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鉄道全線完全制覇の旅

昭和から平成へ・・・全線制覇の旅紀行!

風は秋色…秘境駅への招待 ⑨

田本のホームからは天竜川川が望めるが、ホーム後ろは既に山肌なので、完全に崖の一部に駅があるイメージだ。外界からホームへと繋がる道は登山道のような、いや、登山道であろう道が豊橋寄りのホーム先端にあるトンネル上部へと繋がる階段の先に合流する道しかない。つまり車での訪問はほぼ不可能である。駅ホームには点字ブロックが貼られ「黄色い線の内側までお下がりください」の黄色い線の役割をしているが、そもそも点字ブロックを必要とされる利用者様の田本利用は大変危険であり、海芝浦のように駅に滞在する以外駅の利用方法は無い。実際に私の妻は足を骨折しボルトを入れる手術をしているため現在も車椅子を利用している。もちろん短時間の歩行は大丈夫なのだが、とてもあの田本の外界へ通ずる階段を登るのは無理で、秘境駅らしい風景を痛感させられる。もちろん妻を連れていく予定など全く無いが、五体満足の私でも時間帯によっては危険であろう。

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そしてホームの壁となる山肌はコンクリートで固められ安全措置を取られているが、恐らく駅の設置工事の際に最も難工事だったであろう岩石がその壁に張り付きコンクリートで一緒に固められている。正直、かなり危険な角度で張り付いているためスティーブウィリアムス並みの「岩石落とし」を喰らってしまったら即座にスリーカウントが入ってしまうであろう。ただ、敢えて残してあるという事は、逆に撤去不可能であるという事であろう。イコール落ちないと考えてよさそうだ。

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棒線形の駅であるが、場所によってはホーム幅がかなりキツい。「黄色い線の内側まで下がってください」とアナウンスがあった場合は少々戸惑う。

さて、田本には一時間半くらいはいたであろうか。当初の予定では小和田、田本の2駅であった訪問予定であるが、水窪の信号機トラブルにより予定を大幅に組み換えた。その結果、若干時間が出来たので為栗に訪問する事を即興で決めた。しかもダイヤは通常に戻っていたので予定も組みやすい。相方の「おさる」も了承し、一路為栗へ向かった。

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一応駅前道路は舗装されていた。もちろんバス停やロータリーなどの設備は無いが、写真左側のフェンスの向こうにはすぐに天竜川(和知野川)のせせらぎが聞こえる。

天竜川(和知野川)が迫る為栗に着いた時、まるでカラーの水墨画のような風景に圧巻された。大きくUの字にひねった天竜川(和知野川)はエメラルドグリーンに輝き、駅周辺では文明をそれほど感じない、いやかなり感じない静かな駅である、つまり秘境駅ということである。もちろん天竜川(和知野川)との間には舗装された道路が一本挟まれるため海芝浦ほど川面に近いわけではないが、それでもその雄大なスケールに圧倒される。
もちろん、旅客が主体の現在、銭儲けとはかけはなれた景色となっており経営者側にはつらい風景であるが、それでも定期客などの利用者にとっては貴重な交通手段であろう。その証拠にしっかりとメンテナンスされたホームなどはJR東海スタイルが無言で反映されている気がしてならない。急遽予定を変更し組み入れた為栗訪問のため滞在時間は僅か10分くらいであったが、その短い時間に為栗の数々のドラマを、そしてJR東海の心意気を見た気がした。

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駅前には観光案内板があった。駅前の川は天竜川と思っていたら和知野川だったらしい。川下の天龍村付近で天竜川に合流するという事が後にわかった。ただし・・・夜間の訪問は何かと勇気がいりそう。

やがてレールから列車の鼓動がクレッシェンドしてくる中、小さな車体がこちらに迫るに連れ大きくなってきた。行き先表示は「飯田」となっている。つまりこの路線の代表駅となる。私の場合秘境駅はともかく、大きな駅や路線や都市を代表する駅の方が好きだ。この後飯田線を制覇するため辰野へ向かうのだが途中の飯田に寄るのがある意味楽しみでもあった。しかしながら乗り換え時間は僅か3分。駅舎などの外観やホームの雰囲気などじっくり堪能できないのが残念だ。
秘境駅訪問がメインの旅であったが、飯田に下車できないもどかしさが残るのが悔やまれる。そんな私の気持ちを宥めるかのように、天竜川の流れは穏やかなまま夕暮れの車窓にフェードアウトしていった。


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駅前の道路はどこへ通じているか不明であるが、和知野川沿いに進みその先にある橋へと繋がっているらしい。

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待合室で何かを見つめるダイヤモンド✡トナカイ。今回の記事の写真は全て相方の「おさる」が撮影したものを使用しているため、至るところで何かと自身が被写体になってしまっている。とはいえ皆様に公開できるような容姿ではないのだが・・・
ちなみに私は今回の旅ではデジタルカメラを所有していなかったためご覧の「キャノンAE-1プログラム」というアナログカメラでの出陣となった。



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コメント

AEー1+P懐かしいですね
このストラップも懐かしいです!
レンズは35ー70ですかね?
まさかの28ー55???
このカメラ、同級生3人が使ってましたよ。
田舎の中学校でこんな状況だったので、都会の方ではかなりの人が使っていたのでは?
私にとっては鉄道とカメラはセットですので、ホントに懐かしいです。
これが2007年というのもいいですね。
私もまだまだフイルムカメラで撮っていました。

