姿なき挑戦者⑫ 夜行普通列車・はやたま(前編)
2014-10-31
「1982年・何も言えなくて・・・夏」でも紹介したが、紀勢本線を走る夜行普通列車「はやまた」に乗車した。2014年現在、夜行普通列車の定期列車は存在せず、臨時ながら快速として「ムーンライト」系が走るのみであるが、近年では普通列車どころかブルートレインという単語すら過去のものとなってしまう勢いである。
「夜行」という移動手段が鉄道からバスに変わりもう何年経ったのであろうか・・・私の乗った夜行列車は全て「遠い記憶」になろうとしている・・・いや、もうすでにそうなってしまったのかも知れない。
そんな記憶を再確認すべく、このブログに自身の記録を残していきたい・・・そんな思いで立ち上げたこのブログもすでに2年半が経過し、私の旅の記録もほとんどブログに記録したかなぁ・・・などと思っていたら、まだ半分にも満たなかった!
という事で今回は、重複してしまうが「はやたま」の旅を紹介してみよう。

(既にこのブログで恐らく1万9千回くらい紹介しているが・・・関西本線の富田浜にて。1982年3月の電化直前である。電化前「はやたま」も名古屋~天王寺間の運転であったが電化後は亀山~天王寺に短縮された。写真は下り大垣夜行より名古屋で接続する関西本線の普通列車。)
かつて紀勢本線は普通列車がDCと旧型客車であった。もちろん非電化区間の話であるが、1982年5月までは関西本線の名古屋~亀山間も非電化であったため名古屋まで紀勢本線の普通列車が乗り入れたり、名古屋~亀山間の区間運転でも旧型客車が活躍していた・・・なんて現在では全く信じられない事である。同じく1982年5月に電化された同区間を、私は直前の3月と直後の8月に訪問している。直後の8月には、直前の3月には名古屋~天王寺までであった「はやたま」も直後の8月には亀山~天王寺に変更されていた。私は8月に乗車したのですでに「変更後」ということになるが、それでもこの夜行列車が廃止されずに運転されていることは半分奇跡のような思いもあった。

今回乗車する「はやたま」は亀山発天王寺行きに乗る。かつて寝台特急「紀伊」はここ亀山でスイッチバックしていた。
そんな思いを秘めた列車に揺られるため、私は名古屋から13時丁度発の新鋭113系に乗車。前回の3月には「大垣夜行」から乗り換えた旧型客車に揺られ移動したのが信じられない感じであった名古屋~亀山間。ようやくスピードアップが一歩ながら前進した感があったが、並走する近鉄には全く足元にも及ばない・・・ということを否定できなかった。が、ほんの1センチ、や1ミリの前進かもしれないが、この国鉄(当時)の英断に拍手を送りたい。あとは複線区間の増設か・・・

亀山駅の待合室に無造作に置かれていたサボ。もちろん「はやたま用」であろうが・・・若干治安的に不安がないのか?
亀山に着いたのは14時6分。少しは所要時間を短縮できたか。そして亀山からいよいよ「はやたま」に乗車するが・・・発車時間は17時21分。なんと約3時間待ちだ!なぜこんなに待ち時間があるのかという事は既に「何も言えなくて・・・」でも紹介しているが、夜行普通列車は指定席が無い。そのため座席確保のために順番待ちの列を作らなければならなかったのだ。だが、当時の上り夜行普通列車は始発駅の出発時間が早い。この列車もご覧のように17時台の出発だ。そのため席はある程度埋まっていても短距離客が多いため必ずどこかの席が空く・・・という知識を、数多くの旅を経験する事で得た。が、その経験するまでの当時はわからない。そのためこのような待ち時間ができてしまったわけであるが・・・結果的に3時間という時間は無駄になってしまったようだ。というより乗車率的に20パーセントくらいで余裕で席を選べる。乗る側は最高にいい気分であるが、経営者側は頭の痛い課題であろう。現在の紀勢本線の普通列車は2両くらいの編成と思われるが、当時の普通列車、特に私の乗車した「はやたま」は確か6両くらいだと思った。そのため嫌でも座席の余裕が出来てくる。それが事前にわかっていればもっと違った行程が組めたろうが・・・

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「夜行」という移動手段が鉄道からバスに変わりもう何年経ったのであろうか・・・私の乗った夜行列車は全て「遠い記憶」になろうとしている・・・いや、もうすでにそうなってしまったのかも知れない。
そんな記憶を再確認すべく、このブログに自身の記録を残していきたい・・・そんな思いで立ち上げたこのブログもすでに2年半が経過し、私の旅の記録もほとんどブログに記録したかなぁ・・・などと思っていたら、まだ半分にも満たなかった!
という事で今回は、重複してしまうが「はやたま」の旅を紹介してみよう。

