かけめぐる「青春」⑩ 姨捨
2014-04-19

「姨捨(冠着)山」で有名なここ姨捨駅は「日本三大車窓」で有名であるとともにスイッチバックの駅としても名高い。「楢山節考」などでその名を知られる「姨捨山」は歴史的遺産も多く存在する。芭蕉来訪に象徴されるように、やはりここは日本有数の景勝地として名を馳せており、特にここで見る「満月」等はサイコーであろう。私は1982年8月に訪問しているが下車はできなかった。乗っていた列車は長野発新宿行のいわゆる「中央夜行」で「青春18」での旅であった。夜7時頃であったが夏の為まだそこそこ明るく、星空や月を見るには若干物足りない印象であったが、当時中学生の私にしてみれば、月夜の景色よりもスイッチバックの施設の方が何かと気になってしまっていたので当時の景色はあまり印象が無いに等しい。いずれは改めて夜にでも訪問してみたいものだ。
今回の私の訪問はちょうど昼時であり約1時間ほどの滞在であった。そのため松本辺りで駅弁を購入する予定であったが、当日は列車のダイヤが若干乱れ弁当を買うのも時間との戦いであった。プラス世間は3連休の為、意外にも「18」の利用者が多く、首都圏のラッシュ時と変わらない混雑振りであった。
しかし姨捨駅についてみれば3~4グループが下車したが、他に2グループほど既に駅に滞在していたりしており、改めて姨捨駅の人気を肌で感じた。とは言え、駅自体は静寂に包まれ、いわゆる「秘境駅」のムードも醸し出してはいる。が、駅前からバスも接続しており、付近の拠点としても活躍している印象だ。
今回の訪問時にはなんと貨物列車のスイッチバックシーンを拝むことに成功!全くの「想定外」であったため対応に忙しかったが「同業者」達は事前に知っていたらしくそちらは滑らかな対応をしていたのは素晴らしかった。そんな由緒ある駅の待合室で酎ハイを飲みながら駅弁を食べていたのは私くらいか・・・そんな状況を皆様はどういう印象をもたれたであろうか?


いよいよ姨捨に到着。スイッチバック駅のため構内は複雑な配線で、レールのジョイント音がいつもより多く鳴り響く。




駅の様子はこんな感じだ。松本方面行のホームには景色を見るための設備もしっかりとある。配線的には昔とほとんど変化が無いと思われるが、若干ながら所々リニューアルが施されており、古めかしさを感じさせない。


松本方面行ホームからは有名な景色と共にこんな光景も。こんな高低差があるのだからスイッチバック駅と言うのもうなずける。


そしてこれが「3大車窓」である。いわゆる「善光寺平」が一望。是非夜に来てみたいものだ。




姨捨駅の駅舎をホーム側からも撮影してみた。若干のリニューアルはあるもののほぼ昔と変わっていないと思われる。「駅舎マニア」にはかなり喜ばれる材料であろう。

駅舎隣には職員の詰所らしき設備も存在。特に冬の季節には重宝するであろう。


駅前からはバスも接続。全国版時刻表にもちゃんと掲載されている。意外にも本数は少なくない。



駅舎内の待合室は当然駅員はいない。ちゃんと扉も閉まるのに寒さを否定できずにいたが、そこは「酎」で体を温める・・・





何と貨物列車が入線してきた!しかも当然律儀にスイッチバックしていく。特急列車を1本見送った後再び何事も無かったかの様に消え去っていった。


ちなみに私はこんな装備であったが・・・列車が到着して救われた思いだ。しかしながら定刻より4分遅れであった。これに乗り長野方面へ向かい、更に二本木を目指した。

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かけめぐる「青春」⑨ 二本木
2014-04-16
来年には「トキめき」になってしまうのか、ここ二本木駅は信越本線唯一のスイッチバックが残る駅で有名だ。以前は隣の関山もスイッチバックであったが、現在はスイッチバックは解消されている。1982年8月にこの関山も私は通ってはいるが、訪問当時はまだスイッチバックが健在であった。が、やはり二本木の方が印象が強い。そしてこの二本木の特徴としては2014年現在でも朝の時間帯には二本木発着の列車が設定されている事であろう。それはスイッチバックという構造柄なのか、それとも二本木でかなりの需要があるのかは定かではないが、とにかくこの列車設定は何かと「嵐を呼びそうな」雰囲気が漂う。
しかしながら、なぜここ二本木にスイッチバックが今も残っているのかはやはり歴史的背景が当然ある。それは2007年まであった「貨物」によるものである。二本木発着の貨物列車はかなりのもので、専用線が分岐していたほど。ここから発送される「原材料」は北九州や広島方面に行っていたそうであるから相当の品質であったのだろう。残念ながら現在この二本木から発送される貨物は全て無くなってしまったが、スイッチバックだけが残り若干寂しい印象である。

