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鉄道全線完全制覇の旅

昭和から平成へ・・・全線制覇の旅紀行!

熊に逢ったらどうするか⑫ 中越信号場

中越信号場は周知の通りかつては駅であった。とは言え、晩年は勿論、以前より利用者が限りなくゼロに近かった状態であったろう。駅自体は国道沿いにあり、訪問するのには非常にわかりやすい。勿論周囲は「野生」と化した街並みが続くが、基本的に国道沿いという事もあって、若干ながら秘境度が和らぐ。とは言え、ここは完全な秘境地帯。いつ熊が出てもおかしくない環境であった。
かつては2面4線であったが、私がレールファンになり情報を得る頃には既に2面は使用されていなかった。現在はその2面は完全撤去され残りの2面を使用し列車交換を行っているが勿論ホームは無い。信号場となった現在も駅舎は残り、保線職員の詰所となっていると思われるが、ほぼ開業当時からの姿を留めていると思われる。
はっきり言って、中越駅の前にある国道はそれなりに通過する乗用車があるが、私のようにこういった駅に車を止めるのは世間的には珍しい部類に入るであろう。近くにはチェーン脱着場がありシーズンにはさぞかし繁栄する事であろうが、私の訪問時はシーズンオフ。普通にPA状態になっていた。が、勿論売店などは無く、普通に休憩するのみの場所である。


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国道沿いにはこんな看板があるので非常に訪問しやすい。が、既に「駅」ではなくなって久しい。


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駅前一等地はご覧の通り秘境地帯。いつ熊が出てもおかしくない。とは言えチェーン脱着場もあり、シーズンにはある程度の賑わいを感じるであろう。


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そして中越「駅」に到着。旅客扱い時代とほとんど変わっていないが、入口は勿論固く閉ざされている。そして中越駅を表現する看板等も無いので一般の人からすればここがどんな建物でどういう意味があるのかは理解不能であろう。


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駅名標の跡が痛々しいが、かつては「駅」であった名残が確認できるだけでも幸せか。隣の天幕は既に跡形もないのだから・・・


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ホーム側から駅舎を見てみた。かつて旅客営業していた事がひと目でわかる。木製の板で固く閉ざされているのが痛々しい駅舎への入口は、かつてどれだけの人が行き来したのであろうか・・・


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かつては2面4線あったホームも現在はご覧の通り。一応中線を備えており、信号場としては立派な設備である。が、いかんせん「信号場」のため全国版の時刻表などに記載されていない事実は寂しい限りだ。


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旅客駅時代はここからホームへと向かった事であろう。現在はこの階段を利用しても鉄路のみが待ち構え、むしろ関係者以外は入れない空間となってしまった。


寂しい限りであった。信号場に格下げされてしまうとこうも変わってしまうのか・・・以前に紹介した石勝線の楓信号場は、駅舎こそないものの旅客ホームが今も健在であり、定期利用こそなかったが本線側のホームも現存している。それを考えるともうここは完全に信号場としてのカラーに染まってしまった・・・隣の天幕は駅そのものがなくなってしまった。本当にものすごい場所に鉄路が敷かれているのだと思うが、それは周辺の過疎化とともにモータリゼーションも加わった典型的な利用者減少のものである。
駅前は国道であるが、高速道路が並走している。その高速道路はこの石北本線と並走する区間は別料金無しで通行できる。主だった車両は勿論こちらの高速を利用しているであろう。それでも中越信号場前の国道はそれなりに通行があった。事情を知らない人はこの中越「駅」の表示を見て普通に「駅があるのかな」と感じるであろう。いや、もしかしたらその看板さえも見ることなく、存在さえも知らない人の方が多いかも知れない。しかし中越は今もこうして自身の役目を果たしている。北海道方面の鉄道風景は、こんな景色が当たり前のようになってしまった場所が多い。そして更に鉄道そのものがなくなってしまった景色も多い。
近い将来、もしかしたらここ中越もなくなってしまうかも知れない。そして、更に石北本線そのものがなくなる可能性も否定できない。確かに私はこういう場所に好んでやってくるわけだが、冗談抜きで「新幹線化」や「高速化」等の改良をしなければ将来生き残れる道は無いかも知れない。現実的では無いが、この石北本線を残すというのであれば現実的な手段ではいずれ廃止になろう。複雑ではあるが、私の胸の内もかなり複雑である。