(既にこのブログで恐らく1万9千回くらい紹介しているが・・・関西本線の富田浜にて。1982年3月の電化直前である。電化前「はやたま」も名古屋~天王寺間の運転であったが電化後は亀山~天王寺に短縮された。写真は下り大垣夜行より名古屋で接続する関西本線の普通列車。)
かつて紀勢本線は普通列車がDCと旧型客車であった。もちろん非電化区間の話であるが、1982年5月までは関西本線の名古屋~亀山間も非電化であったため名古屋まで紀勢本線の普通列車が乗り入れたり、名古屋~亀山間の区間運転でも旧型客車が活躍していた・・・なんて現在では全く信じられない事である。同じく1982年5月に電化された同区間を、私は直前の3月と直後の8月に訪問している。直後の8月には、直前の3月には名古屋~天王寺までであった「はやたま」も直後の8月には亀山~天王寺に変更されていた。私は8月に乗車したのですでに「変更後」ということになるが、それでもこの夜行列車が廃止されずに運転されていることは半分奇跡のような思いもあった。

今回乗車する「はやたま」は亀山発天王寺行きに乗る。かつて寝台特急「紀伊」はここ亀山でスイッチバックしていた。
そんな思いを秘めた列車に揺られるため、私は名古屋から13時丁度発の新鋭113系に乗車。前回の3月には「大垣夜行」から乗り換えた旧型客車に揺られ移動したのが信じられない感じであった名古屋~亀山間。ようやくスピードアップが一歩ながら前進した感があったが、並走する近鉄には全く足元にも及ばない・・・ということを否定できなかった。が、ほんの1センチ、や1ミリの前進かもしれないが、この国鉄(当時)の英断に拍手を送りたい。あとは複線区間の増設か・・・

亀山駅の待合室に無造作に置かれていたサボ。もちろん「はやたま用」であろうが・・・若干治安的に不安がないのか?
亀山に着いたのは14時6分。少しは所要時間を短縮できたか。そして亀山からいよいよ「はやたま」に乗車するが・・・発車時間は17時21分。なんと約3時間待ちだ!なぜこんなに待ち時間があるのかという事は既に「何も言えなくて・・・」でも紹介しているが、夜行普通列車は指定席が無い。そのため座席確保のために順番待ちの列を作らなければならなかったのだ。だが、当時の上り夜行普通列車は始発駅の出発時間が早い。この列車もご覧のように17時台の出発だ。そのため席はある程度埋まっていても短距離客が多いため必ずどこかの席が空く・・・という知識を、数多くの旅を経験する事で得た。が、その経験するまでの当時はわからない。そのためこのような待ち時間ができてしまったわけであるが・・・結果的に3時間という時間は無駄になってしまったようだ。というより乗車率的に20パーセントくらいで余裕で席を選べる。乗る側は最高にいい気分であるが、経営者側は頭の痛い課題であろう。現在の紀勢本線の普通列車は2両くらいの編成と思われるが、当時の普通列車、特に私の乗車した「はやたま」は確か6両くらいだと思った。そのため嫌でも座席の余裕が出来てくる。それが事前にわかっていればもっと違った行程が組めたろうが・・・

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箱根へ登山に行ってきました。⑪ 強羅
2014-10-28

箱根登山鉄道の終点・強羅。駅周辺には温泉があるものの、この駅の利用者の8割近くがケーブルカーに乗り換えることであろう。しかしながら私の訪問した日曜日はケーブルカー乗り場は長蛇の列!まるで首都圏の通勤時並みの混雑ぶりであった。GWなどはもっと凄い事になっていることであろうが、いずれにせよ、輸送力が限界であるのは昔も今も変わっていない。かつては棒線化された形のホームで両端で乗車用と降車用が分かれており、降車が終わると先にある乗車ホームに進む形であったが、現在は若干変則になっていて降車ホームと乗車ホームが完全に分離された。降車ホーム・乗車ホームはいずれも行き止まり式で、降車ホームで乗客を降ろしたあと一旦箱根方面へ引き上げてから乗車ホームに入線する形になった。経営者側にすれば少々面倒になったが、利用者増加でホーム拡張をした結果であろう。しかしながら車両編成を増やすなどの措置をとらない限り、ラッシュアワー並みの混雑は今後も永遠に続くと思われる。経営者側にしてみても永遠の課題かも知れない。

