伊豆急行各駅巡り⑮ 伊豆急下田
2014-03-07

伊豆急行の終点であり、最も南に位置する駅員配置駅である。松崎や石廊崎への玄関口でもあり、夏になると付近の白浜海水浴場への海水浴客の姿も多くみられる。ホームは開業当時から櫛式の頭端式ホーム2面3線で、他に留置線が3本ある。下田自身としても観光地として有名で、駅前には下田ロープウェイ乗場があり、寝姿山まで通じている。また歴史的にも「黒船」と言えばもう説明もないくらい有名であり、列車も「リゾート21」では黒船バージョンもある。基本的に伊豆急は山の中を走り築堤上に駅がある場合が多いが、この下田に着くころには完全に平坦な土地に姿を現し市街地が開けてくる。そして伊豆急では珍しいと思われる踏切も数回通り下田駅に入線する。伊豆急の駅名は「伊豆稲取」「伊豆熱川」のように「伊豆〇〇」という駅名が多いが、ここ下田のみ「伊豆急」と冠している。恐らく列車の方向幕などで自社の名前をアピールする作戦と思われ、あえて「伊豆急」としたのであろう。
以前にも紹介した「急行・伊豆」の記事でも触れたように、私は下田に親戚がいるため散々この地に訪れている。もちろん伊豆急でも。幼少当時は155系や159系の「修学旅行カラー」が留置線に停泊していたものである。現在は「スーパービュー」や「NEX」など、派手な車両も多く見かけるようになったが、1980年頃に比べて乗降客数が半減した。モータリゼーションや少子高齢化など、典型的な問題をこの伊豆急も例外なく抱えている事と思われるが、観光の拠点としてまだまだ活躍している。そのことを証明するかのように駅構内は数々のお土産屋さんなどで犇めき合い、週末などは特に観光客の姿が目立つ。定かでは無いが、1990年頃に駅舎が若干改装されたと思われ、出口と入口が分かれ、ますます観光色を増した感だ。
2013年に久々に訪問したが、まだまだ「伊豆の顔」として頑張っているし頑張ってほしいものだ。


伊豆急下田のホーム。頭端式ホームには185系「踊り子」が待ち構えている。8000系とのツーショットは私にとってみればいつになく新鮮。



若干夕暮れ時になってしまったが、なんだか南国を思わせるムードだ。



駅前にはお土産屋さんなどが多く点在。駅前には道路を渡るとロープウェイ乗場がある。

「開国の湯」なる足湯が駅前に出現。下田温泉へはバスまたはタクシーで数分で到着する。

頭端式ホームの先には「出口専用」となった改札口がある。いかにも「下田」らしいムードだ。


解放感のある待合室の先には「入口専用」の改札がある。待合室にはご覧の居酒屋もあり、観光客のみならず地元の方も利用している事であろう。

そして全駅訪問し、帰路に着く列車は「湘南メッシュ」。私が「踊り子」として今回初めて乗った185系だ。もちろん「ライナー」や「普通列車」等では散々乗っているが、やはり昭和の車両らしく115系に似たモーター音が懐かしい。
こうして私は日帰りながら伊豆急全駅を訪問してみた。今までに無かった「発見」が多く、かなり充実した内容となった。伊豆に行くと言う事は、普通の人ならば「観光」なのであるが、私の場合、今回は観光とはかなりかけ離れているこの旅は、一般的には特異に映ることであろう。しかし私は充分に観光したという「自負」がある、などと胸を張って言う事ではないが、なかなか観光させてもらった。
私は「観光」と軽々しくいってしまったが、かつては東急系と西武系が繰り広げた「箱根山戦争」や「伊豆戦争」等を考えると、この伊豆急行の現在のルートは苦難の末に生まれた結果だ。激しく火花を散らした両雄による「合戦」は現在でもその名残を見せるとともに語り草となっている。「名勝負数え歌」とは全く違う勝負の末に今日の箱根や伊豆の「姿」があると思うとなんだか不思議な気持ちでならない。しかし、その勝負を仲裁するかのように、温かく見守る「国鉄」は両雄に「乗り入れ」ている。JRになってからもそれは現在も続いている。修善寺にも下田にも顔出す「踊り子」は今も昔も変わらない。
かつての「伊豆」は「踊り子」に変身し「あまぎ越え」をするかのように、私の中の「下田」はいつ来ても「懐かしさ」が甦ってくる。「伊豆急」と聞くと私は必ず親戚を思い浮かべ、かつての国鉄時代に急行「伊豆」で下田までひとりでやって来た事を思い出す。それは昨日の事のように・・・

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コメント
伊豆への旅
すんや様
コメントありがとうございます。
三島ですか、良いですね。伊豆箱根鉄道もなかなかの味があり「噛めば噛むほど」魅力があります。
そして伊豆急の場合記事でも紹介してますが、私は下田に親戚がいるため散々下田には訪問しており「観光」の感覚がありません。そして私がひとりでこの下田に鉄道で訪れたのは1977年7月でした。もちろん親戚宅への訪問でしたが、当時の急行「伊豆」に乗り下田まで行きました。その模様は私のブログでも紹介してますが、今となっては貴重な体験となってしまいました。
鉄道とは切り離して見ても、例えば車で行った場合、伊東からが長いですよね。なかなか下田まで辿り着かない、何とも言えぬ距離感がありますね。しかしながら私のような神奈川県民とかは免許を取得すると必ず「伊豆・箱根」に腕試しですかね。
まだまだ伊豆急も捨てたもんではありません。ぜひお時間を取られて「鉄道」での訪問も体験なされる事をお勧めいたしますよ。
三島ですか、良いですね。伊豆箱根鉄道もなかなかの味があり「噛めば噛むほど」魅力があります。
そして伊豆急の場合記事でも紹介してますが、私は下田に親戚がいるため散々下田には訪問しており「観光」の感覚がありません。そして私がひとりでこの下田に鉄道で訪れたのは1977年7月でした。もちろん親戚宅への訪問でしたが、当時の急行「伊豆」に乗り下田まで行きました。その模様は私のブログでも紹介してますが、今となっては貴重な体験となってしまいました。
鉄道とは切り離して見ても、例えば車で行った場合、伊東からが長いですよね。なかなか下田まで辿り着かない、何とも言えぬ距離感がありますね。しかしながら私のような神奈川県民とかは免許を取得すると必ず「伊豆・箱根」に腕試しですかね。
まだまだ伊豆急も捨てたもんではありません。ぜひお時間を取られて「鉄道」での訪問も体験なされる事をお勧めいたしますよ。
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伊豆半島といえば、私はバイクか車でしか訪問した事が無く、伊豆急での訪問は未だ達成されていません。
伊豆半島というのは交通の便が良いとは言えず車でもなかなか骨の折れる思いをしたものですが、こういった記事を拝見させて頂くと鉄道によるゆったり旅もいいなぁと改めて感じさせられます。
時間の制約が無いのでどうしても車やバイクでの訪問になりがちですが、いずれ都合をつけて鉄道での旅もしてみたいと思いました。
以前三島大社に訪れた時に見た三島駅からの伊豆箱根鉄道もなかなか魅力的に感じています。