単線並列を楽しむ!①(羽前千歳)
2014-01-19

(かつては構内踏切を伝って駅舎があった羽前千歳駅。現在はご覧の通りの姿に。)
単線並列と言うとすぐさま佐古~徳島を思い出す私は古い人間か・・・現在では山形~羽前千歳と秋田~大曲が含まれる。そう「新幹線」が含まれるからだ。時刻表の地図を見ると山形から羽前千歳間は北山形で左沢線を、羽前千歳では仙山線を分岐するが、山形新幹線を軸に上下に在来線を放出するという事は必ずどこかで「交点」があるはずだ。と考えると、必然と「羽前千歳」が浮かんでくる。そう考えると居ても立ってもいられなくなってしまい去年の秋頃から「現場」に行って確認したくなっている自分がいた。

(羽前千歳駅のホーム。狭軌複線時代の時とは「基本的に」変わってないであろう。ここより秋田側は単線となる。)
「此処で会ったが100年目」ではないが、思い立ったら即行動。2014年1月、私は東北方面の旅を決意した。しかし、考えてみたらこの「東北」と言う地の、特に秋田や山形に訪問するのは実に31年振り。このブログで散々紹介してきた1983東北乗り潰し以来の旅となる。言いかえれば「再確認の旅」とでも言おうか、前回訪問との比較の旅となるであろう。そんな思いを胸に抱き、いざ上野より「あけぼの」で旅立った。

(山形は内陸であるが雪はそれほどでもなかった。しかし新庄からここに来るまではかなりの積雪があった。)
山形~羽前千歳を訪れるのは今回企画した旅の最終日であった。先ほど「時刻表の地図」と言う話をしたが、在来線が上下に分かれるという事は在来線と新幹線の位置が入れ替わる「場所」が必ずあると言う事。それは羽前千歳にあると思い、事前にウィキペディアで確認してみた。すると意外にも単純に処理されている事が判明した。狭軌複線時代とほぼ変わらずの面影を残した、いわゆる「平面交差」によって入れ替わりを処理していたのだ。私はどこかで立体交差するのかと思っていたが、それだとやはり「経費」の問題が絡んでくるであろう、と言うのが普通の考え方だ。

(島式ホーム1本の構造で1番線が奥羽本線、2番線が仙山線で使用。かつてはおそらく上下で使い分けていたろうが、現在は路線別で使い分け。)
奥羽本線の羽前中山~山形~羽前千歳は複線区間であったが、新幹線が新庄まで延長開業された時に山形~羽前千歳は単線並列化された。狭軌と標準軌が仲良く平行する姿はおそらく奥羽本線だけであろう。だが平行する中でふたつの線路を管理するのは相当の労力が必要と思う。我々はただ乗っているだけでいいのだが・・・

(これが狭軌と標準軌との「交点」。見事なクロスで巧みに処理しているのが分かる。)
さて肝心の交点であるが、ご覧の通り羽前千歳の山形寄りでのクロスが「象徴」している。そう、ここで在来線と新幹線の位置が入れ替わるのだ。そして入れ替わったふたつの路線は羽前千歳を出ると仙山線が右手に大きくカーブを描いていく。羽前千歳と言うと、傍から見ても「生活」のイメージが強い駅であるが、こうしてわざわざ訪問する私みたいな人間は「特殊」であろうか?地方にある何気ない「生活」の駅も、こうしてみてみると非常に眩しい・・・

(仙山線が入線する羽前千歳駅。女性車掌は乗務員室に2名乗車しており、おそらくひとりは研修中であったのだろう。)
羽前千歳を後にした私は北山形に向かう。羽前千歳~山形間は仙山線と左沢線が合流してくるため列車本数が多い。それらを駆使すれば意外に待ち時間無くこの区間の駅を訪問できるのだ。特に北山形~山形は左沢線が加わり列車本数に厚みが出てくる。そのため北山形は新庄まで新幹線が延長された時にホームが1本増設された。この山形付近は新幹線が「革命」を起こしてくれたようだ。
1月の冬の空は東北の人たちにとっては「いつもの風景」であろう。しかし私のような関東人にしてみたら「非日常の風景」に映る。東京方面は1センチくらいの雪が積もる程度で「大事件」になってしまうが、東北方面は東京よりは何十倍もの積雪を記録しているにも関わらず列車を定刻に動かしているJR東日本のスタッフ達は素晴らしいと思う。そんな列車に乗りながら旅ができる「素晴らしさ」を再確認させてくれた今回の旅であった。

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