見よ、この混雑ぶり!生活から離れ・・・観光に来てまでラッシュアワーを体感しようとは!相変わらず箱根の人気ぶりは変わらない。


そしていよいよ強羅に到着。いつの間にか「ログハウス」に変身していた。






どこかの刑事ドラマではないが「なんじゃこりゃ!」と言いたくなるような風景。いかりや長介なら絶対にあの「決め台詞」が出る事であろう・・・

ケーブルカーの下車客は箱根登山電車にすぐに乗り換えられるシステムとなっているのはありがたい。ケーブルカーが到着すると登山電車ホームが一気に黒山に変身する。



まだケーブル到着前なので、登山電車側は「嵐の前の」であった。ちなみに私はケーブルには参加しなかったため、というよりあの混雑ぶりでは「ダメだこりゃ・・・」という事で断念。

こんな保線車両も。他では見れないであろう独特の機能を持っているのかも知れない。



そして強羅独特の配線ショー。到着した列車は降車ホームで一旦乗客を降ろす。





そして線路を切り替え乗車ホームへ入線する。経営者側にとっては少々面倒な行程であるが、私たち見ている側は楽しい限り。
こうして私の「箱根登山」は終了。このあと箱根湯本で食事をして小田原よりEXEで本厚木に向った。小田原ではちょっと些細な出来事があったが・・・このブログで紹介することでもないので割愛させていただこう。
それより・・・幼少の頃から馴染みのある鉄道に、この歳になって乗車してみるとあらためての発見がいくつもあった。「登山」も現在は鉄道でできる時代だ。

かつて東急と西武が繰り広げた「伊豆箱根戦争」などと言われた時代の名残がこうして今でも残っている。レールに水を蒔いたり車両間隔を短くしたり・・・他の技術も含め開通当時は最新技術と英知の結集であったろう。私はあらためてこんな素敵な、そして多くの素晴らしい歴史が凝縮されているこの鉄道が我が地元に存在するのが誇らしい。
帰りのロマンスカーで箱根登山のフリーきっぷを見つめた時、そんな思いが私の胸をよぎっていった。

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箱根へ登山に行ってきました。⑩ 彫刻の森
2014-10-25

何とも幻想的な駅名であるが、その理由はこの場で私が述べるまでもないであろう。が、あえて言わせてもらうと付近にある美術館への最寄駅である。世界的に有名な作家の多くが出展しているが、私はそっち方面の知識は「丸出だめ夫」のためこの場で詳細を述べることができないのは残念である。とは言え、それより駅舎を出るとすぐに魚介系の出汁の香りが漂ってくる。そう、駅前には飲食店が数件立ち並んでおりさながら「彫刻」の気配は無い。お目当ての「彫刻の森」へは箱根寄りに数十メートル歩かなければならないが、全く私と縁もゆかりも無い、というより世界で一番美術館が似合わない男であろうこの私。箱根登山がなければこの地の訪問はほぼ皆無であったと思われる。
そんな事はどうでもいいのだが、現在の彫刻の森駅は2面2線のうち駅舎のある1面1線しか使用されていない(私の訪問時)。臨時列車などの増便体制の時には列車交換などが行われようが、普段は片面使用の、実質棒線化された駅だ。
ご覧の皆様も「世界の美術」に興味ある方は是非時間をとっての訪問をお勧めしよう。


彫刻の森・・・もっと芸術的な駅舎かと思っていたが、意外にシンプル。駅を降りる乗客はほぼ100%彫刻の森方面へ向かっていった。



弧を描くホームが特徴。ホームもなんとなく「芸術」しているではないか!と思うのは私だけか・・・






現在(私の訪問時)は1番線のみの使用となっていた。まぁ、隣の終点・強羅まで近いこともあり、あえてここで列車交換する事の意味が薄いのであろう。もちろん繁盛期などは臨時列車の運転で列車交換が行われるであろうが・・・




駅前は・・・芸術とはかけ離れた風景が・・・かつお風味の出汁の香りが駅前一面を覆い尽くす。

構内のビラには「ニューフェイス」のお披露目広告が。今までにない斬新なデザインであるが、なんとなく都電よろしく的な感じがする。






さて、いよいよ終点の強羅に向かう列車に乗る。カーブしているホームは、車両との隙間が大きい部分があり下車(乗車)時は注意が必要だ。とは言え・・・再びこの「最古参」を体感できる喜び!やはり箱根登山はこうでなくっちゃ!

