SWS (相模線の、私の記憶に残る、車両たち) ⑧社家
2021-12-15


2021年に撮影した最新の社家駅舎。相変わらずのコンクリート製駅舎は創業当時とほぼ変わらないまま現在に至る。関東大震災復興による砂利輸送により経済的恩恵を受けた相模鉄道が倉見から延伸した際に誕生したが、駅舎の材料はもちろん貨物の主体であった自社の砂利である。近年まで駅前は自転車置き場になっていたのでなんだかスッキリしたイメージになった。
先述した門沢橋~社家間で砂利積み出し引き込み線を分岐していたと述べたが、ここ社家からも相模川方面へ砂利線を分岐していた。私の知る一番古い社家の姿は恐らく小学生時代に見た風景で、駅西側は更地になっており荒涼とした風景が続いていた。かつてその荒涼とした場所は貨物側線であった場所で、そこから茅ヶ崎寄りに弧を描き相模川方面へ向かっていた。現在その側線があった場所はマンションに変わり社家駅の利用者数値に貢献しているが、駅東側はまだまだ田園風景が残る。だが、その田園風景の中、社家~門沢橋間の中間地点くらいにある有馬高校も相模線の利用者数に貢献しているが、基本的には社家の方が近く利用者が殆どを占めると思われる。


こちらは2014年頃に撮影した社家であるが、ご覧の通り自転車が無数に有り雑然としていた。現在は写真右側に若干ながらロータリーができた。
そして社家といえばコカ・コーラの工場がある。ここの建家がまた歴史を感じる事ができ、福利厚生のグラウンドや、特に体育館みたいな建家はかつてのウルトラマンに出て来る科学特捜隊の基地みたいな入り口付近に時代を感じる素敵な趣を感じる事ができる。ただ、近年には付近に圏央道と東名高速のジャンクションもできたりして風景もかなり変わってきた。

相模線は全線単線であるが、砂利輸送の名残からか列車交換駅での有効長が長い。国鉄時代、社家のポイントはスプリング式で固定されていたが、現在はCTCにより橋本で制御されている。
ところで冒頭に述べた貨物側線であるが、日本地理院による航空写真だとその様子がハッキリとわかる。以前にもこのブログで紹介しているが、改めて相模線は砂利輸送とともに歴史を歩んできたのだなと納得させられてしまう。ただ、逆に言えば相模川沿いにレールが敷かれているのでどうしても路線西側からの利用者には制約が有り、特に朝の時間帯では相模川を渡るどの橋も渋滞とは切っても切れない縁となる。そのため場所によっては対岸に駅があるのに相模川が制約となり、利用しにくいと考えてる平塚や厚木、そして相模原市民も少なくないであろう。
以前にも紹介したが、日本地理院による1961年頃の社家付近の航空写真である。一見してお分かりのように、写真中央の社家駅から西側に大きく弧を描く土地がひと目でわかるが、これこそかつての砂利側線跡である。写真撮影時には既に砂利輸送も終焉していた頃であろうが、これほどハッキリと痕跡がわかるとかえって嬉しくなる。写真は可動式であるので是非縮小拡大していただき確認していただきたい。
とは言え、倉見と同じイメージの設計である駅舎が特徴の社家は、当時の砂利輸送で如何に会社が潤ったかがお分かりいただけると思う。もちろん材料は自社で運んでいる砂利で賄われたわけであるから、同時は尚更モダンに、いや「ナウい」駅舎に見えていた事と思う。その駅舎とホームはかつて橋本寄りで構内踏切にてつながっていた。ホームの先がスロープになっていて、ホームの先にはタブレット受けがグルグルとぐろを巻いて立っていて、貨物通過の際には機関車の運転手がタブレットの輪っかをとぐろにめがけているシーンをよく見かけた。何気に風情ある社家であるが、今訪問してみると普段は気づかないシーンや忘れていた記憶が素敵な風景として改めて蘇ってくる思いであった。



列車交換は無く上り列車のみが侵入して来た。かつては島式ホーム先端のスロープから構内踏切を渡り駅舎へ伝わっていたが、現在は跨線橋で繋がっている。跨線橋から見る205系は、見慣れた風景であるがこの時はなぜか新鮮に映った。

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超貴重!2021年度中に全て131系に入れ替わるとの情報の中、残された205系との共存時間は少ない。何度かトライした中、社家で遭遇した共存風景であるが、こんな風景も「期間限定」となっている。ただ、非電化時代と違い架線柱や跨線橋など鉄道設備が増えた中、私のような素人では列車撮影は非常に苦労する。もちろん、ちゃんとマナーを守っての撮影を最前で心がけている。

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