かけめぐる「青春」② 塩尻駅(前編)
2014-03-27
1982年、塩尻駅が大きく変貌した。塩尻と言えば現在も中央東線と中央西線の境界駅として活躍しているが、1982年以前は中央西線が特急列車を走らせる際に、この塩尻駅がひとつのネックとなっていた。と言うのも、この塩尻駅では中央東線と篠ノ井線はスムーズに乗り入れできるのであるが、中央西線と篠ノ井線では塩尻で進行方向を変える・・・つまり方向転換しなければ直通列車を運転できなかったのだ。そして中央線どうしでは当然直通の設計となっていたが実際問題、中央本線を直通する列車は私の知る限りでは全く無かった。そして中央西線対篠ノ井線をスイッチバックで直通する塩尻の構内配線には限界があったろう。つまり実態に合わなくなってきた塩尻を思い切って現在の「スタイル」に変更してしまおうと、国鉄は思い切った行動に出た。

(旧・塩尻駅の構内配線図は「懐かしい駅の風景~線路配線図とともに」よりご提供いただいた。左からくる中央東線と右上の中央西線、右下の篠ノ井線は完全に直通できる配線だが、中央西線と篠ノ井線は完全にスイッチバックしなければならない構造となっていた。)
「人」の文字で例えて言うと、1982年までは「人」の文字を右側に寝かせた構造になっていた。その文字を正常の「人」の文字として活躍させるため「起こす」事で実用に合う形にした。
今回はリンクさせていただいている「懐かしい駅の風景~線路配線図とともに」の管理人様に全面協力をいただいた。数多くのお写真と配線図を提供していただき私の記事に厚みが出た感である。この場を借りてお礼いたしますと共に、ご協力心より感謝いたします。

(そして1982年に新しくなった現在の塩尻駅の配線図。2014年現在、若干の変更はあると思われるが4番線を介して中央線どうしの直通ができるようになった。塩尻駅を寄らない場合は旧線を利用したと思われる短絡線を使えばスイッチバックの必要が無い。この配線図も「懐かしい駅の風景~線路配線図とともに」よりご提供いただいた。)
大きく変わった塩尻駅の配線は、その大きさから駅の移転を余儀なくされ、現在の駅は数百メートルの移動と共に完全にシンプルかつ機能的な配線に変わった。現在は先述通り中央線全線を直通する列車設定は無いが、塩尻駅を介さなければ直通する線路は残された。そして万が一旅客を扱う場合は4番線を介して直通する方式になった。その場合、もちろんスイッチバックの形になる。メインは1・2番線が中央東線、5・6が中央西線が使用し乗換時もわかりやすくなった。ただ塩尻駅から松本方面に向かう場合、2番線か6番線かを確認する必要性が発生し若干手間がかかるが、全体通してこの壮大な改造計画は成功と言えるであろう。

(画像は「懐かしい駅の風景~線路配線図とともに」より、旧・塩尻駅構内の様子。懐かしい昭和の風景がしっかりと写し出されている。旧駅は島式ホーム2面4線で列車を処理していた。)
翌年には塩嶺トンネルも開通し増々パワーアップした中央東線は、旧・塩尻駅の構内で新線と旧線、そして中央西線からの短絡線が合流する。旧・塩尻駅は現在電留線の他貨物駅として使用されているが、貨物列車が減少した現在、ほとんど貨物は無いに等しいと考えた方がよさそうだ。また、旧駅の一部跡地にはソーラーパネルが張り巡らされており、新しい跡地利用の活用が見られる。
旧・駅舎があったと思われる場所にはスパ施設になっており、市民の憩いの場に活用されているようだ。その旧「駅前」は、確かに今も「駅前」の雰囲気が残っていて、現在の駅前よりも繁栄の印象がある。私は2014年3月の訪問当日は駅前より「レンタサイクル」を借用し旧駅前を訪問しているが、やはり徒歩であると若干距離が地味ながら感じるかも知れないので、もし訪問される場合は駅前の観光案内所にあるレンタサイクルをお勧めする。
と、こんな感じでレポート気味になってしまったが、次章では現在の塩尻駅を紹介しよう。