にわか者様

コメントありがとうございます。

流石ですね!キャノンAE-1プログラムをご存知とは。ストラップまで注目されるとは圧巻です。
実はこのストラップですが、高校の修学旅行前に買いました。もともと付いていたオリジナルのストラップが細すぎてなんとなくカッコ悪かったので確かダイクマ(と言ってもご存知ないでしょうが)かヨドバシカメラの横浜店のどちらかで買いました。

ダイクマとはかつて存在したディスカウントストアで、現在のホームセンター的イメージかも知れませんが、現在はヤマダ電機に吸収されています。

それより、装着しているレンズまで見破っているとはすごいですね。当時新鋭の35-70で図星です。その他に望遠レンズで70-210も持ってます。

私の周りには同じカメラをあえて所有せず、皆違うカメラを持ってました。中学時代の「部活」の部員仲間ではF-1やA-1を持っており、私よりも性能が優れているものばかりでしたがオプショングッズは共通で使えるので、例えばストロボやモータードライブは借りたりして旅に出ました。東北の旅の時もストロボは確か仲間から借りての出陣だったはずです。

ストロボなどを揃えたのは高校に入学しバイトなどで自身の稼ぎができてからで、ストラップもそうした経緯で買い換えました。レンズに付けるフードなど細かいアイテムも全て高校に入ってから以降で、もちろん現在も所有しています。

それから中学当時は部活の顧問教諭がネガフィルムをコダックに拘っていたのでフジカラーはほとんど使わずでした。現在も飯田線に出陣した時に使ったコダックのフィルムの未使用残が収納に眠ってます。

2022年の現在ももちろん使用できますのでその気になれば江ノ電とか速攻で撮影できますね。ついでにモータードライブも通販サイトで購入しましょうかね!

そうそうモータードライブありましたね
当時はフイルムがもったいないので、常にSにしていました(^_^;)
連写するのは、空打ちばかりでして…
それでも東海道本線でのEF58荷物列車が末期の頃、初めてSLやまぐちを撮りに行った時はHにして、バシャバシャ撮りましたよ。
完全にワインダーで事足りる使い方ですが、それでもモータードライブに対するこだわりがありましてね(^_^;)
あと、ストロボですね。
私はグリップタイプを使っておりました。スピードライト577Gというヤツです。外部電源式ですので、電源は肩からぶら下げておりました。
私は修学旅行にNFー1+モータードライブ+577Gというフル装備で行きまして…クラスの連中に「写真屋さんが来た」と、呆れられました😓
またまた一人で盛り上がってしまい、すみませんm(_ _)m

にわか者様

コメントありがとうございます。

なるほど、写真屋さんですか。私の似たような経験をしてますから良くわかります。
ちなみに私のストロボは199Aというやつです。さすがにモータードライブは手が出なかったですが、モータードライブの連写にも対応出来たはずなので、それなりに将来的な事も考えてたのだと思います。

機材にかなり投資してる割りにはブログに登場する写真はご覧の通りで、中学生という事でご了承いただければ幸いです。

199Aですか!
当時、クリップオンタイプの最強モデルですね。
連写にも対応していましたね。
実は私も持っていますが、捨て値で売られていたのを救出した感じであります。
ところで、ホントは一番最初にカキコすべきだったのですが、奥さんの具合いはどうですか?
私も数年前に骨折して、ボルトが3本入ったままです。
幸いにも一年で杖の要らない生活に戻れましたが、奥さんは車椅子生活なんですよね…
早くよくなることを願っています。

にわか者様

コメントありがとうございます。

妻の件までお気にかけていただいて恐縮です。確かに足にボルトが今も入ってますが、日常生活に支障はなく、普通に過ごしています。ただ、長時間の歩行は困難な為外出時は車椅子になってしまいますが、当然ながら秘境駅訪問などは確実に無理ですね。

ところで199Aですが、実はやや苦い思い出があります。
ブログで紹介している東北の旅において、私の記憶だと恐らく仲間から199Aを借りての出陣だったのですが、旅の途中でジョイント部分に亀裂が入ってしまいました。もちろん使用できましたが、首の皮一枚繋がっている状態での旅はやや心苦しかったです。

帰郷後に借主のクラスメイトに事情を説明し返却しましたが、しばらくして私が新たに199Aを購入したので後日にその新品の199Aと「交換する」という形で弁償した形になりました。つまり私の所有しているのはそのクラスメイトのものです。
もちろん即座に修理に出し現在に至ってますが、もし現在になって修理を依頼していたら恐らく正規のルートでは部品が無いと断れれた事でしょう。当時、無理してでも修理にだして良かったと思います。

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ダイヤモンド✡トナカイ

Author:ダイヤモンド✡トナカイ
✩2022年4月より毎週土曜日更新になります✩


昭和・国鉄の話題を中心に紹介しています。


2013年に長野新幹線の長野駅にて「いい旅チャレンジ20000km」よりスタートした国鉄時代の制覇を含めJR全線制覇を、そしてゆいレール以外の鉄道全線制覇を達成いたしました。


以降、北陸新幹線と北海道新幹線などの開業によりタイトルは返上しています。

JR以外の私鉄を含む鉄道未制覇路線は北陸新幹線(長野~金沢)・北海道新幹線・仙台地下鉄東西線・仙石東北ライン・富山地方鉄道延伸部分・ゆいレール・相鉄直通線(相鉄新横浜線)、そして新規開業の西九州新幹線や宇都宮に開業したライトレールも新たに加わりますます未制覇路線が増えてしまいました・・・

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