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鉄道全線完全制覇の旅

昭和から平成へ・・・全線制覇の旅紀行!

サマーアクションシリーズ ・1983年東北の旅。もっと細かくリメイク版㉘

羽後本荘でレッドトレインを下車した私は矢島線に向かう。矢島線といえば当時は廃止候補に挙がっていたが、現在は由利高原鉄道として第二の人生を歩んでいるのは周知の通りである。

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国鉄時代の矢島線終点・羽後矢島。名所案内に記されている記述は私にとっては天文学的数値で、とても鳥海山に果敢にチャレンジしようとは思えない内容であった。特に後半が・・・

途中の前郷では三セク移管時に交換設備が設置されたが、実は以前にも交換設備はあった。が、いったん棒線化された後に更に交換設備が復活するのはある意味珍しい。そんな前郷ではある逸話がある。
私はかつて会社の同僚に「出身はどちら?」なんて世間話をしていたら「秋田です」と言った。よくある会話だ。ところが更に掘り下げて「秋田のどの辺?多分一般にマイナーな場所でも大体わかるかも」というと「前郷」という答えが返ってきた。「どうだ、マイナー過ぎてわからないだろう!」向こうはそう思っていたかも知れないが、返す刀で「由利高原鉄道の?」と言った途端顔色が変わった。「なんで知っているの?」と目をマックスに開きこちらを見ている。更に「昔の矢島線だよね?」と付け加えたが、その同僚がその後どういう表情をしたのかは皆様のご想像にお任せしよう。
そんな前郷を過ぎ矢島に着くが、折りかえしインターバル時間が4分しかない❗「いい旅チャレンジ20000km」の証明写真を撮影するのに精一杯で入場券をかえるかどうか。駅を散策する間もなく羽後本荘に折り返した。

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現在の前郷は由利高原鉄道の所属であるが、国鉄時代よりかなりモダンになった印象だ。第三セクターに移管され交換設備も復活。(画像はウィキより)

さて、夜が近付くにつれ段々メランコリーになっていくのは気のせいか。計画段階で駅寝が決定している以上、もう後戻りできない。当時、今回の旅行程を考えるに当たり一番悩んだ場所だ。予定だとこのあと羽後本荘から羽越本線で秋田に向かい男鹿線を制覇した後大曲で田沢湖線の始発列車を待たせてもらうつもりだ。この列車に乗らないと角館線の始発に乗れなくなる。次の列車は夕方なのでタイムロスが大きい。
そんなブルーな行程であったが、つい最近、当時の時刻表を使い何とか駅寝しない方法を探してみた。するとどうだろう。余裕でその方法が見つかったではないか!散々頭を悩ませ、飯詰駅に往復葉書を送付し駅寝交渉したりして苦労した私は「丸出だめ夫」ではないか❗なんでもっと現地などで時刻表を見て頑張らなかったのだろう・・・超落胆。

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めちゃめちゃ立派になった現在の大曲。新幹線もやってくるようになり更に便利に。花火大会当日はごった返す事であろう。今回の旅ではこちらでお世話になったが、当時の面影は全く無し!(画像はウィキより)

ポイントは田沢湖線であった。私は盛岡から秋田に向かい矢島線目指したが、これがいけなかった。
秋田で折り返し盛岡行きの特急「たざわ」に乗り換え角館で角館線に乗り換える。更に折り返し秋田に向かい男鹿線に乗り換える。男鹿線制覇後は特急「白鳥」で青森に23時40分頃に到着し0時02分発の急行「八甲田」に乗るというからくりだ。あれ、矢島線は?と思われるだろうが「八甲田」を一ノ関辺りで捨て折りかえし盛岡などから秋田方面に向かえば丸く収まるではないか。なんでこういう発想が出来なかったのかと当時の自分を責めてしまう。だが逆にこういう旅を数多く経験したからこそ今がある。だから今の自分は発想が多彩になる。やはり旅は多くした方がいい。そんな思いを抱きながらかつての旅を振り返ると、若き日の自分が羨ましくなるしアドバイスもしたくなる。
未来の自分が過去の自分を振り返りこんな事を考えるなんて、当時の自分は考えもしなかった。そんな無邪気な私は、迫り来る駅寝のメランコリーを払拭すべく男鹿線に向け秋田駅の跨線橋を足早に登っていった。