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箱根へ登山に行ってきました。⑨ 小涌谷
2014-10-22

小涌谷と言えば「箱根小涌園」が大変有名であろう。そして小涌谷温泉もあり、観光客が多いのも私がここで述べるまでもないが、とにかく駅前にはタクシーや宿泊施設のマイクロバスなどの送迎車が頻繁に出入りする。とは言うものの駅前広場はお世辞にも広いとは言えない空間であるが、週末になるとかなりの賑わいを見せる。
駅的にはこれといって特徴があるとは言えないが、逆にそれがいい味を醸し出している。桜の咲く頃には恐らく多くの「そちら方面のお客様」が被写体に向けシャッターを切る事であろう。
利用者は600人前後で推移しているが、10年くらい前よりは若干増えている。全国で乗客減少が目立つ中、この傾向はかなり明るい材料であろう。
そういえば、正月になるとテレビで「箱根駅伝」が毎年のように放送されているが、ここ小涌谷駅前の踏切は駅伝のコースとなっている。そのため毎年駅前は駅伝ギャラリーで溢れかえっている事であろう。

小涌谷・・・なんとなくロマンチックな駅名ではないか。箱根特有の「温泉」を控え、週末などは特に賑わいを見せる。




ご覧のように駅前は観光客を待つタクシー陣の群れ。地形の制約からか、大型バスは乗り入れ不可であろう駅前広場であるが、週末は家族連れなどの観光客が目立つ。



ご覧のように、華奢な駅舎内はほぼ観光客で占めている。私も次回は是非「観光」で訪問してみたいものだ。






普通に見たら単なるローカル駅に過ぎないが、その役割は大きい。私は箱根湯本のような派手な駅よりもこうした地味な駅の方が愛着が湧く。


そろそろ列車が到着する時間になってきた。改札口は昔ながら。こうした風景を首都圏で味わえるとは・・・それが箱根登山鉄道の魅力であろう。


そして次の駅に向かうべく列車に乗る。登山電車と言えばこれだよねっ!見よ、この混雑様!!この写真で伝わるか・・・

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箱根へ登山に行ってきました。⑧ 宮ノ下
2014-10-19

スイッチバックの難所を乗り越え最初に到着する旅客駅・宮ノ下。某有名温泉旅館への下車口としてその利用者も多いが、駅前は急な坂道で道幅が無く、大型バスが乗り入れるのは非常に困難であろう。それより、駅前は未だに昭和の雰囲気を醸し出し情緒を誘う。箱根特有の地形に挑みながら設計された、ならではの駅だ。もちろん「ならでは」はここ宮ノ下以外の駅にも言えることであるが、登山鉄道特有の「何か」を体感できるのは箱根湯本~彫刻の森で最大であるが、という事は、標準軌のほぼ全線に渡り体感できる事になる。
私の訪問時は、セレブ的な婦人グループや若い女性グループが目立っていた。つまり女性に人気が高い事になる。やはりあの有名温泉旅館は誰しも「一度は」の思いなのであろう。もちろん常連さんも含め、ここ・宮ノ下は桜や紅葉の季節でなくても素敵な「花(華?)」が咲く駅だ。

1982年頃の訪問であったと思われるが、ちょうど1000系がデビューした頃の宮ノ下である。つい最近までどこで撮影したか忘れていたが、今回の訪問でその曇りが晴れた。

上の写真とほぼ同じ位置からの撮影の現在(2014年)。1982年当時とほとんど変わっていないのがいい!




若干逆光気味の場面もあるが、宮ノ下駅舎である。女性グループの姿も目立ち、駅全体に華が咲く!!

駅前には昭和の風景が・・・だが、大型バスなどの乗り入れるスペースが無い。













とりあえず惜しみもなく宮ノ下の全てを披露。長閑な風景は昔も今も変わらない。しかしこの駅は特に女性グループの姿が目立つ。女性に人気がある・・・これって男性にとっては「永遠のテーマ」であろう。宮ノ下駅様、是非私にその「秘訣」をご指導願います!

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箱根へ登山に行ってきました。⑦ 信号場
2014-10-16
塔ノ沢~宮ノ下間は3つの信号場がある。そのうち二つの信号場はスイッチバックとなっていて、その役割は大きい。運転手と車掌はスイッチバックの駅に着くたびに行ったり来たりの作業が発生し少々便が悪い気分であろうが、特に子供連れの観光客などはその風景をじっくりと堪能しながら登山を楽しんでいる。
とは言え、安心して観光を楽しめるのはやはり「裏方」のおかげであろう。しっかりと日々のメンテナンスがされてこそ、といった感じか。数々の経験と技術に裏付けられた安全性はもっと高く評価しても良いであろうと思うが、これからも引き続き私たちが安心して観光できるように見守ってい貰いたい思いである。




塔ノ沢を出るとまず出山信号場でスイッチバックする。カーブするホームが特徴的だ。ここって道路などを伝って訪問可能なのか?






