業があった。その時はDF50であり、そんな機関車は湘南地区在住の私にとって書籍でしか見た事なかったためもう「シャイニング・ウィザード」をまともに食らったような衝撃であった。

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(宮崎空港で出発をまつ「普通列車」。つまり「ドリーム」が折り返しての変身である。随分と豪華な普通列車だ。)

そんな宮崎から更に南に下るのが現在の姿である「空港」まで列車は足を伸ばす。空港利用者にとっては非常に便利な制度が、つまり宮崎~宮崎空港間は特急列車に乗っても自由席ならば特急券無で乗車できる制度がある。日本で最初に空港アクセス駅として機能したのが「千歳空港」、つまり現在の南千歳である。当時はこの駅を通る全列車が停車し、文字通り「アクセス駅」として活躍。駅舎にあった雪印のマークが非常に印象的であった。現在はその地位を新千歳空港に譲ったが、そんなアクセス駅としてこの宮崎空港も活躍している。とはいうものの島式ホーム1本でやや華奢な印象ではあるが。そして地形の制約からか、若干ホームが弧を描いていてやや細い印象だ。しかしながらハイパーをはじめ普通列車などの列車が多く発着しておりアクセス駅としては「合格」であると私は思う。

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(「ハイパー」で南宮崎に戻り日南線制覇に向かった。南宮崎は宮崎駅を補完する意味でも重要な駅だ。と言うより運転・運用上の「宮崎駅」であろう。)

「ドリームにちりん」から大きな荷物を持った全ての乗客は改札に向かった。改札を出ずに折り返すのは私たちくらいだけであった。ただここから普通列車で折り返し日南線を制覇する予定なのだが、その肝心の普通列車がやって来ない。もしやと思い改札に向かい駅員に問うた。「スミマセン、ここに表示されている普通列車の宮崎行ってこの特急列車が折り返しになるのですか?」と言ったら「そうだよ」と簡単に答えられてしまった。えっ、特急が普通列車になって折り返すんだ・・・と、なんだかマギー司郎に縦縞のハンカチを横縞のハンカチに変化させる手品を見せられた思いであった。一応、時刻表には臨時列車扱いで毎日運転されているような表示であったが、恐らく宮崎への回送列車を解放したものであろうと推測。有効な活用の仕方だ。もちろん座席は満席ではないが、約10名くらいであろうか、快適な「普通列車」で宮崎に向かっていった。


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ドリームにちりんへの旅(前編)

近年まで活躍した「ドリームにちりん」は皆様の記憶に新しい存在であろう。九州は日豊本線を駆け巡るこの夜行列車は、当時日本国内唯一の「座席特急夜行列車」で異色の存在あった。私の知っている限りのルーツをたどると、この列車の源は夜行急行列車「日南」になる。「日南」は1980年代に活躍した夜行急行列車で門司港~大分~西鹿児島の運転であったが、宮崎~西鹿児島が普通列車に変身する。私の知っている限りの記憶だと、この「日南」は12系の客車列車であったが、なんと10系の寝台車も連結していた!

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(1983年3月、九州に訪問した際に出会った「日南」。だが私の所持していた切符は「18」であったため残念ながら見送るしかなかったが・・・残念!<少し引用が古臭いが>)

しかしながら、もっとさかのぼると・・・「日南」という愛称の列車は、昭和52年現在ではなんと別府~宮崎間を走るDCの急行列車でもあった!夜行列車と2本立てであるが、これは私が昭和52年発行の「ケイブンシャ 特急・急行大百科」でも確認済である。こんな時代もあったのかと、なかなか貴重な資料であるが・・・
この当時は日豊本線の夜行列車と言うと、寝台特急「富士」「彗星」がいた。その他に・・・若いレールファンにはわからないであろうが、大阪~大分を走る座席急行列車「くにさき」の存在が非常に大きい。同じく座席急行列車「阿蘇」とともに14系客車を使用し、当時は「豪華急行列車」と絶賛されたものであった。

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(同じく1983年に訪問した時の門司港。「有明」の隣にいるのは当時「日南」と姉妹列車の「かいもん」。こちらは鹿児島本線経由であった。)

と、変遷を繰り返した列車も運用の関係から客車⇒特急車両に生まれ変わった。一般的には車両も置き換わり「グレードアップ」した感があるが、私のようなレールファンにしてみたら若干寂しい感じを否定できない・・・が、逆に恐らく日本で唯一となるであろう座席夜行特急列車に変身したのであった。残念ながら「日南」時代には乗車できなかったが、この「ハイパー」の時代に私は乗車する事に成功、2010年5月、若干小銭が出来た関係から時期外れの旅に出かけたのであった。

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(若干記事の内容とは異なるが、南宮崎ではこんな車両が停泊していた。国鉄⇒JRに変身してからそれぞれの「個性」がハッキリした形になった感だ。)

この旅の出発当日は仕事を午前中に終わらせ新横浜から一路西へ向かった。現地で夜行の、しかも座席特急で自由席を目指す初の試み。とは言え、かつての旅では周遊券を使い急行の夜行列車などで多くを経験してきたので大体の「理屈」は分かる。あとは席が空いているかどうかだ。「ドリームにちりん」は博多~小倉~鹿児島中央の運転で日豊本線経由である。私は小倉から乗車の為座れなかったら致命的であるが・・・
小倉に着いて約10~15分位の乗り換え時間は非常にスリリングであった。意外にも新幹線から「ドリーム」への乗り換え客が多く、私は小走り気味に在来線のホームに向かう。それなりに列を作った自由席への乗場に「ハイパー」がやって来た。果たして座れるのか・・・


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ダイヤモンド✡トナカイ

Author:ダイヤモンド✡トナカイ
✩2022年4月より毎週土曜日更新になります✩


昭和・国鉄の話題を中心に紹介しています。


2013年に長野新幹線の長野駅にて「いい旅チャレンジ20000km」よりスタートした国鉄時代の制覇を含めJR全線制覇を、そしてゆいレール以外の鉄道全線制覇を達成いたしました。


以降、北陸新幹線と北海道新幹線などの開業によりタイトルは返上しています。

JR以外の私鉄を含む鉄道未制覇路線は北陸新幹線(長野~金沢)・北海道新幹線・仙台地下鉄東西線・仙石東北ライン・富山地方鉄道延伸部分・ゆいレール・相鉄直通線(相鉄新横浜線)、そして新規開業の西九州新幹線や宇都宮に開業したライトレールも新たに加わりますます未制覇路線が増えてしまいました・・・

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