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サマーアクションシリーズ ・1983年東北の旅。もっと細かくリメイク版㉗

大湊より快速「なつどまり」で野辺地に9時35分に着いた私は秋田方面に向かいたいので青森を目指すつもりであったが、時刻表で確認する限り青森経由だとやたら接続が悪い。そこで私は1982.11.15ダイヤ改正の「ウリもの」をフルに活用する。それは特急「はつかり」で盛岡へ出て更に特急「たざわ」に乗り換え秋田に向かうという事だ。これだと青森経由より一時間以上早く秋田に着く事ができる。しかも「ワイド」の特権を最大限に活用するべく特急列車の連続だ。旅の終盤にきて特急のフル活用とは私も考えたものだ。
という事で野辺地より特急「はつかり」に乗る。なんと583系だ!将来的に583系の乗車はかなり貴重になろう。中学生なりに583系終焉のプロローグを肌で感じていた私は、リクライニングできない時代遅れと言われていた特急列車に喜んで乗車した。

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ダイナミック✩トナカイ提供の特急「はつかり」は583系バージョン。一般的には、リクライニングができず更にボックス席である事が不評の要因であるが、私的にはあの開放感ある座席バージョンは大好きな部類であるである。再三言うが、例えば「ムーンライトながら」などに使用していただくと、大変利用価値あるサービス品になると思うのだが・・・もちろん寝台で!

座席時の583系は天井が広くとても解放感がありゆったりと旅ができる。特にボックス席の背もたれ部分は寝台に変身する関係からやたら分厚いのがまた良い。そしてカーテンはブラインド式になっており、レバーをクルクル回すのが新鮮だ。既に583系座席バージョンは1978年に九州へ旅をした時に特急「有明」で経験しており、寝台でも1979年に「ゆうづる」で乗車したため馴染み深い。そして私の好きな車両のひとつであるので尚更愛着がある。何せプラレールでも所有してしまうほどなのであるから・・・

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ダイナミック✩トナカイ提供の特急「たざわ」であるが、1983年当時はまだ運転本数が少なく、確か1日6往復くらいしかなかった記憶だ。将来的にまさか新幹線に飛躍するとは夢にも思わなかったが・・・

2時間ほど揺られ盛岡に着いたのが12時15分であるが、この「15」がポイントなのである。新幹線も「たざわ」や「はつかり」も皆盛岡では15分頃に到着し30分頃に出発していく。ちゃんと乗り換えの便宜が図られており、どの方面に行くにも都合がいい。非常に考えられたダイヤだなと計画段階で時刻表を眺めながら感心していたが、盛岡のホームに立つと更に感心し田沢湖線のホームに向かった。
そして特急「たざわ」に乗るが、既に今回の旅ではお馴染みの列車になりフル活用させていただいた。ただ、この「たざわ」ではちょっとした事件が起こった。それは、私が一番最後尾の禁煙席に乗車していた時の事である。

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特急「たざわ」の車内から撮影したが、考えてみたら田沢湖線の全線制覇は特急列車しか経験しておらず、普通列車での経験がないためいずれ普通列車での訪問をしてみたい。1983年当時、普通列車はDCであった記憶だ。

私はほぼ独占状態の車内で田沢湖線の各駅を撮影していた時の事。私がバシバシシャッターを切っていると白い服を着た車掌が車掌室から出てきた。そしてその車掌は最後尾の座席に座り煙草を吸い始めた。そして同乗していた保線員と何やら話始めた。あれ?ちょっと待てよ。ここって禁煙車だよな。私は一瞬自分のシチュエーションがどうなのかわからなくなった。冷静になり新しくなった田沢湖線の駅や景色に向けシャッターを切り始めるが・・・
あえてこれ以上は追記しないが、田沢湖線の特急列車はまだまだ一般に浸透していなかったのだろう。お盆休みというのに車内は閑古鳥状態であった。しかしながら現在は新幹線車両も乗り入れ大きな活躍を見せてくれているのが非常にうれしい思いである。

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そして秋田であるが、この写真を撮影した時はかなりメランコリーな状態に。そう、これから待っている「駅寝」がプレッシャーに・・・

