熊に逢ったら・・・「白滝シリーズ」⑤ 白滝
2016-12-24

上川~遠軽間で最も中心的存在になるであろう白滝は、丸瀬布とともに特急列車が停車する。と、それなりに利用者がいるということであるが、恐らく二桁であろうと思われる。お隣「旧」から移住してきた入植者が新たにこの地を開拓して現在に至っていると思われるが、やはり秘境ばかりを訪問してきた道のりを考えるとこの白滝は「大都会」に映る。スーパーマーケットやコンビニ等、私たちが普段見ている光景がこの白滝駅前で見ることができるからかなりの生活感を当然感じる事になる。私の中学時代はこの区間はDL牽引の旧型客車列車が普通列車として活躍していたが、現在はDCによる「単行」が主流である。
ホームは2面3線であるが、恐らく1面1線は普段使用していないであろうと思われ、若干レールの色が他の2線と異なっていた。勿論駅員無配置であるが、しっかりとメンテナンスが施され過ごしていても清々しい。
秘境駅ばかりを訪問していると、こうした駅がなんとなく「東京」「上野」のように感じてしまうのは気のせいか?というよりは全く熊が出る気配がなく、少々タイトルと異なった紹介となってしまったようだ。
全く関係無い話であるが、人里にでてくる熊は、熊同士の縄張り争いに敗れ行き場を失った者だという。熊も実は人間が嫌いなのである。なのに人間の住処付近まで行かなければ自身の行き場がない・・・そんな可哀想な熊なのだ。とは言え、人間に対して危害を加えたりするのはもってのほか。そんな熊は人間界では「処分」の対象になってしまう・・・と、話が逸れてしまったが、どちらにしても先人たちは「そういう環境」を開拓してきたのだから本当に頭が下がる・・・という表現では足りないくらいの尊敬の念を抱いてしまう。

国道から少し横道に入ると白滝駅に到着する。ご覧のように1989年に駅舎は改築され立派になったが、駅員無配置。




早速駅構内に入ってみた。勿論無人駅のため入場券はいらない。なかなか広い構内に感じるのは秘境駅や信号場をずっと見てきたからであろう。

ホーム側から駅舎を見てみた。すると・・・道路側から見た景色とほとんど同じではないか!という事に気付く。

華奢ではあるが、待合室も。冬季にはかなり重宝するであろう。私の訪問時はホームに出ている方が快適な環境であった。


2面3線のホームはすべてのホームが列車で埋め尽くされる時間帯はあるのか・・・というより、冬季はラッセルが停泊する役目も果たしているのであろう。


と、こんな感じで白滝駅との時間を共有した。今回の旅はすべての日程で好天に恵まれ初夏の北海道の素晴らしさを実感する事が出来た。

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熊に逢ったら・・・「白滝シリーズ」④ 下白滝
2014-09-03

下白滝・・・なんとなく将来的に信号場になってしまいそうなこの駅は、某秘境駅訪問家はかなりの上位でこの駅を評価している。しかし実際に訪問してみると、私の感性では秘境度をほとんど感じない。駅前に牛舎があるのは有名処であるが、それ以外にも付近は農業が盛んに行われている様子がうかがえる。と言っても利用者は晩年の西寒川駅の10分の1にも及ばないと思われるが、現在も定期客は存在しているようだ。
秘境度は感じないとは言うものの、緑あふれる平地の中にある下白滝は、首都圏在住の私にとってみれば心癒される空間に映る。

国道から駅に繋がる雰囲気はお馴染みの光景。秘境駅として名高いが、私の感想はそれほど秘境度は感じなかったが、雰囲気的には秘境度満点である。


ところどころ修繕はされているが恐らく開業当時からのものであろう。北国特有の気候から乗客を守ってきた「証」が感じ取れる。

ご覧の通り、駅舎内は割に華奢であった。そして駅寝派には最適な「寝台」がセットされている。そして片隅には「駅ノート」が置いてあった。






ホームに出てみた。ホームが上下線で互い違いに配置され有効長が長い。変な事を言うようだが、信号場になるには好条件であろう。しかし、やはり末永く「駅」としてこれからも営業して欲しい。