(こちらの画像も「懐かしい駅の風景~線路配線図とともに」より、1978年頃の塩尻駅構内。側線に停泊する車掌室に象徴されるように、まだまだ貨物列車が活躍していた時代でもあった。)

FC2 Blog Ranking

にほんブログ村

にほんブログ村

(旧・塩尻駅の構内配線図は「懐かしい駅の風景~線路配線図とともに」よりご提供いただいた。左からくる中央東線と右上の中央西線、右下の篠ノ井線は完全に直通できる配線だが、中央西線と篠ノ井線は完全にスイッチバックしなければならない構造となっていた。)
「人」の文字で例えて言うと、1982年までは「人」の文字を右側に寝かせた構造になっていた。その文字を正常の「人」の文字として活躍させるため「起こす」事で実用に合う形にした。
今回はリンクさせていただいている「懐かしい駅の風景~線路配線図とともに」の管理人様に全面協力をいただいた。数多くのお写真と配線図を提供していただき私の記事に厚みが出た感である。この場を借りてお礼いたしますと共に、ご協力心より感謝いたします。

(そして1982年に新しくなった現在の塩尻駅の配線図。2014年現在、若干の変更はあると思われるが4番線を介して中央線どうしの直通ができるようになった。塩尻駅を寄らない場合は旧線を利用したと思われる短絡線を使えばスイッチバックの必要が無い。この配線図も「懐かしい駅の風景~線路配線図とともに」よりご提供いただいた。)
大きく変わった塩尻駅の配線は、その大きさから駅の移転を余儀なくされ、現在の駅は数百メートルの移動と共に完全にシンプルかつ機能的な配線に変わった。現在は先述通り中央線全線を直通する列車設定は無いが、塩尻駅を介さなければ直通する線路は残された。そして万が一旅客を扱う場合は4番線を介して直通する方式になった。その場合、もちろんスイッチバックの形になる。メインは1・2番線が中央東線、5・6が中央西線が使用し乗換時もわかりやすくなった。ただ塩尻駅から松本方面に向かう場合、2番線か6番線かを確認する必要性が発生し若干手間がかかるが、全体通してこの壮大な改造計画は成功と言えるであろう。

(画像は「懐かしい駅の風景~線路配線図とともに」より、旧・塩尻駅構内の様子。懐かしい昭和の風景がしっかりと写し出されている。旧駅は島式ホーム2面4線で列車を処理していた。)
翌年には塩嶺トンネルも開通し増々パワーアップした中央東線は、旧・塩尻駅の構内で新線と旧線、そして中央西線からの短絡線が合流する。旧・塩尻駅は現在電留線の他貨物駅として使用されているが、貨物列車が減少した現在、ほとんど貨物は無いに等しいと考えた方がよさそうだ。また、旧駅の一部跡地にはソーラーパネルが張り巡らされており、新しい跡地利用の活用が見られる。
旧・駅舎があったと思われる場所にはスパ施設になっており、市民の憩いの場に活用されているようだ。その旧「駅前」は、確かに今も「駅前」の雰囲気が残っていて、現在の駅前よりも繁栄の印象がある。私は2014年3月の訪問当日は駅前より「レンタサイクル」を借用し旧駅前を訪問しているが、やはり徒歩であると若干距離が地味ながら感じるかも知れないので、もし訪問される場合は駅前の観光案内所にあるレンタサイクルをお勧めする。
と、こんな感じでレポート気味になってしまったが、次章では現在の塩尻駅を紹介しよう。

(こちらの画像も「懐かしい駅の風景~線路配線図とともに」より、1978年頃の塩尻駅構内。側線に停泊する車掌室に象徴されるように、まだまだ貨物列車が活躍していた時代でもあった。)