秋田に着いた私は矢島線制覇のため羽後本荘に向かう。乗車する列車は普通列車の「レッドトレイン」であった。こうして特急を乗り継いだ後に普通列車に乗るのは何となく違和感あるが、まさかこの50系が現在の鉄道シーンで貴重になるとは。当時はそんな事これっぽっちも考えなかったが、部活帰りと思われる同級生であろう面々が私の前で騒がしい。そんな生活感溢れる列車に乗り羽後本荘へと消えていった。



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サマーアクションシリーズ ・1983年東北の旅。もっと細かくリメイク版㉖

野辺地で急行「八甲田」を乗り捨てた私は大湊線で下北半島を北上する。大湊線に乗り換える際、長い跨線橋の向こうに南部縦貫鉄道のレールバスが停泊中であった。ただ、当時の私は国鉄乗り潰しが最優先であったため残念ながらレールバスには乗らなかった。これが後年に響いて結局廃止され乗れず終いになってしまったのが残念であった。せっかくのレールバスなのに予定が入っていないので仕方がない。私は大湊線と大畑線を一気に制覇するために再び自身に気合いを入れた。

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ご存知、南部縦貫鉄道のレールバス。朝一で到着した野辺地の跨線橋にて「乗りたいな~」と思いながら撮影。やはりこの時に乗車予定は組み入れるべきであった。だが、当時は「国鉄全線」に拘っていたのと、近い将来にまた来ればいいみたいな考えから後回し的にしてしまったと思う。だが、廃止になってしまったらもう乗車できない。やはり廃止前にチャンスを作って乗るのが一番!

時刻表上では大湊線で大湊に到着後、大畑線にのりかえ大畑へ向かうのであるが、実際には野辺地から乗り換え無しで大畑まで直通する。更に大畑発の普通列車はその列車が折り返すのは明白で、大畑経由大湊まで事実上乗り換え無しのため楽でいい。そんな大湊線普通列車は乗客も疎らなまま野辺地を後にした。

一番気になったのは下北だ。分岐駅なので配線とか気になるからだが、実際にはタブルクロス一本のシンプルな配線であった。一見、下北で大畑線に乗り換えなければならないイメージだが、実質大湊で大湊線と大畑線が乗り換えられるダイヤが組まれていた記憶だ。大畑線が第三セクターに移管されてからは下北で全ての列車が乗り換えとなったが、国鉄時代は大湊を中心にダイヤが組まれていたイメージだ。

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かつては2面3線あった大湊。転車台や側線もあったが、現在は2面2線となり側線は1本残し、転車台は撤去されかなりスリムになったと聞いた。

そんな大湊線は大湊で証明写真を撮り同じ列車に乗りすぐさま大畑を目指す。
大畑線は既に現在は廃止されてしまったが、海老川や田名部など利用者も多かったので残念だ。何とかして活かす方法は無かったのだろうか。勿論、大畑より先マグロで有名な大間までの延伸計画があり、更に津軽海峡を潜り北海道は戸井に向かう壮大なる構想があったのも事実である。だがその構想は断層だかとても硬い地層があるためだかで断念されたが、もし下北半島経由での津軽海峡線が実現していたら現在の鉄道シーンはどのようになっていたのだろう。

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私が所有する大畑線唯一の「資料」となってしまった樺山駅。付近に飛行場があったのは地味に有名であるが、ある意味秘境駅的存在であったのも地味に有名。廃止後の現在も駅舎などは残っていると聞く。

さて、大畑に着くが折りかえしのインターバルが何と4分しかない!私は速攻証明写真を撮影し座席に戻る。大畑より先の鉄路などもちろん無いが、どうしても工事してるかとか用地はあるのかとか気になる。時間が無かったのでチラ見しかできなかったが、それはどうやら幻的な風景であり、途切れた鉄路が私の儚い夢を遮ってしまっていた。
列車が走り出して暫くすると辺りが騒がしくなった感じがして意識を取り戻した。私はどうやら深い眠りに誘われていたようだ。気がつくと車内は帰省客と思われる人たちで凄い事になっていた。途中の田名部辺りでガッツリ乗ってきたのだろう。何やら皆席を立ちドアに向かっている。どうやら既に大湊に着いていて、私もこれから乗る快速「なつどまり」の座席確保にほぼ全ての人が標的を合わせているようであった。