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熊に逢ったら・・・「白滝シリーズ」① 奥白滝信号場

長期連載させていただいたこの「熊シリーズ」もいよいよ千秋楽を迎えた。今回の北海道の旅ではこの「白滝シリーズ」と「石勝線」がメインの訪問であったが、ついに白滝シリーズが私のブログに掲載される時が来てしまった。私はかねてからこの白滝シリーズの訪問は夢であったが今回思い切って実現させた感じだ。勿論まだ紹介していない「熊シリーズ」は沢山あるが、いずれタイミングをみて紹介したいと思う。

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(道の駅・しらたきは、若干写真に角度が付いてしまったが・・・上越信号場付近にある浮島インターから一気にトンネルを抜けここに着く。確かに便利な時代になったが、付近は完全に秘境度満点であった。)

という事でこの石北本線の上川~遠軽間は、私が最も以前からじっくりと訪問してみたかったと思っていた場所であった。そして今回、長期連載させていただいている「熊に逢ったら」シリーズにおいて計画段階では石勝線の信号場とともに最重要区間に位置づけし、訪問を一番楽しみにしていた場所でもあった。
特にこの上川~白滝間においては近年で駅の数が減少。ほとんどが信号場に格下げされてしまったが、中には天幕のように駅そのものがなくなってしまった例もある。

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(若干「アクア」が邪魔になってしまったが、これが現在の奥白滝信号場。まだ旅客駅の匂いが漂うが、やはり周囲には民家が皆無であった。)

今回の旅においての計画段階では「相当の秘境なのであろう」と想像が膨らむばかりであったが、実際に訪問してみたらやはり秘境度200%くらいの秘境度であった。何しろ民家の数より道路沿いにある「チェーン脱着場」の数の方が多いくらいであった。とは言うものの、私が今回訪問したのは6月であり、チェーン脱着場においては完全に「旬」の時期ではなく、むしろ「パーキングエリア」的な役割をしていた。
そんな中、奥白滝が信号場に格下げされたのは記憶に新しいであろう。とは言うものの、その時期が2001年であるからもう10年以上経っている事になる。つい最近のような感じがしたが・・・月日の経つのは早いものである・・・

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(「駅」ではなくなってしまったが、往年の駅舎は健在。かつての旅客ホームは既になく、自然の一部になろうとしている姿が印象的であった。)

隣の上越は1975年に信号場に格下げされた。その時既に付近に住民がいなくなっていたと聞いているが、確かに以前に私のブログで上越信号場を紹介したように、本当に周りに人気がないのだ。まだ中越に関しては国道沿いに駅があるので安心感はある。しかし上越に関しては国道より脇道に入るため更に秘境度がプラスされる。
そんな中、この奥白滝は付近に高速のインターがあり、そして道の駅も存在するため秘境度はかなり薄れる。とは言うものの、緑豊かな奥白滝は生活の雰囲気が感じられない。付近に民家が全くと言っていいほど見当たらないのだ。信号場になってしまったのも肯けるが、そういう現実も個人的には受け止めにくい。やはり「駅」として機能してこそ!という思いもあるが、やはり現在も信号場としてでも残っているだけでも嬉しい。

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(都会に住んでいる人にとってみればこれが「駅」とは考えられないであろう。とは言うものの現在は信号場であるが・・・)

