廃止路線を訪ねて⑨ 日中線
2014-05-07

(1983年訪問時の私が所有する日中線唯一の「資料」。本当はもっとたくさん写真を撮影していたのだが・・・駅名表だけでも当時の雰囲気が伝わってくるような感じがする。もちろん、現存するなら今すぐにでも訪問してみたい。)
始めに断わっておくが、日中線に関する写真は上記の物しか残っていなかった。残念ながら写真はほとんど残っておらず、記憶と記録のみが結果的に残っている。本当はDLか牽引する旧型客車などを写真に収めていたのだが・・・
1983年8月に「日中線」に訪問した。日中線とは、磐越西線・喜多方から枝分かれしていた盲腸線で、1984年に廃止された。終点が「熱塩」というが、計画ではこの先の「日中」というところまで延伸される予定であった。そのため「日中線」というのが路線名の由来である。「日中は走らない日中線」などと揶揄されていたが、日中線をインターネットで調べてみると、なんと廃止された日が「西寒川」と同じではないか!何ともこの因果関係・・・
私は、この日中線の旅を既に当ブログ「東北乗り潰しの旅」にて若干紹介している。若干重複する部分もあろうかと思うが、少しの時間お付き合いいただきたい。
東北乗り潰しを敢行した1983年8月。日中線の乗ると決めたのは出発前日だったと思う。夜行急行「八甲田」で上野から乗車し青森入りする予定であったが、出発の夕方までの時間が、考えてみたらもったいない。そこで始発で出て「東北ワイド周遊券」のフリー区間を有効に使う事に変更した。相模線・寒川駅を5時50分に出て茅ヶ崎5時59分着。東海道線に乗り換えるのが6時2分である。この行程は、東京駅や上野駅などによく撮影に行っていた時に使っていたため良く覚えている。だが、茅ヶ崎の跨線橋は、相模線と東海道線の間に貨物側線があり、乗り換えの跨線橋が長い!この乗り換えの3分が非常につらいのだ。茅ヶ崎では登場して間もない185系がこの6時2分に使用されていたので東京まで優雅な1時間を過ごせた。その行程を、「東北の旅」で使うとは・・・

(画像はウィキペディアより。現在の熱塩駅の風景。私の訪問時とほとんど変化が無いのは嬉しい。もちろん「レールが無い」のは「最大の変化」ではあるが、この絵を見ると当時、機関車の付け替え作業をしていた風景を昨日の事のように思い出す。)
上野より急行「ときわ」で平(現・いわき)まで行き磐越東線に乗り換え郡山へ。今度は磐越西線で喜多方まで行くという行程である。磐越東線では、DLが牽引する旧型客車の為、旅情あふれる。この光景を日中線でも再現することになるが、磐越東線はほぼ「貸切」だったのでとても過ごしやすかった。
前置きが長くなってしまったが、いよいよ日中線の旅へ。日中線はDLが牽引する旧型客車で1日3往復の列車設定であった。喜多方より既に「同業者」と思われる数名が乗車している。もちろん終点まで顔ぶれは変化が無いであろう。車内は8月というのに当然、空調設備は「JNR回転扇風機」のみである。
車窓は「会津加納村」をしっかりと私にアピールしてくるが、かつてはこの村の人々の貴重な「足」であったであろう。私の訪問した晩年は先述した1日3往復、朝・夕・夜と、本当に日中の列車設定が無いので一般的に路線名の由来が分からないであろう。
終点の熱塩に到着すると、早速先頭の機関車を喜多方方面の先頭に付け替える「作業」が発生する。DCであればこのような手間はかからないが、一度機関車を切り離し車止め付近まで機関車のみ進み、機回し線を通り喜多方寄りに機関車を連結する。運転手の他、車掌と作業員(確かいたと思ったが)との連係プレーで赤と緑の旗に誘導される。鉄道ファンでなくとも興味を引くシーンだ。熱塩駅は駅員無配置のため車内で切符を購入する。確か私は購入しているはずだが、確認次第是非アップしてみたい。
さて、現在の熱塩駅は「日中記念館」として現在も保存されている。インターネットで確認してみたが、やはり当時の面影がしっかりの残っており当時を偲ばせる。私もぜひ「再訪」してみたい。

(画像はウィキペディアより。現在の熱塩駅構内ではこんな車両が静態保存されている。「ラセラー」は別として、後ろの客車は実際に日中線で運転されていたものであろうか?)
というものの、実は喜多方までは再訪している。「ばんえつ物語号」に乗車のためムーンライトで新潟へ行き、喜多方までの乗車予定であった。なぜ喜多方か?そう、喜多方の「名物」を確認するためである。私が訪れた目当ては「駅前」にあった、というより下調べ済であった。結果はというと・・・某ロックアーティスト流に言うなら「シンプルでタイト」。とてもわかりやすいが懐かしい味がした。これが名物の「ラーメン」である。ぜひ「再・再訪」してみたいと心に誓った。
喜多方まで再訪した際には「廃線跡」は訪問しなかった。次回の「再・再訪」の際に是非訪ねてみたい・・・という旅が最近できるようになった。以前の旅は「制覇専用」の旅であり、朝から晩まで、というより24時間列車に乗りっ放しであった。鉄道路線は沿線に駅が必ずある。その駅にはそれぞれ暮らしや営みがあるであろう。中には「秘境」と呼ばれる、自然と一体化した駅も少なくないが、一般的に考えて駅とは出会い、そして別れの場所でもあり、数々のドラマを魅せてくれる。そのような「ドラマ」に気づいた時「旅」の中身が濃くなるとともに面白さの奥行が深まってくるような気がする。年齢を重ねたせいもあるだろうが「旅のスタイル」が若干変化しつつある。制覇した・しないも大事ではあるが「中身のある制覇」をこれからも求める事となるであろう。これって「成長」なのか、それとも・・・

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