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サマーアクションシリーズ ・1983年東北の旅。もっと細かくリメイク版㉕

余目から陸羽西線経由で急行「月山」を捕まえたお陰で乗り換え無しで山形に到着。そして福島までの奥羽本線普通列車は旧型客車でのんびり揺られる事になった。「ワイド」を持っているとどうしても急行・特急を利用しないと勿体ない気分になりがちだが、こうして普通列車で本線上を走るのもいい。増してや旧型客車である。

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旧型客車の車内から撮影した峠駅であるが、スイッチバックしながら走る列車で窓を開け精一杯の撮影であった。できれば下車したかったが・・・

中川でダイナミック⭐トナカイに手を振りひとり旅に戻った私は列車最後尾に向かった。誰もいない・・米沢を過ぎる頃には完全に車輌を独占していた。旧型客車のため最後尾はデッキよりダイレクトに外の風景となる。つまり「危ない」という事だ。今では考えられないが、当時はそんなの常識であったのだ。
そんな列車でいよいよ板谷、峠などのスイッチバックに挑むシーンになるのだが・・・夜の9時をとっくに過ぎているため肝心の景色が全く見えない。峠では窓を開け駅名標に向かいシャッターを切るのが精一杯だった。ただ、夏場のため窓を開けると虫が進入してくる。瞬時に作業を終えないととんでもない事になる。
そんな山越えを繰り返し幾度と無く進行方向を変えようやく福島に22時21分に到着。もともと計画では福島から急行「八甲田」を捕まえる予定だったのでこれで予定を戻した感じだ。酒田で「いい旅チャレンジ20000km」の証明写真を撮り忘れた事で「瓢箪から駒」ではないが、予定していない急行列車や旧型客車の普通列車に乗車し予定を元に戻してしまうのだから旅は面白い。

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そして同じ旅の中でダイナミック☆トナカイが単独行動で峠に訪問ていた。写真はダイナミック☆トナカイの提供である。彼は私と東北の旅をしているが、親戚のある奥羽本線・中川を拠点に私の旅の行程で自身が参加できる範囲でスポット参戦していた。私と行動を共にしない時はこうして自身でいろいろ訪問していたという。しかしながら峠を昼間に訪問したとは憎い!

さて、福島からは急行「八甲田」で野辺地に向かう。野辺地着は5時36分に到着予定なのでバッチリ仮眠できる。ところでこれから乗る「八甲田」は約6時間近く乗車できる。これは計画段階で旅の後半に夜行列車の乗車時間を長めに設定したのだ。いくら中学生でも約8日もぶっ続けで列車に乗っていたら体力的な事はもとより、精神的にもかなりのダメージを受けているはず。だから深夜未明の乗り換えは予め旅の前半に設定し、後半でしっかりとケアしようと考えたのだ。これから乗る「八甲田」はそれが見事にハマった感じであった。

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そしてこちらがウィキから転用の峠駅。1990年と聞いているのでスイッチバック解消直前である。こうしてみてみると、SL時代の苦労や「峠の茶屋 力餅」の盛隆時代を彷彿させるようだ。もちろん「力餅」は現在も販売されている。

たが、気分はメランコリー・・・なぜか?それはこの日、計画段階から「駅寝」が決定していたからだ。夜行列車の乗車時間を長めに設定して・・・等と偉そうな事を言っておきながら最後に駅寝かよ・・・みたいな感じであるが、この時点での未乗車路線は大畑線、大湊線、男鹿線、角館線、矢島線、津軽線であった。ただ、津軽線は証明写真こそないものの、1979年に制覇している。だが、その時はまさか津軽線が大きな変貌を遂げ、津軽海峡線の一部になろうとは想像つかなかった。現在はその地位を新幹線に譲り、ある意味元の津軽線に戻った事だろう。ただ、車両や設備の内容は勿論違うが、私が三厩(当時は「みんまや」ではなく「みうまや」と読んでいた)からタクシーに乗り龍飛崎へ向かった時代に何となく戻ったようなイメージだろうと思う。
4年ぶりに向かう津軽線を楽しみに、そして駅寝決定を素直に受けいれ、急行「八甲田」の座席を離れ、初めて下車する野辺地のホームでラストスパートのアクセルを踏みしめた。