こちらは上平台信号場の風景。一見、出山信号場と区別がつきにくいが、いずれにしてもこのスイッチバック無しに箱根の高低差は挑めない。しっかりと自身の役割を果たしている。

こちらは仙人台信号場。スイッチバックではないが多くの列車交換が行われる。もし可能なら、これらの信号場に列車以外の手段で訪問してみたいものだ。
といった具合で登山鉄道は進行していく。そして強羅まではこの急勾配と急カーブが更に続く。一般的には地味な存在であるが、こういった「縁の下の力持ち」的な存在があるからこそ私たちは楽しく観光できるのだ。できれば週末くらいだけでも「下車」できるように配慮していただくと、私たちの夢も一気に膨らむ(と考えているのは私だけであろうか・・・)。

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とは言え、安心して観光を楽しめるのはやはり「裏方」のおかげであろう。しっかりと日々のメンテナンスがされてこそ、といった感じか。数々の経験と技術に裏付けられた安全性はもっと高く評価しても良いであろうと思うが、これからも引き続き私たちが安心して観光できるように見守ってい貰いたい思いである。




塔ノ沢を出るとまず出山信号場でスイッチバックする。カーブするホームが特徴的だ。ここって道路などを伝って訪問可能なのか?






こちらは上平台信号場の風景。一見、出山信号場と区別がつきにくいが、いずれにしてもこのスイッチバック無しに箱根の高低差は挑めない。しっかりと自身の役割を果たしている。

こちらは仙人台信号場。スイッチバックではないが多くの列車交換が行われる。もし可能なら、これらの信号場に列車以外の手段で訪問してみたいものだ。
といった具合で登山鉄道は進行していく。そして強羅まではこの急勾配と急カーブが更に続く。一般的には地味な存在であるが、こういった「縁の下の力持ち」的な存在があるからこそ私たちは楽しく観光できるのだ。できれば週末くらいだけでも「下車」できるように配慮していただくと、私たちの夢も一気に膨らむ(と考えているのは私だけであろうか・・・)。

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箱根へ登山に行ってきました。⑥ 大平台
2014-10-13

塔ノ沢から先は完全に「登山電車」となる。数々の難所を超え急な勾配を登っていく姿はメッカのスイスを思わせる光景だ。特にこの塔ノ沢~宮ノ下間は恐らく難所中の難所であろう。それもそのはず、この区間はスイッチバックが連続し、3回も進行方向を変えるのだ。その事に象徴されるように、ここはまさに「登山電車」である。勾配と急カーブの連続の中、出山信号場でスイッチバックをする。そしてしばらく登ると大平台に到着する。ここ大平台もスイッチバック式となっており全列車が停車する。そして上平台信号場で最後のスイッチバック。この辺は勾配とカーブの連続だ。「登山電車」の真骨頂が思い切り凝縮されているような感じか。
スイッチバックで唯一の旅客駅であるここ大平台は実際に下車するとわかるが、本当によくもこんな場所に駅を設置したものだとつくづく感心してしまう。下車して初めて知ったが、なんと国道一号線沿いに駅舎があったのだ。私は車で箱根へ訪問の際は国道1号線を純粋に通らず箱根新道などの有料道路で近道をしてしまうせいか、駅舎に出て面食らってしまった。登山鉄道は何度も訪問しているが実際に下車するのは初めてであり、全駅下車する事によりこういった発見を改めて体験する事となった。




私の到着時は「最古参」との列車交換があった。1000系は私が中学の時にデビューしているので既に30年以上経過しているがいまだ現役!



列車が去ったあとは静寂に包まれる。駅員はいるが、なんとなく長閑な風景。「通勤・通学」とはあまり縁が無いのか・・・というよりこの日は日曜日。なのにこれだけ長閑とは・・・




駅舎に出てみた。崖にへばりつくような階段を登って向かうが、たどり着くとそこは国道一号線沿いであった。国道はそれなりに人通りも多く、ここで初めて休日である事を実感する。


再びホームへ戻ってみる。見よ、このとんでもない光景を!とんでもないところに駅を設置したものだ。設計の苦労が伺える。




なんとなく昭和の風景も・・・首都圏にいながらこういった風景を見れるのは全駅下車ならでは。





ホームの先にはこんな光景も。駅員も手馴れた様子で戯れていた。

ホームの先でちょっと撮り鉄。こんな光景も将来的に見られなくなるのか・・・

そして私の乗るべき列車が到着した。一瞬京急かと思った!私にはあまり馴染みの無い車両であったが、この列車も登山電車の仲間には変わらない。

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箱根へ登山に行ってきました。⑤ 塔ノ沢
2014-10-10

