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鉄道全線完全制覇の旅

昭和から平成へ・・・全線制覇の旅紀行!

23時59分発の583系寝台列車

以前に「原色の583系」でも紹介したが、私は過去に583系を3度乗車している。最初の乗車は1978年の夏、西鹿児島(現・鹿児島中央)から熊本まで乗ったL特急「有明」である。夜に新大阪発の「明星」や「金星」などの583系寝台列車が、九州内で昼間の「有明」に変身しての運用と思われるが、この583系に初めて乗った時の印象はとても強烈に残っている。

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(1975年の鹿児島本線・鳥栖駅にて。新大阪発・九州方面の583系は、九州内では昼行特急として活躍。画像はお馴染み「ミックスマテリアル様」提供。)

小学生であった私は鉄道誌などでよく見ていたためもちろん存在を知っていたが、「まさか」のノーマーク。昼間に583系に乗れるとは!ただ、一般のお客様にとっては若干不満もあったであろう。一番は「リクライニングシート」ではないのと「固定型のクロスシート」である事だ。しかし「特急」を名乗るには若干サービス面で劣るが、あの解放感ある車内は、私たちをゆったりとしたムードに誘ってくれる。

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(東北方面も昼夜両用の運転はフル回転。昼間は「みちのく」「はつかり」、夜は「ゆうづる」「はくつる」等、ペアで運用されていた。画像は「ミックスマテリアル様」提供。)

寝台としては、その1年後の1979年に上野から青森まで乗った「ゆうづる」である。当時の「ゆうづる」は583系寝台と14系客車寝台2本立てで、確か3~4往復定期で設定されていた記憶だ。583系「ゆうづる」は、兄弟分の583系寝台特急「はくつる」と共に昼間の特急「はつかり」や「みちのく」などとペアで運用されていたことであろう。「ゆうづる」では3段式のB寝台の中段に「初」乗車したが、華奢な小学生の体でも広いとは言えない空間であった。

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(これは以前に紹介した私撮影の「はくつる」。1983年青森駅であるが、残念ながら真夏であるため「雪の中」ではない。当時中学3年生!)

そして4年後の1983年にあの「東北一周の旅」の締めとして乗ったのが「はくつる」であった。その時はB寝台の上段であたが、中段よりも若干広く、景色を見る「小窓」も寝ながら確認できて一番過ごしやすかった。青森から上野までの帰郷にふさわしい(?)列車であったろう。しかし出発はなんと23時59分!完全に「遊び心満載」のダイヤ設定であるが、それに付き合う私も「遊び心満載」である。しかしこの旅の最終制覇路線の津軽線を乗り終えて青森に着いたのは約16時半!もちろん最初から計画しての事であるが、「はくつる」の発車時間まで一体何をしていろというのだ!もちろんホームで列車などを撮影していれば、と思うが、それこそ上野駅のように頻繁に列車がやってくるわけでもない。

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(こちらも私撮影の「ゆうづる」。寝台列車としては「初」乗車である。1979年8月に青森駅にて。)

駅前のアーケードなどでお土産を見たり、この旅の中で探し当てた銭湯に行ったり食事をしたり・・・それでも9時を過ぎるとどこもお店は閉まってしまう・・・完全に10時半頃からやることが無くなった。この「東北一周の旅」では、実は後輩もスポット参戦しており、所々でお世話になったが流石にこの時ばかりはしびれを切らしていた。実はその後輩、中学校の所属クラブ活動「鉄道研究クラブ」に在籍しており、夏休みを利用した私の旅をランダムで参戦することになった。親せきの家が山形県は奥羽本線の中川駅付近にあり、私が東北一周の旅をする際に別行動で後輩も親せき宅に訪問。そして事前に私の計画書を渡していたので私が山形付近に来るのを狙って所々で合流し、同一行程で回った後、その日のうちに中川に帰っていくという、何とも小悪魔的な存在であった。

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(快速「会津ライナー」として2007年に会津若松にて偶然出会った。残念ながら車内を軽く散策しただけに過ぎなかったが、昔のままの姿に懐かしさがこみ上げてきた。)

