王者の魂(前編)

若く新しいレールファンは美祢線の存在をどうとらえているのであろうか?時刻表の地図上では「幹線」に分類されているのが不思議で仕方ないであろう。もちろん、その件に関しては自身で調査し解決済であろう。しかしあくまで歴史上の出来事であって、自身の生まれていたリアルタイムでの経験が無いか薄いと思われるので「伝説」の感覚であろう。私も、例えば「源頼朝が鎌倉幕府を築いた」と言われても実際にリアルタイムで自身が存在していたわけではないので全く持って実感が無い。そのことが果たして本当なのか、文部省が作り上げた「フィクション」であるのかはわからない。であるが義務教育で頭に叩き込まれた以上「信じる」しかない。とはオーバーであるが、しかしながら美祢線の過去については私がリアルタイムで体験しているので保障する。「フィクション」ではなく、本当にモノホンである。しかしながらあの長閑な風景・・・とても幹線とは思えぬ「ローカル」らしいムードたっぷりな雰囲気は旅情を誘う。

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(画像はウィキペディアより。U興産専用道路の風景。現在はトラックが「ピストン輸送」している。)

「U興産」と言う言葉にやたら反応するのは私と同世代か先輩であろう。かつては美祢線の美祢駅から宇部線の宇部港(貨物駅)まで石灰石を昼夜問わずピストン輸送していた。この石灰石輸送が主たる「お客様」で、いわば人間は全く持って頭数に入っていたかった。しかし社会情勢も変わり、U興産は当時、国鉄に貨物の輸送料金を半額にしてくれと要求してきた。しかし国鉄側の答えは「ノー」であった。また、以前から国鉄のストライキや運賃値上げなどで物資輸送の安定性が無く、U興産では自社の自動車専用道路を開通させ、そちらに貨物輸送をシフトしていった。つまり国鉄を使わなくても大丈夫な基盤を自ら作り上げたのだ。
やがて美祢線の最大の「お客様」もフェイドアウトしていき、主たるお客様が「人間」になった時に典型的なローカル風情を醸し出す事になってしまった・・・

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(長門湯本駅。片側のレールが剥がされ痛々しいが、何を隠そう「温泉」の最寄駅でもある。)

私は2012年に初訪している。「初訪」とはやや最近の出来事であるが、それまで訪問できなかった事が不思議なくらい最近の出来事であった。2010年頃に初訪を予定していたが、水害で不通になってしまい旅立つ3日くらい前に予定を変更。当時西日本では美祢線のみ制覇できず「孤島」と化していた。やがて不通区間も開通し、いよいよ制覇の時が訪れたのが2012年であった。
この時の旅は若干日程に余裕があったため観光色を前面に出した旅でもあった。秋芳洞で人並みの観光をした後、この旅のメインとなる美祢線を制覇するべく路線バスで長門市に着いた。最近はこの「路線バス」と言う言葉にやたら反応してしまう。と言うのも、某テレビ局で今や完全にシリーズ化された「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」が若干マイブームとなっており、いささか太川氏になった気分でもあった(決して蛭子ではない!)。
太川氏達のように行き当たりバッタリではなく、しっかりと事前にバスの時刻を調べてから長門市に向かったが、バスもしっかりと時刻通りに動いてくれていたのでこちらも非常にやりやすかった。長門市は以前にも訪問しているので事情は当然分かっている。バスは裏口にも寄ってくれるので私は裏口で下車。その裏口にある商業施設で暫く所用を済ませホームに向かった。

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(若干改良されているが素敵な駅舎は健在だ。いずれしっかり訪問してみたい。)

私を待っていた車両はJR西日本を代表する(?)DC車両であった。近年ではすっかり定着したロングシートでワンマンで単行である。それこそどの地方でも見られる典型的なローカルの姿だ。乗客は意外に多く、と言うよりロングシートが全て埋まってしまうほどのフルハウスであった。結論から言うと、終点の厚狭まで乗客の顔ぶれは99.7%くらい変化無かったので、ある意味「陰陽連絡」の役割を果たしている印象でもあった。

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(於福も「らしい」駅舎が健在。美祢線の駅舎は素晴らしい状態で現在も受け継がれている。いずれ一駅一駅下車してみたい。)

さて、私の乗せた列車は1両編成ながら「満員御礼」で南を目指す。早速沿線最大の観光地「長門湯本」に到着。なかなかいい感じの駅舎が待ち構えていたが、この駅を利用し温泉に向かう乗客はほぼ皆無であった。車窓からその華やかな温泉街の風景が拝められたが、駅からやや離れている事や列車本数などの制約から当然の結果かも知れない。同じ「湯本」を名乗る箱根の様にロマンスカーが来るわけでもなく、駅前にお土産やさんなどが沢山並んでいる・・・わけでもない。逆に列車での訪問は勇気いる事であろうか。そんな温泉街を後にして列車は更に南に向かった。


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ダイヤモンド☆トナカイ

Author:ダイヤモンド☆トナカイ
所在地:神奈川県湘南地区

〇2013年6月11日、北陸新幹線長野駅にてJR全線制覇いたしました(当時)。
国内の鉄道は、沖縄の「ゆいレール」を残し全線制覇しました。(とは言うものの、2015年3月の北陸新幹線延伸によりJR全線制覇は「ベルト返上」しました)

★ ブログ記事の「リメイク版」は、以前にホームページで紹介した旅日記をブログでリメイクしたものです。


◎ブログの登場人物

★ ダイナミック☆トナカイ
・・・中学時代の後輩で、2013年に約30年振りに再会を果たした。数多くの写真を提供していただいた「盟友」でもある。

★ おさる・・・かつて私がバンド活動をしていた時のメンバーで、鉄道復活のきっかけを作ってくれた人物。彼とは「秘境駅」を数回訪問した「親友」でもある。

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