FC2 Blog Ranking

にほんブログ村

にほんブログ村
スポンサーサイト
コメント
No title
リラ様
コメントありがとうございます!
祖母様が指宿に行かれたのですか!なかなか素敵ですね。指宿は古くからの温泉街で、雰囲気的には関西でいう「有馬」、関東では「熱海」のような雰囲気でしょうか。
「砂風呂」でも有名ですが、私も例に漏れずに体験しました。祖母様も恐らく体験された事でしょう。機会があれば是非リラ様も訪問なさっては?街並みも「昭和」の部分を感じるかも知れませんよ。
祖母様が指宿に行かれたのですか!なかなか素敵ですね。指宿は古くからの温泉街で、雰囲気的には関西でいう「有馬」、関東では「熱海」のような雰囲気でしょうか。
「砂風呂」でも有名ですが、私も例に漏れずに体験しました。祖母様も恐らく体験された事でしょう。機会があれば是非リラ様も訪問なさっては?街並みも「昭和」の部分を感じるかも知れませんよ。
No title
懐かしい。。。この写真を撮られた当時、
夜行急行の列車に乗って 白馬方面にスキーに行った覚えがあります。
その時には 塩尻で停車時間があるので
釜めしを買って食べる習慣があったような。。。
家に帰ると(持って帰らなくてもいいのに。。) 陶器の釜が
ゴロゴロ 裏庭に置いてあった記憶があります(笑)
その時は 何も考えずに 親に連れられて 列車の旅でしたが、
こんな 駅の構造になってたんですね。。。
だから 塩尻で停車時間があったのか。。と 納得しました。
私は 釜めしの思い出だけです(笑)
夜行急行の列車に乗って 白馬方面にスキーに行った覚えがあります。
その時には 塩尻で停車時間があるので
釜めしを買って食べる習慣があったような。。。
家に帰ると(持って帰らなくてもいいのに。。) 陶器の釜が
ゴロゴロ 裏庭に置いてあった記憶があります(笑)
その時は 何も考えずに 親に連れられて 列車の旅でしたが、
こんな 駅の構造になってたんですね。。。
だから 塩尻で停車時間があったのか。。と 納得しました。
私は 釜めしの思い出だけです(笑)
めるねぇ様
コメントありがとうございます!
「釜めし」とは、素敵な思い出ですね。「塩尻で停車時間」とは・・・めるねぇ様らしいコメントですね。そう、めるねぇ様は「西線」の利用ですからね。
私の場合、実は旧・塩尻駅時代は訪問経験ありません・・・・最初の訪問は現在の形になって直後の1982年です。真新しい新・塩尻駅には興味津々でしたが、乗っていた列車がわずか5分の停車時間であったためろくに散策できませんでした。今になってじっくり訪問する時間を作りましたが、旧駅を経験しているめるねぇ様は羨ましい限りです。
夜行急行列車と言うと「ちくま」でしょうか?もしそれに乗っての旅でしたら尚更素晴らしいですね。
「釜めし」とは、素敵な思い出ですね。「塩尻で停車時間」とは・・・めるねぇ様らしいコメントですね。そう、めるねぇ様は「西線」の利用ですからね。
私の場合、実は旧・塩尻駅時代は訪問経験ありません・・・・最初の訪問は現在の形になって直後の1982年です。真新しい新・塩尻駅には興味津々でしたが、乗っていた列車がわずか5分の停車時間であったためろくに散策できませんでした。今になってじっくり訪問する時間を作りましたが、旧駅を経験しているめるねぇ様は羨ましい限りです。
夜行急行列車と言うと「ちくま」でしょうか?もしそれに乗っての旅でしたら尚更素晴らしいですね。
コメントの投稿
トラックバック
この記事へのトラックバックURL
http://4190koawazay.blog.fc2.com/tb.php/383-54c06e8d
昭和の駅の風景ですね。
行った事がないのに懐かしい感じがします。(^^)
下にあった、指宿の駅も、祖母が観光旅行で行き、お土産をもらった事を思い出したりしました。
昭和の駅、いいですね〜。(^^)