鉄道全線完全制覇の旅

昭和から平成へ・・・全線制覇の旅紀行!

長良川艶歌

岐阜県といえば鵜飼や焼き物、刃物などで有名だが、そんな伝統ある町にも私好みの「ローカル」がいる。長良川鉄道だ。JNRを知る人は「越美南線」とでも言えばよいか。1980年代の「特定地方交通線」に名を連ね、第三セクターに転換された、所謂「赤字ローカル線」であった。だが、私の生涯目標の「制覇」だけを考えたら非常に厄介な(という表現は良くないかもしれないが)鉄路であった。しかし視点を変えれば面白くもなる。
そんな長良川鉄道を制覇するに当たり「近江鉄道」と「伊賀鉄道」をペアで組んだ。伊賀鉄道といえば元近鉄伊賀線。しかし、経営上の問題から近鉄直営の管理ではなくなった。しかし廃止されるよりは現存するだけでもありがたい。長良川鉄道も同じく廃止の候補に挙がったが「第三セクター」という形で現存してくれた。だが「企業」としてみた場合、やはり「儲かっていない」わけである。

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私がここ、長良川鉄道に訪れた日は平日、つまり「フリー切符」が使える休日ではないので正規料金での制覇となった。経費はそれこそ倍以上違う・・・私としてはかなりつらいところであるが、長良川鉄道にはかなり貢献したと思う。早速高山本線で美濃太田に着いたのがなんと17時24分である。えっ?こんな時間から長良川鉄道へ?と思われるであろう。しかしこれには特段の事情があった(大したことではないが)。現在、長良川鉄道の終点・北濃より先、以前は九頭竜湖駅まで国鉄バス(当時⇒JR東海バス)があり、文字通り「越美線」を機能させるべく連絡バスを運行していたが、利用者が僅少のため廃止されてしまった。そのため福井側に抜けることができないため、美濃太田まで引き返すか、美濃白鳥からタクシーで九頭竜湖に向かうしかなくなった。終点・北濃ではタクシーは捕まらないと思われるので事前に連絡が必要であろう。というより美濃白鳥からの方が距離的に九頭竜湖へは近いことになる・・・と、まぁいろいろな事情が絡んでおり、なかなか訪問しにくいのが現状である。そこで美濃白鳥で宿泊する事を思いついた。「素泊まり」でも全然大丈夫な「特段の事情」がこの沿線にはある。さあ、いざ出発だ。

早速気になった駅が「関」である。かつて(JNR時代)は「美濃関」と称したが、転換後に「関」に改称された。JR関西線にも「関」なる同名の駅が存在するが、会社も違い、さして混乱はなかろう。ちなみに私事ではあるが、知り合いに「関」という苗字の方がいるのでJRと長良川鉄道両方の駅名表の写真を差し上げた。もらった方は特に鉄道に関心がないため複雑な心境であったみたいだ。それはいいとして、駅名表を見て気づいたが「刃物の町」のようだ。

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「長良川鉄道」は、その名の通り長良川に寄り添うように北上する。既に「越美南線」の面影は感じられない、というより、設備的には国鉄時代のものをそのまま流用しているが「長良川」がすっかり地元に定着している感がある。もちろん、地方鉄道の特有である乗客の主役は「学生」であるが、美濃太田側では若干沿線人口も多いので一般客も若干あるし、観光要素も沿線には豊富なため観光客も僅かながらある。しかし嫌がらせなのか「高速道路」も寄り添うように並走する。今の時代、わざわざ鉄道を使い観光する概念は、パーセンテージ的に低い部類であろう。便利な世の中ではあるが、寂しさも否定できない。しかし長良川鉄道も頑張る。「みなみ子宝温泉」なる駅を新設、駅構内にスーパー銭湯を併設。なんとホーム直結だ!運転手さんに申し出れば、なんと50円で利用できる優れもの!これを利用しない手はない。「特段の事情」とはこういう時に使うものだ。
もちろん私は50円にて施設を利用。ついでに夕食も済ませてしまった。もちろん計算済みの行動ではあるが、施設内では列車の出発時間が近づくと「信号機」で知らせてくれる。JR北上線の「ほっとゆだ」も同じような感じであるが、こちらはこちらでまた味がある。何かの旅番組で観たが野口〇郎もこの施設を利用。しっかり「地元民」をアピールしていた。