ホームに繋がる通路は、途中で「バラスト」を挟む。そこまでして経費削減なのか・・・


ホーム側から駅舎を見てみた。こちらからの外観の方が多くの「年輪」を読み取れるような気がする。


一応「駅前一等地」の風景。あの「秘境駅訪問家」の話にも出てくるが、駅前の牛舎が印象的。そして反対側には人の気配のしない家屋が・・・

さて・・・自然豊かな駅は今日も定期客のために営業する。白滝シリーズの10年後はどのようになっているのであろうか。冬季には更に異なった風景が待っていることであろう。

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熊に逢ったら・・・「白滝シリーズ」③ 上白滝
2014-08-11

カーナビで案内され到着したにも関わらず辿り着かなかった・・・国道沿いにはそれなりに集落が存在し商店もある。だが駅が見つからない・・・諦めて次の駅に行こうとしたが、やはりせっかく来たのだから上白滝に行こう!と気を取り直して戻ってみた。そしてようやく上白滝の存在に気づいた。そう、国道から少し奥に入っていくと駅があったのだ。いや~っ、やはりカーナビでも苦手意識があったのか、鉄道駅に関してはどうも案内が不得手のようだ。
それはともかく、この上白滝駅周辺はひとつの集落をなしていて秘境度は全く感じない。某秘境駅訪問家はこの駅を上位にランクしているが、確かに駅のみを考えるとそうかもしれない。しかしちょっと国道に出ると私の「秘境度が薄れていく」と言う事が納得するであろう事が伝わると思う。廃屋も少なくそれなりに生活感を感じるが、やはり他の駅同様に駅前は農場となっている。
沿線も少子高齢化が進んでいると思われ利用者の増加は将来的にも見込めないと思われるが、1日1往復でも停車する列車が設定されているという事は定期客が今も存在するのであろう。
各方面のレール関係のブログなどを拝見すると、やはり皆考えていることは同じのようで、将来的に所謂「石勝線化」されるであろうと事も視野に入れて推測。現在の究極ダイヤでも恐らく「過剰ダイヤ」なのかも知れない。というより、20年後くらいには上川~遠軽の各駅が全て廃止、50年後くらいには石北本線そのものが無くなってしまうかも知れない・・・とは考え過ぎかも知れないが、冗談抜きで石北本線もかなりの高速化等の改良をしなければ生き抜く事は出来ないであろう・・・と現実染みた話をしてしまったが、実際問題駅前の集落の人々はマイカーでの移動が当たり前の文化となっている。
そして主要駅である北見を始め、遠軽や網走等も利用者が30年前の半分くらいになってしまった。あと30年したらどうなるのであろうか・・・

ようやく上白滝に到着。国道沿いと事前調査でわかっていたのですっかりその気でいたが、いざカーナビで案内された場所に駅は無かった。何回か行ったり来たりしてようやく駅を発見。というより私が鈍感であったのかも知れないが、駅を発見するのに一苦労した。


駅舎はご覧の通りの昔ながら。既に各方面でご覧になられた方も多いと思われるが、やはりこういう駅舎は魅力があろう。この駅舎に近い雰囲気の駅は私の知る限りでは相模線の「相武台下」あたりが割に近い雰囲気を醸し出している。と言っても駅前の雰囲気は全く異なるが・・・


とは言うものの、相武台下の方が遥かにメンテナンスが良いのはあえてここで述べるべきではなかろうが・・・



駅舎内は意外にメンテナンスが行き届いており清潔であった。私の訪問した時期には「旬」ではない道具も収納されていた。


駅前は完全に秘境度は感じないが、ホームに立ってみてもそれほど秘境度は感じない。やはりモータリゼーションによる「究極ダイヤ」である事は、現場を訪れて見ると肌で感じる事ができる。

