国境の長いトンネルを抜けると、そこは「ぐんまちゃん」だった。上越編⑥ 湯檜曽
2023-09-23

国境越え3駅の中で最も文明を感じることができるのは湯檜曽であろう。駅前には郵便局があり、更に車で5~6分くらい下れば道の駅もある。
今回私が訪問したタイミングによるものであろうか、やはり定期的な利用者ではない乗客がほぼシェアしていると思われかなりのギャラリーを感じることができた。



モダンな駅舎に生まれ変わった湯檜曽。かつてのログハウス風の駅舎のイメージは全く無いが、基礎部分にその雰囲気を感じることができる。すぐ隣には郵便局があり、駐車場を共用しているイメージであった。
近年に駅舎を建て替えたばかりでかつての国鉄式駅舎のイメージは全く無いが、ひとたびホームへ出るとそのイメージは全く異なるものとなる。この駅も土合と同様に上りホームと下りホームが分かれており下りホームはトンネル内にあるが、駅舎からホームまでは460段以上の階段は無く、短い通路を伝ってすぐにホームに到着する。そして何と、駅舎に入った途端、一気に冷風が舞い込み汗だくの私を大きく包んでくれたのだ。恐らく25~26℃くらいと思われ、外部の気温と比べるとかなり涼しい。つまりトンネル内からの冷たい冷気が天然の冷房となり、猛暑の中の訪問客を心地よくしてくれているのだ。トンネル内は恐らく冬季も外気より気温が暖かいと思われ、天然の空調による経済効果は絶大であろう。これは経営者側も大きな経費節約になると思われ、それこそ「トンネル効果」であろう。



駅舎内は以外にシンプルであるが、清潔感もあり新しさをとても感じる。この駅舎内に入ったとたん、とても冷たい空気が流れてきた。つまり下りホーム側から天然の冷風が舞い込んできて一気に猛暑の苦しみから逃れる事ができたのだ。
ところで先程「文明を感じる」と述べたが、旅客輸送のみで鉄道会社が潤うであろうほどの文明を感じる事は比較的難しい。やはり中心は登山者や私のような「専門家」が利用者数をシェアしていると思われるが、首都圏から近いこともありその数は少なくないイメージであった。私の訪問時にも、下りホームには少なくとも10人以上が列車を待っていたし、駅前にも登山者が絶え間なく歩いていたイメージであった。つまりこうした事情によりこの地に駅が設置されているのだなと改めて感じることができた。それはちゃんと意味を持っているんだよ、との無言のアンサーだったのかも知れない。増して18きっぷのシーズンでもあったため、それ以外の利用者も不特定多数いたことになる。もちろん、その中に私の「一名」が含まれているが…



地上ホームは築堤というか一段高い場所にある。一面一線ではあるが、架線柱をご覧いただくともう一本レールがあるイメージだ。ちょっと古い資料で調べてみたら、上下線の渡り線的な役割をする線路があったらしい。ただ、30年以上前には既に役割を終えていたらしいので、いまだその遺構が感じる事が出来るのは嬉しい材料である。
さて、地上ホームであるが、一面一線のシンプル構造であり築堤上にある。ウィキによるとこの湯檜曽は移転後の新しい駅であり、かつての湯檜曽は北湯檜曽信号場として閉塞的な役割として使用されていたらしい。恐らく列車本数に応じて列車の待避など行われていた可能性もあるが、新幹線開通後の1984年に廃止されたらしく、ほとんど使用されていなかったと思われる。ただ、現在も遺構などが若干残っていると聞いているので是非とも訪れてみたかったが、恐らく一般の進入は禁止であろうと思われ、大掛かりな許可をいただくが、保線員としてJR東日本に就職する以外にこの地の訪問は難しいと思われる。
特にSL時代には相当の苦労があったと思われる水上~越後湯沢間であるが、新清水トンネルの開通や大清水トンネル開通による新幹線の恩恵を受け、国境越えが非常にスムーズになった。もちろん、関越トンネルによる高速道路の存在も忘れてはならないが、いずれにせよ、いくつもの難題を乗り越えて現在に継承してくれている先輩方の英知と勇気、そして決断に感謝したい。

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続きを読むをクリックすると下りホームの様子がご覧になれます。


駅舎から下りホームへは土合のような長い階段が無いためアッという間に到着できる。トンネル内にあるホームへ向かうにもトンネルを通るが、途中なんとなく第六感的な何かを感じたのでシャッターを切っておいた。




「ホーム柵」はJR的な車両編成分しか対応されていないが、その気になれば長い編成の列車も到着可能だ。とにかく下りホームは涼しい!

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コメント
にわか者様
コメントありがとうございます。
すみません、コメントいただいた件、撮影した本人は全く気付いてなかったです。確かに、上りホームからは遥か彼方の山肌に架線柱が張り付いてましたね。
実に上越線の奥深さに改めて関心させられましたが、同時に鉄道の奥深さも再発見しました。勾配に弱い鉄道ならではの光景ですが、新幹線は更にそんな常識を覆したわけですから、やはり先輩方の鉄道技術は素晴らしかったのですね。
すみません、コメントいただいた件、撮影した本人は全く気付いてなかったです。確かに、上りホームからは遥か彼方の山肌に架線柱が張り付いてましたね。
実に上越線の奥深さに改めて関心させられましたが、同時に鉄道の奥深さも再発見しました。勾配に弱い鉄道ならではの光景ですが、新幹線は更にそんな常識を覆したわけですから、やはり先輩方の鉄道技術は素晴らしかったのですね。
ループ線に目が行ってしまったのは、おそらく私が撮りテツ目線だからと思います(^_^;)
地上ホームはインスタ映えしない?ので、ギャラリーも少ないかと???
地上ホームはインスタ映えしない?ので、ギャラリーも少ないかと???
にわか者様
コメントありがとうございます。
やはり「撮り目線」の方は視野が広いですよね。ただ、トンネル内の下りホームですが、実はギャラリー多数でしたよ。写真にはさほど写ってなかったのですが、鉄道というよりは一般の登山客風の利用者がほとんどシェアしてました。トンネル内のホームですから、特に若い利用者などは「映え」的な行動もしていました。
雰囲気的には何となく湯西川温泉に似てなくもないですが、湯西川温泉はトンネルを出たらすぐに鉄橋ですから、実に恐怖を感じますね。その辺の心霊動画を視るよりも迫力あるかも知れませんね。
やはり「撮り目線」の方は視野が広いですよね。ただ、トンネル内の下りホームですが、実はギャラリー多数でしたよ。写真にはさほど写ってなかったのですが、鉄道というよりは一般の登山客風の利用者がほとんどシェアしてました。トンネル内のホームですから、特に若い利用者などは「映え」的な行動もしていました。
雰囲気的には何となく湯西川温泉に似てなくもないですが、湯西川温泉はトンネルを出たらすぐに鉄橋ですから、実に恐怖を感じますね。その辺の心霊動画を視るよりも迫力あるかも知れませんね。
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木々の成長で見えなくなったか?とも思いましたが、貴殿の画像からも確認できて安心しました。