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入浴まで済ませれば、あとは「寝るだけ」。美濃白鳥で宿を素泊まりで「インターネット」で予約。民宿をインターネットで予約するなど、私の「いい旅チャレンジ20000km」時代では考えられ無かった事だ。ほぼ割烹旅館風の宿にIN。ドアはなく「障子」が唯一の「防犯手段」だ。もちろん鍵はかかるが・・・
翌朝、6時に起床。素泊まりのため朝食はもちろん無い。6時59分の美濃白鳥発北濃行に乗車するため身支度を急いだ。宿のおかみに丁寧にあいさつをして、すがすがしい朝の美濃白鳥駅界隈を「コロコロバック」を牽きながら歩く。夜は暗くて分からなかったが、なかなか味のある街並みだ。
早速駅に着いたら既に駅には列車がいた。美濃白鳥発のため座って北濃まで行ける、というより北濃発の上りの始発となるための「回送」をわざわざ旅客扱いしているように思う。事実、私たち以外の乗客は皆無に等しかった。駅舎から構内踏切を横断し向かい側のホームへ向かう途中「バタッ!!」という衝撃音がした。なんと踏切の真ん中で同伴の妻が「ひとりダイビングボディプレス」を敢行していたのであった・・・

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そんなことはお構いなしに、私の列車の旅は続く・・・早速北濃へ向かう。さっきまで美濃白鳥駅で改札をしていた初老の紳士が、今度はマスコンを持って運転席へ。そう、この「変なおじさん」は運転手だったのだ。やはり一人何役もこなさなければならない事情がゆえ、いざ仕方ないがこちらにすれば微笑ましい光景。見逃してはならない。
さて、列車はローカル線の典型的な風景を車窓に映し出しながら終点の北濃まで一気に来たが、途中、若干の乗客があった!やはり回送にしない事情がここに見え隠れする。少しでも「収入」に変えていく努力が素晴らしい。終点の北濃でその若干の乗客は下車。で、私は事前に運転手に同じ列車で折り返す旨を既に伝えてあったため、ある程度の駅設備をカメラに収め再び同じ列車に乗車した。驚いたのは、北濃にはまだ「ターンテーブル」がいた事だ!もし使えるのなら、観光用にSLを走らせるのも夢ではないであろうが・・・しかし、ターンテーブルの横にあるレールはその先で途切れ、過去の「未来」が閉ざされていた。無理してでも九頭竜湖まで繋げたら面白いであろうが、線形が悪く「機能」しないであろう。まぁ、かなわぬ夢となってしまったが、これからも「夢」だけは見ていたい。そんな思いを抱きながら、折り返し美濃太田へ向かった。あれ、朝食まだ?と思われるであろう。これも既に計算済み。「郡上踊り」で有名な郡上八幡を無関心に通り過ぎ、二つ先の「深戸」に向かった。
ここには駅舎に食堂が併設されており、地元民にもすっかり定着している。

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ここで朝食をいただくことになっている。頼んだモーニングセットはコーヒーにパン、そしてなぜか素麺がセットになっている優れものだ。我々以外にもお客様が入ってきたため冷房のスイッチオン。昭和の冷風が風鈴を鳴らす。ここで1時間半のインターバルの後、美濃太田に向かった。
美濃太田から岐阜に出て、そこから青春18きっぷで利用できる列車で神奈川県まで帰らなければならない・・・いつもの事だがあの豊橋~沼津くらいの快速が走っていない区間は非常に苦痛でならない。そのため気分を変えて静岡で「富士見そば」を堪能することにしたのだが・・・

朝から乗車して体験した長良川鉄道は実に初々しかった。清らかな長良川の流れに沿って鉄路が向かう先には、もしかしたら明日のない未来に向かっているのかもしれない。しかし先代の思いを乗せた列車は今も走り続ける。福井までは達する事は出来なかったが、いつか「越美線」と呼べる日が来る事を夢見ながら「川の流れのように」これからも愛され続けて欲しい。

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ダイヤモンド☆トナカイ

Author:ダイヤモンド☆トナカイ
所在地:神奈川県湘南地区

〇2013年6月11日、北陸新幹線長野駅にてJR全線制覇いたしました(当時)。
国内の鉄道は、沖縄の「ゆいレール」を残し全線制覇しました。(とは言うものの、2015年3月の北陸新幹線延伸によりJR全線制覇は「ベルト返上」しました)

★ ブログ記事の「リメイク版」は、以前にホームページで紹介した旅日記をブログでリメイクしたものです。


◎ブログの登場人物

★ ダイナミック☆トナカイ
・・・中学時代の後輩で、2013年に約30年振りに再会を果たした。数多くの写真を提供していただいた「盟友」でもある。

★ おさる・・・かつて私がバンド活動をしていた時のメンバーで、鉄道復活のきっかけを作ってくれた人物。彼とは「秘境駅」を数回訪問した「親友」でもある。

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