「本線」という名の元に⑧ 峠下

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ご存じ、留萌本線の中間駅で唯一交換設備が残されたここ峠下であるが、周囲に民家はほぼ皆無で、利用者的にも北海道らしい数値であることは間違いないであろう。
そして駅舎に至っては「年季が入った」などという言葉で片付けてしまっては申し訳ないような年季の入り様で、恐らく石狩沼田や留萌よりも先輩に当たるであろう。
国道沿いにあるが、意識していなければ普通に通り過ぎてしまうであろうその空間は、文字通り「サミット」であるため、確かカーブの途中に駅へ通じる道があった記憶だ。

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山道くねくねの途中に「峠下駅」と書かれた看板に従い右に折れると、そこはまるで異空間のパラダイスであった。寄り添う国道はトラックなどがバンバン飛ばしてくるが、峠下の駅前に入った途端、まるで時が止まっているかのような錯覚を起こす。もちろん駅前には商店や飲食店などの商業施設は皆無である。もしこれらの施設を必要とする場合は石狩沼田か留萌まで足を伸ばすしか術は無いであろうと思われる。実際に私自身も、石狩沼田から次の駅に向かおうとした時にレンタカーの燃料が気になった。この先スタンドかあるかどうか・・・一応ナビ検索してみたが、やはり石狩沼田まで引き返したほうが無難と判断。結局石狩沼田のスタンドで燃料を補給して次の駅に向かった。

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峠下に着く頃には更に山深くなっていき、少なくとも国道沿いでは民家を見つける事が困難であったが、果たしてここ峠下の利用状況はどうなっているのであろうか。
某秘境駅訪問家の評価はそれほど高くはないが、秘境度的な部分のみを考えれば私的にはかなりの上位になるであろうと思う。留萌~深川間の中間駅で唯一交換設備が残されたのは、留萌~深川間のほぼ中間地点であるのが最大の理由であろうと思われるが、おかげで現在でも昔の姿が残されているのが嬉しい。現代人が昔の鉄道を体幹する事ができる貴重な峠下は、これから先時間が経過するにつれもっと貴重となってくるであろう。

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では早速駅舎から。留萌本線は比較的昔の駅舎が残っている路線でもあるが、やはりこうした古式ゆかしい駅舎は無意識に気に留めてしまう。時間の経過や時代の変化と共にだんだん貴重なものとなってくるが、こちらの場合、最終着地が見えている事から出来るだけ早いうちの訪問がよかろうと思う。


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ホームは舗装されておらず、砂利や土ベースになっている。周囲は文明的な何かが全く見当たらない。ウィキによると付近には農家が一軒あるだけとの記述が。


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恐らく「冬季グッズ」が収納されている事であろうと思われる。こういう倉庫も昔のままってのがまた味がある。「新しいもの好き」「時代の最先端」などと、よく古いものは敬遠されがちな日常もあるが、「古き良き」「昔ながらの」など、ある意味かつてからずっと引き継がれているものも、こうして今も活き続けているからこそという日常もあるから良い!


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国道直結の駅前一等地。その国道は文字通り山深い。夜中には恐らくひとりで歩けないであろう。



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「本線」という名の元に⑦ 恵比島

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「明日萌」の異名を名乗るのはあまりにも有名であるここ恵比島は某テレビドラマのロケ地で使われた当時の面影を残し現在に至ってる。たが普段はひっそりとしており、木造駅舎の待合室にいるオブジェが印象的であるが中には入れないように鍵錠されている。
代わって一般が利用する待合室は隣の「貨車」となっているが、外装は木製風な施しがロケ的な雰囲気を醸し出している。駅前にはドラマ撮影時に使用されたと思われる建物が数件あり、独特の雰囲気であるが、それより最も重要である定期客を構成する住宅的な棟が付近にはそれほど見当たらない。
やはりこの駅も「秘境駅」の仲間入りをいつしてもおかしくない雰囲気であるが、かつては留萌鉄道を分岐しており、「黒ダイヤ」時代は貨物のみならず旅客でも賑わった事であろう。その名残は今でも広い構内と不自然に波打つレールが無言で語り掛けてくる。そして駅前には今より何倍もの民家が軒を連ねていた事であろう。

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さて、早速駅舎を。といっても冒頭に出てきた木造駅舎の中には通常入る事が出来ない。一般的には隣にある小さな駅舎が待合室になる。おやっ?と思われるであろうが、よく見たら「貨車駅」ではないか!そう、車掌室を若干外装のみ改装し「観光用」にしているのだ。


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再び木造駅舎へ。超観光用に施されているが、更に駅前を見て驚いた!