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サマーアクションシリーズ ・1983年東北の旅。もっと細かくリメイク版㉔

さて、私は酒田から陸羽西線の普通列車に乗った。戸籍上は余目が起点であるが、もちろん酒田からの乗客に向けエールを送った措置であろう。お陰でバッチリ着席できて順調に新庄へと向かう。途中、ダイナミック⭐トナカイが虹を発見し和やかなムードとなるが、夕方の虹とは確か翌日は晴れるみたいな事を聞いた事がある。「いゃ、あめだったかなぁ」「いや、晴れだよ」みたいな会話もあり、ようやく新庄に近づいてきたその時・・・「やばい、余目でいい旅チャレンジ20000kmの証明写真を撮るの忘れた!」と、急に変な事を思い出してしまった。ルールでは酒田での撮影でもOKだったのに何故に酒田で撮らなかったのか・・・私は自身の行程表と時刻表を早速取りだし確認作業にとりかかった。行程ではもう羽越本線を経由するのは秋田~羽後本荘間だけで酒田にはもう通り過ぎもしない。さてどうしよう・・・

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今回の旅で新庄は連続2回訪問する事になる。2014年に久々に再訪する事になるが、1983年訪問時にはまさか新幹線がやってくるとは思わなかった。

新庄より折返し、再び陸羽西線で余目へ戻ることにした。そして証明写真を撮影し更に折返し新庄へ戻ることにした。つまり陸羽西線を2往復、いや1往復半することにしたのだ。一見タイムロス的に見える行動であるが、逆にこうすることで後の行程がバッチリはまるのだから面白い。こうしてトラブルを乗り越える知識やひらめきもこの旅で教訓を得たのだ。順を追って説明しながら旅の続きを紹介しよう。

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そして2014年訪問時の新庄。ご覧の通り、国鉄時代とは全く違う風景に変身。跨線橋無しで全ホームに移動できるのが大きな売りとなっているのか。もちろん新幹線から在来線への乗り換えも跨線橋無しで。

さて、新庄から再び陸羽西線で余目に着いた私は早速「いい旅チャレンジ20000km」の証明写真を撮影し更に陸羽西線で新庄へ向かうが、乗車する列車はなんと急行「月山」であった!月山と言われて若いレールファンは全くピンと来ない方も少なくないであろうが、かつては急行「いいで」や「千秋」「出羽」などと共に庄内地方を中心に活躍した列車で、これらの急行は途中駅での分割・併合が多く、レールファンの私でもその詳細を記憶する事は困難であった。そして月山も山形~仙台間は急行「べにばな」と併合され運転されていた時代もあった。今思えばそんな格式高い急行列車で山形に向かったのは貴重な体験であろう。トラブルに出くわしたものの、お陰でとんでもない幸運が舞い込んでくるものだ。もちろん山形新幹線は無い時代だったので新幹線ではない特急「つばさ」が新庄から山形までをカバーしているが、私のこのタイミングでは「つばさ」には乗れなかった。せっかく「ワイド」を持っているのに普通列車ばかりの乗り継ぎでは少々宝の持ち腐れ的でもあるが、夜行列車王国の東北では夜から未明にかけて大活躍するので重宝する。

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今回の旅ではかなりお世話になった山形。現在は新幹線も顔を出し、標準軌と狭軌が入り乱れる。当時私が駅寝した待合室は当然ながら無くなってしまい駅舎も立派になった。夜行列車は深夜未明の時間帯に通過するため利用できる列車は少なく、レギュラーの急行「津軽」などがその役割を担っていた。

そんな思いで山形に着いた私は、本来の予定なら仙山線で仙台へ行き福島で急行「八甲田」を捕まえる予定だったが、予定より列車が一本遅れている。そこで私は山形から奥羽本線普通列車で福島に出る事にした。ダイナミック⭐トナカイも中川までは同行してくれるので心強い。早速予定変更を自身に宣言し、ダイナミック⭐トナカイと共に行動する事にした。
トラブルで予定が狂えば修整すればいい。今回のこの旅でそうしたトラブルさえ楽しめる自分に成長している・・・そんな実感が自身でも手に取れるようにわかる自分がいた。


