同和鉱業片上鉄道に接近してみた③ 苦木
2017-05-10

同和鉱業片上鉄道はほとんどの廃線跡がサイクリングロードに変身しているが、私はレンタカー訪問のためサイクリングロードを体験できなかった。そこで途中駅で保存状態の良い苦木を訪問してみた。だが、やはり私のように遠方からはるばるやってくる訪問者にとってはかなりの事前調査をしておかないとその位置関係が把握できないと思い、私もその例に習いしっかりと自己所有のポータブルカーナビにインプットしてからの訪問となった。片上鉄道は基本、並走道路の横をちょっとした高台風の位置で寄り添うが、特に苦木はサイクリングロードを自転車でやってくるとちょうど休憩するのには適当な空間になっていた。そしてレールファンにはたまらない空間でもあった。だがその位置は、旅客で金儲けをしようという意気込みは全く感じられず、むしろ鉱山鉄道的な匂いをひしひしと感じるほど貨物列車主体の鉄道である事が廃止されてからかなりの時間が経過している現在でも感じることが出来る空間でもあった。
だが、こうして今のその歴史が肌身で伝わってくる場所があるだけでもある意味幸せだと思えるくらい保存状態がよく、こうした場面に自身が居合わす事ができただけでも感謝かも知れない。ますます現役時代の訪問をドラえもんにお願いしたい気分になった。


文明の利器を最大限に利用。実際に地元の方以外の訪問者ならカーナビがなかったらわからない場所に苦木はあった。もちろん地元の方ならその場所を一寸の狂いも無く伝えていただける事であろう。





ちょっと坂道を行くとこうした空間が現れる。サイクリングロードに変身した現在、その場所が廃線跡である事を確信するのに時間はかからない。




どうですか!素敵な空間でしょう。多分1日居ても飽きない物件かも知れないが、それも季節によると思われる発言・・・


ここまで保存状態がよくてありがとう!と感謝の意でいっぱいである。今後もこの空間を通して後世に片上鉄道を伝承継承していきたい気持ちだ。

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同和鉱業片上鉄道に接近してみた② 吉ケ原(後編)
2017-05-05
前回は吉ケ原の駅を紹介したが、この章では保存車両を紹介してみよう。同和鉱業の歴史がひと目でわかると同時に懐かしさを感じる事が出来る。というより、こうした鉄道の歴史に触れるという事は「鉱山」「石炭」など、かつて日本を反映させた歴史にも触れることになろう。こうした歴史があって現在があるという事を思うと実に感慨深い気持ちである。かつて日本の経済を支えた勇者たちをとくとご覧いただきたい。

吉ケ原付近から撮影。とても廃止された鉄道路線とは思えないほどの現役感!

望遠を引き寄せてみると更にリアルに!マジで廃止されたんですか?と思わず言いたくなる。

吉ケ原駅前。詳しいことは分からないが、恐らくかつては側線があったのであろう。私は1980年代は国鉄乗りつぶしやブルートレインなどに興味があったので私鉄はあまり目を向けなかった。今考えたらもったいない気持ちである風景。




ホームに立つとこんな車両がいきなり目に飛び込んでくる。私が1983年に鹿児島交通制覇の際、枕崎駅で見かけたが車両に実によく似ている。実に懐かしい車両だ!!

1983年3月31日、鹿児島交通枕崎駅にて。当時国鉄と共同使用であったが、現在JR枕崎駅は若干移転している。

そしてこんな車両も。「鉱業」輸送を象徴する機関車であろう。


そして・・・どこかで見たようなと思ったら、1983年に高砂線制覇時、野口駅で見かけた別府鉄道の車両?と思わせるような懐かしさ!

1983年4月に訪問した高砂線・野口駅付近で見かけた別府鉄道車両。いや、乗ってみたかった!

もし現在現役であるならば、既に乗車しにわざわざ出向いていたであろう。昭和の歴史を今に伝える・・・実に素敵であるが、その時代に生きていながら経験できなかった自分にかなりのジレンマを感じる。やはり経験出来る時に経験することが人生最大のテーマであろう。そんな事を確認させてくれた同和鉱業の面影であった。

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吉ケ原付近から撮影。とても廃止された鉄道路線とは思えないほどの現役感!