箱根湯本から標準軌になって最初の駅である塔ノ沢。駅の両側をトンネルで挟まれ密閉された空間は、完全なる秘境駅としての佇まいとなっている。某秘境駅訪問家の順位では170位となっていたが、私はもっと上位でも差し支えないと思える評価だ。とは言え、某秘境駅訪問家の感性では箱根という観光地というシチュエーションからか、なかなか秘境というモードが馴染めないでいたのであろう。どちらにしても秘境駅カラーに染まっている事には変わりなく、日曜でも列車到着時以外は実に穏やか。絵に描いたような秘境駅として私は評価したい。
先述したが、駅の両端をトンネルで囲まれており、そのトンネル内も急な勾配になっている。上りホームには「銭洗弁天」が同居し怪しいような雰囲気を醸し出しているが、この駅は夜の時間帯は訪問しないほうがいいであろう。熊では無いが、ハッキリ言って「出る」かも知れない環境だ・・・
もちろん駅員無配置であり2面2線の相対式ホームであるが、かつては構内踏切がそれぞれのホームをつないでいた。が、ホーム延長工事の際に小田原よりのトンネル入口上の階段を伝う方法に変更され、それが事実上の「跨線橋」となった。
森と緑に囲まれて・・・と言いたいが、若干ジャングル的な部分も兼ね備えており、首都圏にいながら秘境モードを楽しめる異色の駅だ。とは言え、休日などには満員電車に揺られて訪問することになるが・・・

塔之沢に到着。箱根湯本の温泉街から急転、一気に秘境モードとなった。



駅舎は「無人くん」である。恐らく箱根登山鉄道で唯一であろう。かつてはポイント操作の職員がいたが、CTC化され無人になった。


一見秘境モードではあるが、付近には温泉宿があるらしい。そう、ここは箱根だから。こんな秘境駅でも「パスモ」とか使えるなんて・・・




ホーム風景。2面2線の構造であるが、上りホームではご覧のような「銭洗」が。だが・・・夜間の訪問は若干勇気がいりそう。



これが小田原寄りのトンネル上にある「跨線橋」。以前は構内踏切であったが、ホーム延長に伴いご覧の姿に。




上り列車がやって来た。その後私の乗る列車が小田原寄りのトンネルから顔を出した。トンネル内もご覧の通り凄い勾配だ。

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箱根へ登山に行ってきました。④ 箱根湯本
2014-10-09

我が地元・神奈川を代表する、そして日本有数の観光地でもある箱根への玄関口である事は周知の通りであるここ箱根湯本。新宿よりロマンスカーも乗り入れ週末などには特に賑わいを見せる。古くからの温泉街として知られ、高度経済成長時代は熱海・伊豆とともに行楽を支えてきた。もちろん今もその地位は揺るぎないが、近年では長引く不況で利用者がやや減少している。とはいうものの「VSE」や「MSE」などで訪問する箱根は格別で、特に家族連れやカップルに人気が高い。また、女性グループもちらほら見かけ、箱根の人気の高さが伺える。
昭和の時代は駅前が狭く、週末などには道路に人が溢れ危険な光景を目の当たりにしてきたが、近年では駅前の立体化が完成し安全面が非常に向上した。
そして「駅ナカ」ではおしゃれなカフェ等も設置されかつてのイメージを一新。「古臭い温泉街」のイメージはほぼなくなった。とは言え、駅前はまだまだ昭和の佇まいが残っており、ある意味心を和ませてくれる。

鉄道的に見てもここ箱根湯本は狭軌と標準軌の境界線であり、運転上でもひとつのボーダーライン的な役割をしている。という事で、箱根登山鉄道を全線乗車するのには必ずここ箱根湯本で乗換が発生するという事象が発生するが、それは仕方ないことであろう。
地形の制約により駅前そして駅設備などには設計の苦労が見え隠れするが、国道一号線から見る箱根湯本駅は、かつての東急渋谷駅のような特徴ある屋根が印象的に映り、車を運転しながら駅を眺めても楽しい。まだまだ現役のLSEで箱根湯本にやってくると昭和の雰囲気を今でも楽しめるぞ!