現在は先述の通り高速道路が並行しているため石北本線の機能は薄れてしまった。そしてかつて駅であった場所は現在信号場として第二の人生を送っている。昔より便利な時代になったが、それに反比例するかのように沿線人口は、というより全国的に人口が減少している。こうした駅も全国的に増えてくることであろう。特に北海道はその例が顕著で、例えば10年後、20年後は上白滝や、それこそ瀬戸瀬あたりも信号場になってしまうかもしれない。そして、もしかしたら「石勝線」のように特急列車しか運転されなくなる区間も出てこよう可能性もある。

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(片隅には保線車両が留置されていた。しかしこの車両は、私の訪問した時期では「旬」ではなさそうだ。)

という私も今回は完全に鉄道という交通手段を一切使わない旅を経験してみた。現在は「ハイブリッド」なるトレンドの波が押し寄せ、その波に私も乗ってみた。というより波に乗るのがむしろ遅いくらいかも知れない。勿論鉄道車両にもハイブリッドは存在するし今後一段と増えていく事であろう。しかし普段生活するなかでの自家用車は「アクア」「プリウス」などは完全に通勤などでは優位に立つ。これは勿論燃費等の事を指しているのであるが、冒頭に載せた道の駅の駐車場にはそれなりに車が駐車されていた。という事はこの区間もそれなりに行き来があるという事である。
そんな時代の中で取り残されたかようなここ奥白滝は、普段は誰にも気にされる事無く穏やかな時間を過ごしていることであろう。そんな時代の移り変わりを奥白滝はどのように受け止めているのであろうか。自身の道を行く奥白滝はある意味「不器用」なのかも知れない。その姿は、変な例えであるが若干「王道」にも思える気がするのは私だけであろうか。



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熊に逢ったらどうするか⑤ 上越信号場

「じょうえつ」ではなく「かみこし」と読むこの信号場は石北本線にあるのはレールファンの間では周知の事柄である。1975年までは旅客駅として活躍していたが、その後は信号場として現在に至っている。1975年といえば新幹線が博多まで到達した時期でもある。同じ年に信号場に格下げされた上越は、道内最高地点に存在するのもレールファンならお分かりであろう。「周囲の住民がゼロになった」ので旅客営業を廃止したと聞いたが、私がこの「熊シリーズ」の旅で訪問した2014年6月現在に自身が体験しその実態を肌で感じることになった。近年では上越信号場の上川側で自動車道と交差するので秘境度は薄れたが、それでも「秘境マニア」には絶好の条件であろう。
上越信号場は国道から脇道に逸れてしばらく進んだ場所にあるが、ハッキリ言って「出る」環境だ。かつては民家が付近にあったことなど信じられないくらいに、例えば夜一人でこの場所に訪問するという事は下手な心霊スポットに肝試しに行くよりも1万倍スリルがあることであろう。絶対に避けた方が良いとこの場で警告しておこう。私は昼間の訪問であったので、という私が警告しても説得薄いが、全く街灯が無い細い未舗装道路で伝っていく。山の中なので少々アップダウンはあるが、とてもかつて人が住んでいた形跡すら感じられない。そして驚いたのは道路と上越信号場の詰所(旅客扱い時代の駅舎)の間には沢(川)が流れており、その沢にかかるブリキのような橋を渡らなければならない事だ。それこそ「石橋を叩いて・・・」ではないが、まさに一歩一歩匍匐前進をしながら駅舎に向かう。歩み毎に橋が「ペコン、ペコン」と音を立てる・・・この上越信号場の訪問のポイントは、正直いつ崩壊してしまうかわからないような橋を渡る勇気があるかどうかだ。

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国道から枝分かれする林道のような小道へ入っていくと上越信号場に繋がっている。ナビだと「上越信号場」と入力しても反応がないため事前に位置を確認しておかなければならないが、標識があるため非常にわかりやすい。

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もしかしたら「東オサワ」よりも凄い環境だったかも知れない上越へのアプローチ。高速道路の橋桁が唯一の「文明」だ。

