GET WILD!!
2013-06-07

こんな駅を知っているであろうか?駅名だけでどこにあるか、何線の所属かお判りならあなたは相当の「GET WILD」であろう。なぜこの駅が今ここに紹介されているのであろうか。その理由は「無い」。鉄道雑誌や秘境駅シリーズで紹介された訳でもない、もちろんTVなどで放映された記憶もない。
この何の変哲もない駅に私は降り立った。

2007年9月、この時の計画の中での未乗車線区の大糸線を訪問するために私は「ムーンライト信州」を八王子から乗車し夜の信濃路をまっしぐらに突き進む。久々の189系(だと思ったが、もしかして183系かも)に乗車したためなかなか寝れない。というより、かつては115系近郊型車両で運転されていた「中央夜行」に比べたら格段の進歩である。プラス165系の夜行急行「アルプス」と比べても同じである。しかも中央夜行の場合、時間調整の為確か日野春辺りで50分位停車していたのを記憶しているため、小淵沢までが非常に(時間的に)長く感じた。

現在は臨時ながら「ムーンライト」が信濃路(甲斐路?)を行くが、主要駅のみの停車で、かつての「アルプス」よりも「急行らしい」快速列車だ。
松本よりも信濃大町での下車がかなりあったのは、アルペンルートへの玄関口でもあるからであろう。中央夜行の特徴である登山者の足としても利用されているのは昔ながらであろうか。
そんなこんなで白馬には約5時半に到着。大糸線の北への接続は約1時間半くらいの待ち合わせであったため、隣の駅まで行く計画を事前に立てていた。

恐らくこの駅を目的にやってくる観光客や鉄道愛好家はほぼ皆無に近いであろう。ごく一部の「全駅制覇者」等の他に地元の人を除けばこれといった観光要素もないため訪問の理由が無いからだ。
しかしなぜこの駅に行こうと思ったか。先ほど私は「理由は無い」と言ったが、実は私が鉄道から離れている時期にこちらにスキーに来たことが何度かあった。その時に国道の陸橋をわたる際に下に見下ろす駅を発見。もちろん鉄道ファン休止中であってもどんな駅で何駅であったかは承知していた。それをあえて乗り換えの合間を見計らって訪問するとは、よほどのお気に入りの駅と思われるであろう。しかし特にそのようなことは無かったが、何か秘境駅にでも訪問するような気持ちになっていた。

実際にホームに降りてみると普通に「駅」であるが、棒線化されていて列車交換はできない、何気ない駅であった。白馬に近いためか、宿泊施設が付近に存在しているらしいので次回訪問時には利用してみてもいいかもしれない。プレハブっぽい小さな待合室は、冬季などに雪を防御するためには、おそらく二桁ほどであろう乗降客にとってもなくてはならない存在であろう。自転車が留置されている事から、付近の学生諸君がほぼ95%くらいの利用者と思われるが、スキー場のメッカの中にある「陸の孤島」とでも言おうか、この場所だけが生活の匂いを醸し出している感がある。

約30分の滞在であったが、日本で有数の「地味な」駅訪問を体験。大糸線の中での存在感を改めて確認し、次へのステップを進める。車内では早速カレチが乗車券拝見。恐らくこの駅から「鉄道の日記念切符」を使用し乗車してきたのは史上初であろうかと思われる、かもしれない。アルプスの山々を見上げると、季節外れのゴンドラが山肌に張り付き、バブル絶頂期に訪れた私の青春時代の思い出や面影が、形を変えて甦って来る。このころ産声を上げた世代は現在社会人の仲間入りを果たし初々しい姿で明るい未来を築こうとしているとは・・・

何気ない普通の駅でも、何気ない日常がある。そんな体験を訪問先でしてみると違った「日常」があるような気がする。そう、今の私たちにはこの「何気ない」事が無くてはならない存在であり、無ければならない。そんな大事な事を無言で教えてくれた、素晴らしい「何気ない」駅であった。


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コメント
何気ない駅にもその駅なりの「ドラマ」があるんですよね。そこに降り立ってみないとわからないドラマが。何か、とっても、わかります。これからは近場でも、ちゃんと「乗って」降りないといけませんね(苦笑)。
あいあんさいど様
コメントありがとうございます。
何気ない駅でもちゃんと歴史があり「営み」があることを再発見いたしました。車で行くスキーの道中で見た駅を「列車」で訪問するのも、というより正当な訪問の仕方だからこそ、普段の姿を確認できました。しかし実にマイナーな駅ですよね。
何気ない駅でもちゃんと歴史があり「営み」があることを再発見いたしました。車で行くスキーの道中で見た駅を「列車」で訪問するのも、というより正当な訪問の仕方だからこそ、普段の姿を確認できました。しかし実にマイナーな駅ですよね。
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