しかし、ただ「スイッチバック」と言うだけではなく、駅そのものに魅力を感じる二本木であるが、かつて私のブログで「頑張れ、二本木君。」というタイトルで少々紹介させていただいた。その時は下車できずにいたが、今回は約1時間ほどの時間をとり駅をじっくり観察した。現在は業務委託駅として駅員が配置されている。この事が私にとって訪問時の「救い」になったのだ。と言うのも、今回の訪問時は関東では「春一番(決して某プロレスラーのマネをする人物ではない)」の話題が紙面を賑わせている中、春装備で参戦した今回の旅では既に篠ノ井線付近から雪がパラついてきた。二本木に到着する頃には完全に辺り一面銀世界になっており、自身の装備的に「二本木は見送ろう」との思いが頭をよぎった。だがせっかく来たのだからと、意を決してホームに足を踏み入れた。もちろん駅は銀世界。しかしながら想像していたほど寒さを感じなかった。やはり春はそこまで来ているのだ!と思い駅舎に向かえば、なんと「暖」が入っているではないか!!駅員がいる温かさ、そして家庭用の暖房器具2基で温かさを保つ待合室は神に手を差し伸べられたような思いであった。
そんな二本木駅は、今もこの町の代表としてマジェスティックな印象を醸し出すが、構内の広さや側線が若干持て余し気味な印象は否定できない。今後「トキめき」になってもこのままスイッチバックは残っていくのであろうか・・・



二本木に到着。自分の衣装が「春」であるのにご覧の景色は若干ショックを受けた。しかし意外にもそれほど寒さは感じ無かった。


地下道を潜り駅舎へ向かう。季節に対する防御は完璧なくらいの駅装備だ。メンテナンスもしっかりと行き届いている。

なかなか魅力的な駅舎である。開業当時からのものであろうか?

駅前の景色はそれなりに「生活」を感じることが出来る。現在は1日300人前後の利用者があると聞くが、中にはかつての「貨物」の工場で働く人もいる事であろう。付近には今も工場が多く存在する。



駅舎内は意外に簡素であった。家庭用の暖房器具2基で温度調整しているのが微笑ましい。

私は滅多にスタンプを押すことがないが、ここ二本木駅にはスタンプがあったので試してみた。押す技術的には別として・・・付近では「大パノラマ」が拝見できるのか・・・




貨物設備の関係から、現在も広く残る構内。これからもこのままの姿を維持してもらいたいが・・・


昔ながらの風景が・・・こういうところに二本木の魅力があるのかもしれない。

次の訪問地へ目指すため列車を待っていると、交換列車の「妙高」が!できればこちらに乗りたいが、乗ってしまった場合、帰郷してしまう事になる・・・

二本木に降りて初めて知ったが、ポイント部分にはなんとスプリンクラーが!

そして「妙高」を横目で見送り、私はこちらで直江津方面へ・・・

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しかしながら、なぜここ二本木にスイッチバックが今も残っているのかはやはり歴史的背景が当然ある。それは2007年まであった「貨物」によるものである。二本木発着の貨物列車はかなりのもので、専用線が分岐していたほど。ここから発送される「原材料」は北九州や広島方面に行っていたそうであるから相当の品質であったのだろう。残念ながら現在この二本木から発送される貨物は全て無くなってしまったが、スイッチバックだけが残り若干寂しい印象である。

しかし、ただ「スイッチバック」と言うだけではなく、駅そのものに魅力を感じる二本木であるが、かつて私のブログで「頑張れ、二本木君。」というタイトルで少々紹介させていただいた。その時は下車できずにいたが、今回は約1時間ほどの時間をとり駅をじっくり観察した。現在は業務委託駅として駅員が配置されている。この事が私にとって訪問時の「救い」になったのだ。と言うのも、今回の訪問時は関東では「春一番(決して某プロレスラーのマネをする人物ではない)」の話題が紙面を賑わせている中、春装備で参戦した今回の旅では既に篠ノ井線付近から雪がパラついてきた。二本木に到着する頃には完全に辺り一面銀世界になっており、自身の装備的に「二本木は見送ろう」との思いが頭をよぎった。だがせっかく来たのだからと、意を決してホームに足を踏み入れた。もちろん駅は銀世界。しかしながら想像していたほど寒さを感じなかった。やはり春はそこまで来ているのだ!と思い駅舎に向かえば、なんと「暖」が入っているではないか!!駅員がいる温かさ、そして家庭用の暖房器具2基で温かさを保つ待合室は神に手を差し伸べられたような思いであった。
そんな二本木駅は、今もこの町の代表としてマジェスティックな印象を醸し出すが、構内の広さや側線が若干持て余し気味な印象は否定できない。今後「トキめき」になってもこのままスイッチバックは残っていくのであろうか・・・