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サマーアクションシリーズ ・1983年東北の旅。もっと細かくリメイク版㉓

荒砥から折返し今泉で乗換え米沢に着いたのが8時丁度であった。折返し米坂線で坂町まで向かう列車は1時間45分待ちの急行「べにばな」である。首都圏では絶対にお目にかかれないローカル急行であり、米坂線を経由するあたりも憎い。米坂線といえば、季節によっていろいろな沿線風景をみせてくれる事は地味に有名で、近年では旅番組などで度々紹介されている。だが、当時の私にしてみたらそんな沿線風景よりも米坂線を制覇する事が重要であったため、昨夜から未明にかけての宿泊施設の関係からなり疲労が蓄積されていた。キハ58に身を預けた私は安心しきったのか、すっかり夢の中へと導かれていた。

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画像はウィキより現在の米沢駅。新幹線開通後ホームは若干リニューアルされたが、基本的に昔の面影がまだ残っているようだ。米坂線ホームも何となく懐かしさを感じる。

米坂線に関して全く記憶はないが、熟睡してたという記憶や記録はしっかりとある。残念ながら夏真っ盛りの沿線風景はみれなかったが、快適な車内でバッチリ疲れをとる事に成功した。いくら若いといっても疲れるときは疲れる。
そんな急行「べにばな」に乗っても列車の終点までは乗れなかった。坂町で秋田方面に向かうためだ。そう、そういえば米坂より「ダイナミック⭐トナカイ」が合流していた。つまり米坂線の急行「べにばな」からはダイナミック⭐トナカイとの行動であった。しかしながら、向こうにしてみたら合流直後より先輩の私に熟睡されては立場が無かったかも知れない。しかし、逆にいえば、私的には相方が合流したのだから安心しきってしまったのかも知れない。

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坂町から特急「白鳥」に乗る。当時は大阪~青森を結ぶ在来線特急で昼間特急としては最長距離の運転であったが、なんといっても白新線経由で新潟に寄るのが最大の特徴であった。

さて、急行「べにばな」は新潟行のため秋田方面へは坂町で乗り換えなければならない。乗車する列車は・・・大阪~青森間を新潟経由で繋ぐ特急「白鳥」である!そんな格調高い特急列車を陸羽西線に乗り換えるため余目の先、酒田で下車するとは!だが、その方が待ち時間が少なく座れる事が確定される。余目と酒田間はもちろん重複するが、そんなの関係ネェー!ってどこかのお笑い芸人ぽくなってしまうくらいに重要である。そして相方はいるし特急・急行は別料金無しで乗れるし、何となく盆と正月が一緒に来た雰囲気であった。

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そして特急「いなほ」である。今回は乗車できなかったが、上野から姿を消して以来、久々に会えたことに感謝。現在も羽越本線野特急列車として活躍している。坂町か酒田で撮影。

特急「白鳥」では自由席とはいえ冷房が効いていて快適であったが、逆にこういう環境だと寝られない。いや、今回の旅では後に紹介するL特急「たざわ」や「はつかり」などにも乗車できてかなりの優越感があった。もちろん「18」では味わえない新たな旅の楽しさを発見した印象であった。だが、酒田から陸羽東線に乗車したまでは順調であったのだが、この後またとんでもないトラブルが待っていたのだ。


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プロフィール

ダイヤモンド✡トナカイ

Author:ダイヤモンド✡トナカイ
✩2022年4月より毎週土曜日更新になります✩


昭和・国鉄の話題を中心に紹介しています。


2013年に長野新幹線の長野駅にて「いい旅チャレンジ20000km」よりスタートした国鉄時代の制覇を含めJR全線制覇を、そしてゆいレール以外の鉄道全線制覇を達成いたしました。


以降、北陸新幹線と北海道新幹線などの開業によりタイトルは返上しています。

JR以外の私鉄を含む鉄道未制覇路線は北陸新幹線(長野~金沢)・北海道新幹線・仙台地下鉄東西線・仙石東北ライン・富山地方鉄道延伸部分・ゆいレール・相鉄直通線(相鉄新横浜線)、そして新規開業の西九州新幹線や宇都宮に開業したライトレールも新たに加わりますます未制覇路線が増えてしまいました・・・

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