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しばらく走ると「吊り橋」が現れてくる。そう、ここが上越信号場だ。この橋を渡らなければ詰所に行かれない。私は車を降り「熊装備」を全て身に付け全身全霊で橋を渡った。

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一歩踏み込むことに「ペコン」と鳴り響く。初夏の暑さで橋の鉄板が膨張したのか、それとも老朽化していたのかは不明であるが何かと物騒・・・

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そして橋を渡るとその全貌が明らかに。かつては旅客駅であった名残が今でも感じられるが、その「旅客」も付近には全く存在しなくなってしまった。

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これが上越信号場だ!両端は石勝線張りにスノーシェルターでポイントが保護されている。中越方ではスノーシェルターの部分と高速道が交差する。

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一通り確認をした後再びあの橋を渡り駅前に戻ってきた。これが国道から駅に通じる道である。下の写真が国道へとつながるのだが、上の写真は上越信号場より更に奥へと繋がっている。この先に何が待っているのであろうか・・・


もしかしたら私の訪問は季節外れだったのかも知れない。しかしこの上越信号場を取り巻く環境を肌で感じ、そして信号場となった「背景」を確認することができた。だがそれは「哀愁」などの表現では足りないくらいの「何か」があった。上越信号場の撮影を終え吊り橋を渡っている時になんだか妙な胸騒ぎがした。なんだろう・・・「こんな場所でも(という表現は失礼かも知れないが)人の暮らしがあったのか・・・」現在のように車が発達していなかった時代にどのような暮らしをしていたのか非常に気になった。後述する隣の中越信号場も近年まで旅客駅であった。私の中学時代は石北本線の上川~遠軽、特に白滝付近では旧型客車やDCの普通列車が1日に4~5本は設定されていたはずだ。現在では究極ダイヤであることは周知の通りであるが、その列車設定でも「過剰ダイヤ」と思えるくらいの沿線風景であった。それこそ区間を限定して「石勝線化」しても良いとさえ思ってしまった。特急列車しかやってこなくても問題ないであろう、そう思えてしまう上川~丸瀬布あたりの区間は実に心打たれる思いだ。
そういえば「究極ダイヤ」の現在でも確か定期客がしっかりいると聞いた。ひとりひとりのお客様をしっかりと大事にする・・・私のように東京近郊に住んでいるとついこう言った「心遣い」を忘れがちだ。「商売の基本」であろうと思うが、北海道のような場所ではこういう細かいひとつひとつが収入源になる。普通列車が設定されている意味がここにあるのは周知の事実であろう。
中越や上越などは現在も信号場として残っているが、例えば天幕は駅そのものがなくなってしまった。そう考えるとこの上越や奥白滝などの信号場も天幕のような運命をたどる可能性は、限りなく50%以上の「右肩上がり」になっているのかも知れない。



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熊に逢ったらどうするか② 東オサワ信号場

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(東オサワ信号場の詰所。この位置からの撮影が精一杯であった。ハッキリ言ってものすごいジャングルの中にある信号場だ。)

東オサワ・・・全く一般的な知名度は皆無に等しいと思われるこの場所は北海道は石勝線にある信号場である。信号場?レールファンの間では常識的日常会話であろうが、レールファンではない一般には全くわからない単語であろう。ということで少々信号場について補足すると、要するに列車の運行上に必要な分岐点や単線区間の列車交換のために設けられた施設だ。通常は「駅」と呼ばれる旅客を扱う施設においてこのような行為が行われるのであるが、例えば地形的制約や付近に民家や施設がないため「駅」として機能させても旅客的な利益が発生しないであろう場所に設置される施設である。

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(これは帰り道の写真であるが、一応このような狭い道でのアプローチ。写真で見るとなんの変哲もない道路であるが、更に進むととんでもない景色が待っている・・・)