二本木に到着。自分の衣装が「春」であるのにご覧の景色は若干ショックを受けた。しかし意外にもそれほど寒さは感じ無かった。


地下道を潜り駅舎へ向かう。季節に対する防御は完璧なくらいの駅装備だ。メンテナンスもしっかりと行き届いている。

なかなか魅力的な駅舎である。開業当時からのものであろうか?

駅前の景色はそれなりに「生活」を感じることが出来る。現在は1日300人前後の利用者があると聞くが、中にはかつての「貨物」の工場で働く人もいる事であろう。付近には今も工場が多く存在する。



駅舎内は意外に簡素であった。家庭用の暖房器具2基で温度調整しているのが微笑ましい。

私は滅多にスタンプを押すことがないが、ここ二本木駅にはスタンプがあったので試してみた。押す技術的には別として・・・付近では「大パノラマ」が拝見できるのか・・・




貨物設備の関係から、現在も広く残る構内。これからもこのままの姿を維持してもらいたいが・・・


昔ながらの風景が・・・こういうところに二本木の魅力があるのかもしれない。

次の訪問地へ目指すため列車を待っていると、交換列車の「妙高」が!できればこちらに乗りたいが、乗ってしまった場合、帰郷してしまう事になる・・・

二本木に降りて初めて知ったが、ポイント部分にはなんとスプリンクラーが!

そして「妙高」を横目で見送り、私はこちらで直江津方面へ・・・

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かけめぐる「青春」⑥ 筒石
2014-04-13

北陸本線にある筒石駅は、ご存じ「土合」と共に「トンネル駅」として名高い。上下ともに北陸本線の頸城トンネル内にホームがあり、地上にある駅舎までは長い通路と階段で結ばれている。もともと駅自体は地上にあったが、地滑りなどの災害が相次ぎその対策として現在の形になったと聞く。私の訪問時には「同業者」が3~4組いたがその中には親子での訪問者もいたほどの人気振りであった。
「土合」程ではないがホームから駅舎までは長い階段を伝わなければならない。約280ほどの段数を登らなければならないが、常駐の職員は1日に何往復するのであろうか・・・実際に私の訪問時には下車の際に駅員がホームでお出迎えであった。女性の職員であったが恐らく簡易委託職員であろう。
駅舎にたどり着くともう一人男性職員が改札にいた。かなりのベテラン様と見受けられたが、こちらも民間委託職員であろう。常時2人以上の勤務であると思われるが、利用者は二桁程と推測される。
そして、ここ筒石駅で有名なのが「18」の常備券がある事だ!が、私の訪問時には既に売り切れであったのが残念であった。
とは言え、レールファンにとっては気になる駅には変わらない。やはりこういった駅は人生一度でいいから訪問する価値があると思う。しかし、この駅の利用者は「一度」では済まないが・・・

筒石に到着した。事情に関しては事前に分かっていたものの、やはり独特な雰囲気は緊張感漂う。






通路の案内表示に従って駅舎に向かう。途中、職員が下車の確認を終え駅舎に向かう。が、私たちと一緒に駅舎に向かうかと思ったが、いつの間にか消えていた・・・と言う事は、職員専用の「秘密の通路」でもあるのか・・・



これが筒石駅の駅舎。なんとなくプレハブ感が漂うが、駅舎内は意外に重厚であった。駅員は列車の到着時間に併せてホームに行く。いったい1日何往復するのか・・・



これが駅舎内。待合室は意外に華奢な造りであった。「18」の常備券は既に完売御礼であった。切符売場には「マルス」があると思われることから常備券でなければ「18」を販売してくれると思うのだが・・・

駅前にはこの駅の特徴が最大限にアピール。



再びホームに戻ってみた。ホームと駅舎方では恐らく気圧が違うと思われ、特に特急列車通過の際はものすごい風が吹く。ホーム幅も狭いため、そういう事から列車到着時などには駅員がわざわざホームに出向くのであろう。