「はくつる」は上野着9時20分である。583系の寝台ベッドで朝8時・9時を過ごすのはいささか窮屈に感じる。現在でいう「ロビーカー」みたいなものがあればなと「夢の夜行列車」等と当時の鉄道誌などに記されていたが、やはり3段式であると着替えるにもひと苦労である。だが、そんな思い出の列車も現在では定期運用から外れ「臨時列車」等の運用にて残りの人生を送っている。やがてその臨時列車としての運用も無くなり、自身の生きざまにピリオドを打つ日もそう遠くないはずだ。
2013年末には、あの「ムーンライトながら」の車両が185系に置き換わるとの噂がある。私は常々思っていたが、この「ムーンライト」に583系の余生を送らせてはいかがであろう。もちろん「ゴロンとシート」のような感じで寝台をセットしていただくと非常に評価が上がると思う。例え185系でも座席には変わらない。やはり座席で一夜を過ごすのは精神的にも体力的にもハードなものだ。もちろん長い期間の運用は無理であろうが、ぜひともJR様、よろしくお願いします!



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原色の583系

583系がデビューしたのは「ヨン・サン・トウ」のダイヤ改正である。正確にはその前年の昭和42年に「月光」で581系が誕生しているのでその改良版である583系は「昼夜両用」として活躍してきた。昼間は「座席」夜は「寝台」と変身をして非常に運用効率の高い列車ではあったが、時代と共にその活躍の場は減っていった。本来の運用方法として最後まで残っていたJR西日本所属の「きたぐに」も2012年3月のダイヤ改正で定期運用から外れることとなり、事実上引退となった。私が583系を利用したのは寝台特急「ゆうづる」「はくつる」と昼行特急「有明」である。何れも小学校時代であるが、特に寝台車として利用した「中段」が非常に印象に残り今でも昨日のように思い出す。とにかく狭いのだ。小学生の私が華奢な身体を起き上がらせるのに頭を天井にぶつけるくらいなのだから、大人はもっと大変であったろう。更に治安面でも、現在の「個室」を主流とする寝台特急からは想像もつかないほど簡素なものである。つまり「カーテン1枚」で閉ざされた空間は女性には向いているとはいえないであろう。しかし、イチ鉄道少年にとっては寝台特急に「乗る」ということは最高の贅沢であり快感でもあった。昼行特急では座席として「有明」が唯一の経験であるが、リクライニングはできないものの、高い天井と開放感が「快適」を約束してくれた・・・時代は流れ、私は再び「鉄道ファン」を復活し乗り潰しに明け暮れる中、2008年に会津鉄道に乗り換える際に偶然583系を目にしたのだ。会津若松駅に停車していたのは、確かにオリジナルカラーの583系であった。「あいづライナー」の名称で快速列車として活躍していたのだ!すっかり延命措置も施され塗装も新しい。私は早速車内に入った。乗り換え時間の関係で長い時間いられなかったが、それは確かに「有明」と同じ空間であった。懐かしさと感動すら覚えたが、上段ベッドの収納もそのままであり、その気になれば「寝台列車」としても運用できるのであろう。できれば予定を変更して福島まで行きたかったが、残念ながらそれは叶わぬ夢である。しかし、その勇姿はしっかりと目に焼き付けられた。恐らく最後の活躍の場となるであろう。例え快速列車としてでも「平成」をしっかりと生き抜いている「彼」を暖かく見守っていきたい。
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ダイヤモンド✡トナカイ

Author:ダイヤモンド✡トナカイ
✩2022年4月より毎週土曜日更新になります✩


昭和・国鉄の話題を中心に紹介しています。


2013年に長野新幹線の長野駅にて「いい旅チャレンジ20000km」よりスタートした国鉄時代の制覇を含めJR全線制覇を、そしてゆいレール以外の鉄道全線制覇を達成いたしました。


以降、北陸新幹線と北海道新幹線などの開業によりタイトルは返上しています。

JR以外の私鉄を含む鉄道未制覇路線は北陸新幹線(長野~金沢)・北海道新幹線・仙台地下鉄東西線・仙石東北ライン・富山地方鉄道延伸部分・ゆいレール・相鉄直通線(相鉄新横浜線)、そして新規開業の西九州新幹線や宇都宮に開業したライトレールも新たに加わりますます未制覇路線が増えてしまいました・・・

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