30年前までは確かに相対式のホームであったが、現在はダイヤが合理化されて交換設備が不要となったのであろう。そして冬季には更に哀愁漂う風景となっていくことであろう。

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熊に逢ったら・・・「白滝シリーズ」② 旧白滝
2014-08-08

全国に「新」を冠する駅は数あれど、「旧」の付く駅は、JRではここ「旧白滝」のみであろう。レールファンにはお馴染みの駅でありその「旧」が付く理由も既に自身で解決済みであろうと思われる。
しかし考えてみたら、埼玉県にある「浦和」は既に「東西南北」と「武蔵+中」を冠していて、もし更に新駅ができるとしたらどうなるのであろうか。それこそもう「旧」しかないであろう!あっ、そういえばまだ「新」が残っているか・・・

(写真中央に見える小屋のような建物が旧白滝駅。カーナビに案内されてたどり着いた旧白滝駅であるが・・・カーナビよ、畑の真ん中から遥か彼方に見える旧白滝駅へどう行けというのか?)
そんな事はどうでも良いのだが、ここ旧白滝は国鉄時代では仮乗降場であった。付近には民家が少ないが、という事は若干あるが、かつて駅であった所が信号場や廃駅となっているのにここ旧白滝は仮乗降場であったが現在は駅として今も列車が停車するという不思議な現象である。



(そしてようやくたどり着いた旧白滝駅。国鉄時代から仮乗降場として設置され、現在も同じ姿での1面1線のホーム。駅に昇格して現在も残るが、もともと駅であった奥白滝は信号場になってしまった。)
私がこの旧白滝に訪問する際にカーナビに案内された通りに素直に行ったら駅の裏側に来た。車を止めた地点からは畑を挟んで向こう側に離れた場所にホームが見えた。その畑を淡々と歩くといよいよ到着。するととんでもない光景が待っていた!なんと国道沿いに駅があるではないか!なぜに駅の裏方をわざわざ案内するのか・・・このカーナビにもし「知能」があるとしたら是非お伺いたてたいところだ。国道には若干ながら車を停めるスペースもあるし、こちらのほうが駅訪問には完全に適している。皆様も訪問の際にはカーナビに騙されぬようご注意を!

(各方面で見かける旧白滝駅の姿を私もあえて収めてみた。意外にも周囲には民家があり秘境度はさほど感じない。)
という事で駅裏から参戦した旧白滝駅は、元仮乗降場とは思えぬ立派なホームがあった。そして待合室も。周囲には廃屋があるものの畑の中に家屋が点在しており生活感がある。この事が今も駅が存在する理由であろうが、やはり1日数本の列車しかやってこないのは利用しにくい。そして平地が白滝方面まで続いていてそれほど秘境度が感じられないが、いかんせん民家が少ない。この白滝地区付近において入植者が最初に入った地として知られているが、その「最初に入った」代々の方が現在も付近の畑を維持されているのであろうか。典型的な、というより教科書にでも載っているような「田舎の風景」が展開されているが、この由緒正しい旧白滝駅は一体どれくらいの利用者がいるのであろうか。とても気になるところである。



(ホームが未舗装なのは仕方がない。しかしカリソメにも「本線」である。枕木が「木」とは・・・何だかかつての「寒川支線」を思い出してしまった。)
ビート畑や小麦畑が延々と続く旧白滝駅前一等地ではあるが、若干心も癒される感じがした。しかし、ここは駅前。という事は癒される風景であってはJR関係者も頭を悩ませる事であろう。それでも列車はやってくる。新しくなった旧白滝駅の駅名標が実に初々しく、清々しさを感じずにはいられない。雨が降ろうと雪が降ろうと・・・「A46」はしっかりと自身の業務をひたすらこなす毎日であった。

(これって小麦なのか?こんな風景が延々と続いていた駅前一等地。のどかな風景は心を癒されるが・・・)