これが筒石駅のホームである。上下線で異なる位置にホームがあるのは、先ほどの「風圧」等の理由があると思われる。やはり東京などの地下鉄の駅にいる雰囲気は無く「トンネルの中にいる」という実感が湧く。

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かけめぐる「青春」⑧ 初狩(後編)
2014-04-11

前回に引き続き初狩駅を紹介しよう。今回はスイッチバックの設備、つまり旧駅の部分を主にご覧いただきたい。現在は先述の通り貨物設備として機能しているが、かつてはこちらにホームがあった。現在の旅客ホームより地下道を潜り駅舎に向かうが、その際に構内踏切を渡り駅舎に出る。通路からは間近でポイントなどが見られレールファンには嬉しい材料であろうと思う。そういえば後述するが、この後に訪問した「姨捨」では貨物列車がホームに入線し、いわゆる「スイッチバック」が見られた。この初狩でもそういった光景があるのであろうが、私の訪問時は残念ながら確認できなかった。現在も設備を残すこの初狩を「世界遺産」にでも登録してほしいものだが、これからも後世に残してもらいたい。




駅舎から見たホームに向かう通路。たくさんの貨物側線を渡りホームに向かうのが何とも言えずレールファンの心をくすぐる。

ホームから見た旧ホーム側の風景。かつての旅客設備の面影は薄いが、今もしっかりと機能しているのが嬉しい。

ホームからみた東京寄りの風景。引き上げ線が見えるが、かつて単線であった頃の面影が唯一残るであろう設備かも知れない。



構内踏切から見た初狩駅構内。ポイントも間近で見られ迫力満点!私の訪問時は若干「独占」の時間があったので撮りたい放題であった。

旧・ホームの場所と思われる付近に行ってみた。「見られている」と思うとなんだかちょっぴり引いてしまう感じがしたが、ここは勇んでシャッターを切ってみた。

そして次に乗ってくる列車がやって来た。中央本線はまだまだ「国鉄」が活躍している・・・

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かけめぐる「青春」⑦ 初狩(前編)
2014-04-08

ご存じ初狩は、中央本線唯一の「スイッチバック」の駅として有名である。かつての中央本線はそれこそスイッチバックだらけであったが、複線化と共にそれらの各駅は勾配上にホームが作られ、私の知る限り残ったスイッチバック駅は東塩尻信号場とここ初狩のみであった。東塩尻に関しては1983年に塩嶺トンネルが開通すると役目を終えた。信号場とは言え時刻表には(臨)の文字が表示され旅客扱いもしていた「常設駅」的存在であった。現在はその地位をみどり湖に譲りスイッチバックも無くなった。
初狩に関してはスイッチバックが残っているものの旅客扱いは勾配上に新たに作られたホームで行われる。スイッチバック時代の旅客ホームは若干残骸が確認できるが殆ど面影が残っていない印象であった。なぜこの駅だけがスイッチバックが残されたかは各メディア等で確認できるが、工事列車や貨物列車の発着の為の設備に過ぎないと記されている。とは言え、かつての「遺跡」が今もこうして残っているのはありがたい。
私は朝7時にこの地に到着したが、朝日を浴びながらの初狩駅もなかなかのものであった。通常、この時間帯なら通勤通学という忙しさの印象であるが、訪問当日は祭日というのも手伝ったかほぼ「独占」させていただいた。しかしながら列車到着時間近くになるとチラホラ乗客の姿も見えしっかり「駅」として機能している印象であった。駅前にはコンビニなどの店は見当たらず少々不便を感じたが、こういった駅をこういう形で訪問するのは私のような「特殊」な趣味を持った人間くらいであろうか?

朝7時に到着した初狩駅。当日は天候にも恵まれ心地よいスタートを切ったように思えたが、衣装的に若干春装備であったため、湘南地区との気温差に面食らってしまった・・・


とりあえず駅舎に向かってみる。ホームに向かう乗客と何人かすれ違ったが、そこそこの利用者があるのは良い事だ。

初狩駅の駅舎はこんな感じ。恐らくスイッチバック時代からのものと思われる風情ある建物だ。



公式上は業務委託駅であるが、私の訪問時は時間帯によるものか駅員は不在であった。

途中、上り列車がやって来た。なんと「スカ色」!できればこちらに乗りたかったが・・・しかしながら列車の傾きに注目していただきたい。かなりのカントである。

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