私が日本の鉄道路線で一番好きな路線は石勝線であることは当ブログにて再三に渡りお伝えしてきた。今回の北海道訪問に関しては、この東オサワを含む石勝線の信号場各種訪問が最大のテーマでもあった。しかしながら実際に訪問してみるととんでもない事が分かってきた。もちろん事前にしっかり下調べをしていたが、ハッキリ言って「出る」環境であった。
石勝線の新線区間(新夕張~新得)は信号場が多数犇めくが、元々は旅客駅として計画されたものだ。だが、時代とともに沿線人口が減少。石勝線が開通する頃にはとうとう無人地帯になってしまった。「無人」とはオーバーかもしれないが、それくらいに過疎化が一気に進んだ感じだ。北海道の開拓部落の方々は本当に感心してしまう。よくぞこのような秘境中の秘境を切り開き住まおうと決意した事を。現在こそ鉄道が開通し高速道路も通るようになった。そしてオサワ地区にインターチェンジもできてようやく便利になったが・・・念願叶う頃には既にそこに「生活」はなかった。ウン十年、いや100年来の悲願がようやく叶ったというのに・・・

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(東オサワに向かう小道からインター方面を眺める。かつてはここに小学校か中学校があったらしい。)

オサワは漢字で書くと「長和」となる。元々は「新登川」として旅客駅の計画であった。しかしながら過疎化により現在の姿となったわけであるが・・・.2011年に開通した道東自動車道のインターチェンジとして「穂別むかわ」がこの長和地区に出来が、そのインターのある場所はかつて小学校もしくは中学校であったと聞いた。

私は東オサワ訪問の前日よりトマム入りした。そう「星野リゾート」に宿泊するためである。その模様は後日に紹介するが、トマムはやはりいつ来ても素晴らしい!そして翌朝トマムより占冠駅に訪問しそして東オサワに向かった。占冠より穂別むかわインターまでは高速を使った。もちろんショートカットの意味も含まれるが、ここ東オサワに訪問するのには極めて都合が良いからだ。というのも、インターのすぐ脇の小道からアプローチすると便利なのと、この石勝線の「ライバル」の具合も確認したかったからだ。

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(更に進むと全貌が明らかになって来た。まさに「ジャングル」が顔をのぞかせてきた感じだ。)

インターを出ると、普通なら分からないが事前に知っていると「ここだ」とわかる小道の入口がある。もちろんナビを使えば一発で行けるのであろうが、もちろんナビでは「東オサワ信号場」と入力しても出てこないので事前の「グーグルマップ」での地図から場所を特定しての入力となる。
早速その東オサワに繋がる小道を行くと・・・ハッキリ言って「獣道」だ!車一台分くらいしかない道幅は、高速道路の建設開通に合わせて舗装されたらしいが、以前は「未舗装」であったらしい。そして小道を入るとすぐに先ほど述べた「小学校」の校門と思われる石柱の跡と思われるものが道端にある。廃校跡に建てられた高速のインターを、こうして外側から見るとものすごい哀愁・・・ちょっと胸にこみ上げてくるものを感じてしまった。
と思い何気なく反対側を見たら・・・なんと野生の鹿が普通に食事をしているではないか!とりあえず私たちに興味が無いみたいなので私も見なかった事にして更に進む。若干高速道路に沿うように進むと「○○牧場」と書かれた民家があった。よくこのようなところに居を構えていると感心してしまうが、何となく生活の気配を感じなかった。そう、この近辺での唯一の民家と聞いてはいたが、既に住民は撤退していたのかもしれない。

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(この地区に唯一と思われる民家があった。手入れが行き届き暮らしがあると思われたが、写真に写っている建物は廃墟状態。既に撤退してしまったのであろうか・・・)

更に先に進むと・・・なんと道の途中に鹿と思われる白骨化した姿が無造作に放置されていた!なんだここは!私は身の危険を否定せずにいられなかった・・・もしかしたら「熊」?にやられたのか、それとも・・・白骨化してもなお道の真ん中にあるということはそれほどこのあたりは人通りがないのか。付近には高速もあるし石勝線も走っている。「保線」などのメンテナンスの従業員がやってくるであろうが、それにしても・・・