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恐らく撮影の際に使用されたと思われるオブジェ達。駅と駅前が一体になっている。


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では、観光から切り離してレールファン的視線で見てみよう。とは言うものの、普段と観光が入り混じっているのでやや混同してしまうが、この駅の過去の名残を若干ながら感じる事ができる。


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ご覧の通りかつての盛栄が。ラベンダー的空間はかつて交換設備があった名残を感じるが、留萌鉄道の名残は広い構内にのみ何となく感じる事ができる。


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再び駅舎へ。レールファンにはお馴染みの光景であろうが、本当に普段はひっそりとしている。


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そのひっそりが嘘だった時代が本当にあったのだ。この不自然な波打ちが全てを物語っているであろう。


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そういえばJR仕様の駅名標が見つからなかった。いや、私が見落としていたのか・・・いずれにしても「ドラマチック」な駅であった。


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「本線」という名の元に⑤ 真布

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かつては「仮の姿」であった真布であるが、現在は仮の姿では無く「駅」として堂々と時刻表に載っている。仮の姿の名残はあるものの、立派な待合室も健在である。やはり北海道特有の気候にはこうした「味方」がいると心強い。都会に住まわれる一般の方にとって「これが駅です」と言われてとても信じられない心境になる事であろう。とは言え、レールファンにとっては見慣れた光景。いかにも北海道らしいと言えば北海道らしい駅でもある。一直線のレールの途中にポツリとあるホームは実に心くすぐる光景であるが、そのホームに足を踏み入れると木独特の重みと温もりを感じずにいられない。グラフィック的にも都会のホームとは明らかに違うが、ある意味人間臭さみたいなものが伝わってくる。
周囲はご覧の通りの風景であるが、季節によってはとても力強い存在に見えてくる事であろう。例え1両編成であっても列車は時間通りにやってくる日本の鉄道風景は世界的にどう映っているのであろうか。


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踏切のすぐそばにある真布。木製のスロープが印象的である。


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そしてこちらが真布全景。ご覧の通り木一色である。であるが、しっかりメンテされているから安心して利用できる雰囲気。


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どうですか、この一直線。かつては全国版の時刻表には顔を出さなかった存在であったのである意味「隠れキャラ」であったが、留萌~深川間は隠れキャラじゃない他の駅ではかつて交換設備があったので、逆に最初から棒線駅である事が「仮の姿」の証であろう。



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「本線」という名の元に④ 石狩沼田

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かつてここから札沼線が分岐していたのはあまりにも有名であるが、一般的にはあまり有名じゃないかも知れない。私の世代でさえ物心付くか付かないかくらいの時代に廃止されたため完全に伝説的な事象である。廃線跡もそれほど面影が無いらしく、実感的なものを感じないのが正直なところである。と言うものの、残った末端区間も1日一本しか列車がやって来なくなってしまい、同じ運命を辿るのも時間の問題であろう。

さてそんな石狩沼田であるが、現在は交換設備が外され駅舎側のホームだけレールが残った。付近には大きな集落、というより市街地があり、この先留萌までガソリンスタンドは無いであろうと予測できる事から、ここ沼田で燃料を補給しないと大変な事になる。というくらいひとつの街が形成されてるにもかかわらず、駅が寂しくなってしまった。

考えてみたら、もし札沼線が健在であっても沼田から札沼線経由で札幌まで行かれる方はそう多くないであろう。仮にいたとしても私のような乗り潰し派的な物好きくらいかも知れない。
であるが、まさかここ沼田が棒線化されるとは思わなかった。かつては石炭や海産物の輸送でも賑わったであろう事は後述する留萌のかつての姿で察するところであろうが、現在は後述の峠下のみ残された交換設備だけでも運転本数に支障ないダイヤに組まれているのはさみしい限りである。

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石狩沼田駅前はご覧の通り、かなりの繁栄を感じるが、実際に鉄道利用に結びついているのかというと・・・