画像はウィキペディアより、現在の箱根湯本の配線図。中線が狭軌・標準軌が同居し、なんとなく「新庄」的な感じ。何度か配線変更が行われ現在の形になったが、やはり地形の制約が最大のテーマであり苦心の色が伺える。

箱根湯本は強羅まで制覇した後にやってきた。登山電車にゆられ箱根湯本にやってくるとなんとなく「大都会」的に映るのは気のせいか?


そして箱根湯本に到着。最古参の車両も今や貴重な存在となった。

やはり休日とあってご覧の混雑振り。強羅からきた乗客はここでロマンスカーに乗り換えるか湯元温泉に向かうのがほとんど。普通列車で小田原へ向かう乗客は意外に多くない。


現在の駅舎(上)と旧駅舎(下)。旧駅舎の画像はウィキペディアよりであるが、この時代は特にゴールデンウィークなどは人でごった返し駅前は危険に満ち溢れていた。現在は立体化が完成し安全面が確保され非常に便利になった。






かつてのイメージはなくなった。バス乗り場もペデストリアンデッキの下に潜り、かつての危険な雰囲気は無い。素敵だよ、湯元!


駅舎に戻ってみた。よくTV番組などに登場するような喫茶店などが併設されており、若いグループやカップルなどにも人気が高い。


ここがロマンスカー専用ホーム。私の到着時にはEXEがいた。が・・・やはりVSEの方が箱根にはお似合いか・・・






小田急側のホーム(という表現はおかしいが)にやって来た。なんと(というほど大袈裟ではないが)LSEが入線!昭和の箱根って「これだよねっ!」といった感じか。

ホームの先には三線軌条の分岐点が。やや複雑なポイントは解読不可能?

デッキから箱根湯本を見てみるとこんな感じ。なんとなく「東急渋谷」を思い出させるではないか。この感じは昔と変わらない風景だ。

という事で次の駅に向かう。温泉にでも入りに行けば良かったと後々思ったが・・・

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箱根へ登山に行ってきました。③ 入生田
2014-10-06

入生田と言えば既に述べているが、登山電車の車庫が併設されている。私の訪問時は車庫内に「アレグラ号」が眠っており、11月のデビューまで待ちきれない様子であった。10月には試乗会も開催されるらしく、新しい登山鉄道のシーンが見られることであろう。駅の構造は相対式ホーム2面2線で上りホーム側の線路のみ三線軌条となっている。
駅舎はかつてのままの風情が漂い昔ながらの「登山鉄道」のシーンが見られるが、ホームに至ってはもちろん改良されており新旧同居のギャップが素晴らしい。駅前はややスペースが狭く駅舎撮影には一苦労させられるが、もちろん観光的要素の利用はほぼ皆無であり地元の方の利用がほぼ9割9部9厘9毛であろう。
利用者はここ数年減少気味であるが、休日などは私のような「もの好き」が訪問するシーンも少なくないであろう。



乗ってきた列車より駅舎に向かう。構内踏切で線路を渡るが、上りホーム側は三線軌条。ホームはバッチリ改良され立派になっているが、駅舎に向かうと・・・





何とも狭い空間に駅が!完全に「地元密着型」の駅であった。昔のまま残された駅舎が存在感をアピールしてくるが、小田急車両とのコンビネーションは若干アンマッチ的な雰囲気。それが実によろしい!

ところどころはリニューアルされているが、全く昔のまま。こういう風景って心和むんだよねっ!



再びホームへ。改良された小田原~箱根湯本間はバリアフリーもしっかり対応。

プロローグでも紹介したが、まもなくデビューの「アレグラ号」が車庫に眠っていた。「最古参」とのツーショットは将来貴重な画像となるかも知れない。

次の箱根湯本に向かう。と言っても温泉に入りに行くわけでもなく・・・列車本数が多いため計画を事前に組まなくても順番に駅めぐり出来て便利だ。

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箱根へ登山に行ってきました。② 風祭
2014-10-03

風祭駅に着いて驚いた。なんと某かまぼこメーカーの販売店と直結であった!!全く予備知識を持たずに出た今回の旅は、もちろん地元なだけにマイカーなどでは散々この辺りを訪問してはいたが、まさかこんな形で地元の名産品とふれあおうとは・・・昔に訪れた時とは全く印象が変わっており、全然別の世界であった。それもそのはず、かつては短い島式ホーム1本で、小田急車両が乗り入れる際には一部の車両しかドアを開閉せず、利用者側も経営側も大変苦労させられていた。現在は改良工事が完成し、相対式ホームの2面2線の立派なホームで対応。下りホームには蒲鉾メーカー販売店用の駅舎も設置された。そちらへ繋がる改札にはパートタイマーと思われる女性の職員がお出迎え。実に快く私たちを迎えてくれる。しかもこの日は日曜日。改札の向こうのお土産店は押すな押すなの大盛況であった。もちろん大型バスなどでの訪問者が圧倒的多数であろう。直結している駅の方は、実に和やかに時が進行していた。私の訪問時はロマンスカーと普通列車の交換も行われ、さながら信号場の役割もするのは単線区間ならでは。EXEやVSEもここ箱根登山鉄道線内は完全にローカル色に染まる。