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(道端に転がっていた、白骨化した「鹿」と思われる姿。これってこの付近では日常なのか?一気に身の危険を感じたのは言うまでもない。)

勇気を出して更に進むと、高速の下を何度か潜り抜けやがてスノーシェルターが見えてきた。そう、ようやく東オサワに到着したのだ。少し進むと線路と同じ高さにまで来る位置があったのでそこで東オサワの詰所(保線員の休憩所及び部品や道具の収納場所)を確認した。ただ、詰所へは線路を渡らなければならず危険だ。必ず詰所に通ずる歩道があるはずだ。更に先に進み石勝線を一回潜った。そしてついに発見した。が・・・写真では伝わりにくいが、結論から言うと私はこの階段を登る勇気が無かった。熊への装備を完全にしていざ向かおうと車から降りたが・・・何やら木の上から降ってきて下の木の葉に当たった。それは紛れもなく「蛇」であった!もちろん「コブラ」などの猛毒を持っているものではないと思うが、もしかしたらマムシかもしれず私は直ちに車に戻った。

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(獣道を更に進むとようやくスノーシェルターが見えてくる。そう、ここが東オサワ信号場だ。)

残念ながら東オサワ信号場の詰所に行くことができなかった。だが後悔はない。しかし再び訪問してみたいと心に誓った。保線員の方は毎日と言って良いほどこういう場所で作業している。それってすごく尊敬してしまうし感心してしまう。このような場所に鉄道を敷くという事は大変な労力を必要としたであろう。かつての「開拓部落」の方々の悲願がひしひしと伝わってきた思いでもある。
鉄道が開通するのを待ちわびていた開拓部落の人々の願いが叶う頃には・・・既に人は撤退し駅ができたが旅客扱いしない信号場となってしまった。唯一と思われた民家の方はこの事実をどう受け止めたのだろう。

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(そしてやっとの思いで東オサワ信号場に到着した。少々見辛いが「東オサワ」の看板が若干のスモールチックに出てくる。そして赤く錆び付いた急な階段があるが、ここを登れば詰所に通ずるものと思われるが・・・あなたはこの階段を登りたいと思いますか?確実に「出る」環境だ。「登る」ということは帰りは「くだる」ことにもなる。)

よく人は「都会を離れて大自然を堪能したい」などと旅に出るが、大部分の人は本当の大自然を堪能しているのであろうか?と感じる時がある。一般的な観光地や名所の展望台や灯台などに行き景色を眺め、それを「大自然」と感じるものいいであろう。だが、本当の大自然を求めるなら私は「東オサワ」をお勧めする。しかしその大自然は「食うか食われるか」という自然界の法則に則った、本当の意味での「ナチュラル」な大自然なのかも知れない。



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プロフィール

ダイヤモンド✡トナカイ

Author:ダイヤモンド✡トナカイ
✩2022年4月より毎週土曜日更新になります✩


昭和・国鉄の話題を中心に紹介しています。


2013年に長野新幹線の長野駅にて「いい旅チャレンジ20000km」よりスタートした国鉄時代の制覇を含めJR全線制覇を、そしてゆいレール以外の鉄道全線制覇を達成いたしました。


以降、北陸新幹線と北海道新幹線などの開業によりタイトルは返上しています。

JR以外の私鉄を含む鉄道未制覇路線は北陸新幹線(長野~金沢)・北海道新幹線・仙台地下鉄東西線・仙石東北ライン・富山地方鉄道延伸部分・ゆいレール・相鉄直通線(相鉄新横浜線)、そして新規開業の西九州新幹線や宇都宮に開業したライトレールも新たに加わりますます未制覇路線が増えてしまいました・・・

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