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立派な駅舎は札沼線部分廃止時に建て替えられたと聞く。そして現在・・・留萌本線の今後の将来も確定している中、石狩沼田自体が将来的に過去のものになってしまうのは虚しい・・・

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早速ホームに向かってみる。駅舎を通過しなくても直接ホームに行けるという事は、既に駅員無配置としてのプロローグである事は明白である。

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ご覧の通り、かつての盛栄を偲ぶ。前回訪問時(2008年)は「こんなはずではなかった」的なイメージであったが、今回の訪問時で更にその思いは倍増した。レールのないホームは、正直言って「勿体無い」的な感傷に浸る思いである。


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駅舎内は至ってシンプル。というより前近代的な造りであるが、待合室が以外に広い。切符売り場は何となく人の気配が感じなくもないが、全く人の気配がなかった。

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よく見ると、後述する留萌にソックリな造りである。恐らくちょうど同じ頃に建て替えられたのかも知れない。



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「本線」という名の元に③ 北秩父別

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超北海道らしい駅と言えば超北海道らしい駅であるが「本線」と思えば思うほど味が出てくるのがここ北秩父別であろう。留萌本線をウィキで調べたら「本線を名乗るJR線では一番短い」との蘊蓄があった。実際にレンタカーで訪ねてみたら、留萌~増毛の廃止区間は全駅訪問しても一時間とかからなかった。多分留萌から30分くらいで増毛に着いた印象であった。
とりあえずその件については後述するとして、北秩父別について、ご覧の通りかつては仮乗降場であり全国版の時刻表には顔を出さなかった。だがしかし、民営化とともに、遂にそのベールを脱いだのであった。

まず、レールファンなら一目見て「北海道」と感じることが出来るであろう。私は今回レンタカーでの訪問であったが、とにかく、ナビの案内ではあるものの駅を見つけたときの喜びは大きい。特にそれが枕木を並べただけのホームだったり古い木造駅舎だったりするとなおさらだ。ここ北秩父別は、ある意味典型的であろう北海道らしさが漂う駅であるから、そういった意味では逆に地味な存在かも知れないが、ここ留萌本線にあると更に一際地味さが増す感じである気がする。

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踏切のすぐそばにある北秩父別。かつては仮乗降場であったが、JR化とともに駅に昇格。とはかつて北海道に星の数ほどあった仮乗降場の典型的な姿であるが、中には「仮」とは思えないくらいの立派な駅もあった。

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そしてホーム・・・と呼べるかどうか分からないが、仮乗降場的なムードに満ち溢れている。北海道といえば「これ」であろうか。

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そして先ほどから見え隠れしていた木造の待合室。こうした「古い良き」が現代シーンで失われつつあるが、逆に現在でも残っている事の方が奇跡かも知れない。

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中身はこのような感じか。もし自身の書斎にしてみたら、ブログの更新にかなり精力的になりそうな雰囲気。

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駅のすぐそばを高速が掠める。すでに時代は移り変わっており、留萌本線の未来は周知の通り役目を終えようとしている。だが、かつては石炭輸送で日本の経済や生活を支えたのも周知の通り。

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多分首都圏などに在住されている方で事情の知らない方はこの駅を最初に見て驚く事であろう。とても駅とは思えないくらいに出来すぎている。まるで映画のセットのよう。



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プロフィール

ダイヤモンド☆トナカイ

Author:ダイヤモンド☆トナカイ
所在地:神奈川県湘南地区

〇2013年6月11日、北陸新幹線長野駅にてJR全線制覇いたしました(当時)。
国内の鉄道は、沖縄の「ゆいレール」を残し全線制覇しました。(とは言うものの、2015年3月の北陸新幹線延伸によりJR全線制覇は「ベルト返上」しました)

★ ブログ記事の「リメイク版」は、以前にホームページで紹介した旅日記をブログでリメイクしたものです。


◎ブログの登場人物

★ ダイナミック☆トナカイ
・・・中学時代の後輩で、2013年に約30年振りに再会を果たした。数多くの写真を提供していただいた「盟友」でもある。

★ おさる・・・かつて私がバンド活動をしていた時のメンバーで、鉄道復活のきっかけを作ってくれた人物。彼とは「秘境駅」を数回訪問した「親友」でもある。

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