望遠を引き寄せてみると更にリアルに!マジで廃止されたんですか?と思わず言いたくなる。

吉ケ原駅前。詳しいことは分からないが、恐らくかつては側線があったのであろう。私は1980年代は国鉄乗りつぶしやブルートレインなどに興味があったので私鉄はあまり目を向けなかった。今考えたらもったいない気持ちである風景。




ホームに立つとこんな車両がいきなり目に飛び込んでくる。私が1983年に鹿児島交通制覇の際、枕崎駅で見かけたが車両に実によく似ている。実に懐かしい車両だ!!

1983年3月31日、鹿児島交通枕崎駅にて。当時国鉄と共同使用であったが、現在JR枕崎駅は若干移転している。

そしてこんな車両も。「鉱業」輸送を象徴する機関車であろう。


そして・・・どこかで見たようなと思ったら、1983年に高砂線制覇時、野口駅で見かけた別府鉄道の車両?と思わせるような懐かしさ!

1983年4月に訪問した高砂線・野口駅付近で見かけた別府鉄道車両。いや、乗ってみたかった!

もし現在現役であるならば、既に乗車しにわざわざ出向いていたであろう。昭和の歴史を今に伝える・・・実に素敵であるが、その時代に生きていながら経験できなかった自分にかなりのジレンマを感じる。やはり経験出来る時に経験することが人生最大のテーマであろう。そんな事を確認させてくれた同和鉱業の面影であった。

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同和鉱業片上鉄道へ接近してみた① 吉ケ原(前編)
2017-04-30

同和鉱業と言えば、かつては秋田県にある小坂製錬がその名を名乗っていたのは周知の通りであるが、岡山県にも同じ同和鉱業を名乗る鉄道会社があった。それは片上鉄道である。もちろん周知の事実であるが、レールファンからすればかなり興味を引く車両などがひしめいていたので、私からすれば現役時代に訪問できた方が実に羨ましい限りである。そして今回私が訪問したのは事前調査により吉ケ原が一番保存状態が良いという事で早速調査を開始した。

その前に、実は吉ケ原の訪問前に終点であった柵原にも訪問した。しかし、残念ながら某会社の駐車場になっており、かつてのホームは従業員のものであろう乗用車で埋め尽くされていた。だが、レールこそないもののその面影は充分に伝わってきたし、レールのあったと思われる場所もなんとなくわかる雰囲気であったのが実に興味深かった。そして吉ケ原から先の終点片上間はサイクリングロードとして現在も活躍しているのが実に良い。という事は、廃線跡が自然とわかりやすくなっているという事だ。
さて、今回は吉ケ原の駅部分の紹介となるが、ここは片上鉄道唯一の動態保存の地でもある事から保存状態が良い。それもそのはず、ここ吉ケ原は登録有形文化財として整備されており「柵原ふれあい鉱山公園」として、まさに現役時代そのものに近い状態で、片上鉄道保存会により車両も保存されている。その車両については次章にてお伝えするが、現役時代そのもののような体験が出来る貴重な「資料」として今後も末永く活躍していただきたい物件である。


昭和の匂いを感じるご覧の駅舎。しかも木造!一見、現役と間違えてしまいそうな佇まいだ。事情を知らない人ならば、真面目にホームで列車を待ってしまう雰囲気である。



どーですか、この昔ながら感。「携帯品一時預所」とは、現代シーンにおいて、特にヤングな世代には肌で感じた事が無いであろう。私は唯一1983年、夏の男鹿駅で経験した事がある。つまりわかりやすく言うとコインロッカーの有人版とでも言おうか。


廃線跡とは思えない盛況ぶり!というか、今にも列車がやってきそう。そう、それもそのはず、車両が動態保存されている事もあり、実際に列車はやってくるのだから・・・

なぜここまで保存状態がいいのかはこちらをご覧になれば一目瞭然。隣の柵原までは車で5分もかからないが、そちらではほぼ影も形も無い状態であった事を考えると、この吉ケ原の状態はほとんど奇跡に近いとしか言い様がない。

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