こちらが本来の駅舎の風景。なんとなく江ノ電の風景に似てはいないか?しかし風情たっぷりの駅名だ。

そしてこちらは蒲鉾店直結の駅舎。蒲鉾店直結の通路だけでなく、地味に脇道がありそこへ向かっていく地元の方と思われる乗客が少なくなかった。


そしてこれが蒲鉾店直結の通路。うるさいくらいにメーカーのアピール。特に正月商材として私たちの前に姿を現す場面が多いが、小田原には他にもかまぼこメーカーがたくさんあり、一応私も地元民として述べるが誇れる名産品であろう。箱根観光の際は是非!



そしてこれが駅舎側から見た直結蒲鉾店の風景。店内は休日とあって実に大賑わい。やはり一番人気は蒲鉾だ。




蒲鉾の宣伝ばかりしてしまったので本来の趣旨に戻そう。これが休日の風祭駅風景。平日との違いはあるのか?




反対側の列車が入線した。すると女性職員が「次に来るのは特急のため通過しますよ」と我々に声をかけてくれた。カメラ片手の少年(いや、中年)に何とも親しみやすいサービス!なかなか心地よい接客であった。


そして次の駅へ向かうため列車を待っていると・・・今度は私の乗車する普通列車とEXEの交換風景に遭遇。単線ならではの光景だ。

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箱根へ登山に行ってきました。① 箱根板橋
2014-10-01

プロローグで言い忘れていたが、今回の箱根登山鉄道の訪問は「全駅下車」をテーマとした。箱根登山鉄道では「トコトコ切符」なる全線フリーの切符があるのでとても視界が広がる。そしてフリー切符ならではの旅ができるため、箱根板橋のような地味な駅にも訪問できるのだ。
箱根板橋は、箱根登山鉄道では唯一の島式ホームである。こんな事を言うと「1番線」の存在が気になるところであるが、例の「狭軌化」された2006年以降はこの1番線の使用はなくなっている。つまり事実上、2・3番線を使用した島式ホームにての営業となる。1日の利用者は2600人くらいで安定して推移しているが、15~20年前に比べたら若干の減少はある。しかしながら完全に小田原の生活圏内であり、変な話、ここから小田原で乗り換えて町田・新宿方面へ通勤している人も少なくないであろう。
駅南側で東海道新幹線と立体交差するが、登山鉄道の方は完全に長閑な風景となっており、生活が全面に出ている感じだ。箱根登山鉄道全体に通して言えることであるが、駅舎や設備が常にリニューアルされているものの昔からの駅舎などが今も健在し、昭和を知るレールファンにとっては僅かながらでも懐かしい雰囲気を感じることであろう。もちろんここ箱根板橋も駅舎は昔ながらの木造建築が健在だ。しかも木製のラッチも存在し素敵な雰囲気を醸し出している。こういう地味な駅は私好みであるが、ハッキリ言って「全駅下車」等のテーマをもってしないと下車するきっかけがないため、よほどの「箱根板橋ファン」とかでない限りこの駅に下車するタイミングは難しいであろう。だが、今回の箱根登山鉄道全駅下車訪問をしたからこそこういう収穫があり、新たな発見が新鮮に感じる。我が地元にもこんなシーンがあったのかと、この歳になって初めて感じた。というより、この歳だからこそ受け止めた感性は非常に大きなものだと感じたからかも知れない。


箱根板橋に着いた。早速駅舎を!なかなかの佇まいでいい感じを醸し出してた。我が地元にもこんな素敵な空間があったのかと改めて思い知らされた想いだ。もちろんリニューアルされてはいるが、エッセンス的には昔のまま今も変わらないであろう、と感じた。






箱根板橋駅のホームの様子を収めてみた。既にお気づきと思うが、私が述べている「島式ホーム」のほかにもう1本ホームがある。これが幻の「1番線」だ。狭軌化されて以降は使用されておらず、完全に「遺跡」となってしまった。

かつての名残が!若干ながら感動した。今も「三線軌条」が箱根板橋で確認できるとは!



箱根湯本などは近代化されているが、箱根板橋などの一般的なローカル駅は昔ながらの佇まい!

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