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熊に逢ったらどうするか⑦ 北見
2014-07-16

JR石北本線最大の主要駅・北見はオホーツク地方では最大の都市でもある北見市の中心部にある。かつては「野付牛」と呼ばれていたがその名残が街の各所に見られ街を散策していると楽しくなる。例えば「野付牛自動車学校」などかあると思うと「イオン北見店」などに象徴されるように市の名前が「昔」と「今」が同居している感じだ。星の数ほどある鉄道ブログでこの「北見」を紹介しているのはそう多くないであろう。私はどちらかというと「秘境駅」よりも「主要駅」の方が好きなタイプであるが、特にこの北見のような「いぶし銀」的な存在が非常に眩しく感じる。
かつては5~6千人くらいの乗降客であったが、現在は1500~1600人位にまで落ち込んでしまった。そしてここから分岐していた「ふるさと銀河線」であるが、実は札幌~北見の都市間輸送にこの「ふるさと銀河線」の高速化案が出たと聞いた事がある。つまり石勝線・根室本線経由池田よりふるさと銀河線を使い北見に至る特急を走らせようという構想だ。「あれ、ちょっと遠回りじゃない?」と感じてしまうかもしれないが、北海道全体の地図を見てみると石北本線経由でも池北線(ふるさと銀河線)経由でもさほど距離的に変わらないじゃないか、と思えてくる。そしてなんといっても途中で帯広という道東を代表する都市を通るので輸送量に期待ができるというわけだ。もちろん現在の「ふるさと銀河線」の姿を見る限りそういった構想は夢となっているのは周知の事実であるが、やはりこの北見は釧路や帯広などと比べるとひとまわり華奢な印象だ。
しかし、というか現在においてもこの北見駅は昭和の雰囲気が多く残り、いつSLが来てもおかしくない環境(?)となっている。私は今回の旅でここ北見を宿泊の地に選んだが、やはり街全体に元気が薄らいでいるような印象であった。そして北見駅には夜9時半くらいと朝7時半頃に顔を出してみたが、夜に関しては全くといっていいほど静まり返っており、まるで最終列車が行ってしまった後のような印象であった。まだ9時半頃というのに・・・というより、私が東京近郊に在住しているのでそう感じてしまうのかも知れないが、やはり私の感覚だと静寂に包まれた印象であった。

宿泊先から徒歩30秒くらいの位置にある北見駅。まだ9時半頃だというのに駅は既に静まり返っていた。

もちろん代表駅だけあって駅舎内は広い。が、ちょっと持て余し気味の感があった。朝の通勤時にはそれなりに賑わうのであろう。







昭和の時代からほとんど変化が無いと思われるホーム陣。2面3線ほのホームは全て列車で埋まる時間帯はあるのか?

おそらく以前は池北線(ふるさと銀河線)に使われていたと思われるホーム。レールが撤去されているのが痛々しい・・・



ど~ですか、この必要以上のアピールぶり。そこまで言わなくても何駅だかわかるって。何だかジャンボ鶴田にコーナーポストから8回連続「オーッ」をやられた気分だ。

昭和の面影たっぷり。帯広、旭川、そして札幌と高架化された各主要駅であるが、この北見も将来高架化されるのであろうか?
翌朝私は旧・ふるさと銀河線に向かった。もちろん列車は走っていない。しかしそれは私が想像していた以上のドラマが待っていた。もちろん、それについては後述するが池北線の魅力がこの旅で初めてわかった気がする。ふるさと銀河線廃止の際に訓子府~北見だけでも残そうという案が出ていたと聞いた。しかし周知の通りの現実であるが、もし残っていたとしてもおそらく10年後、20年後には同じ運命をたどっていたであろう。
とはいえ、私の一番心配していた「熊」はどうやらこの辺りではそれほど神経質にならなくても良さそうだ。「熊に逢ったら~」と題しておきながら「熊に逢わない」とは、なんともアンマッチなタイトルであった。北見と言えば「玉ねぎ」であるが、これからもずっと玉ねぎと共に発展して欲しい。そして8回連続「オーッ」が出たら最高であろう。

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