北浜旅情(リメイク版)
2014-05-25
私は今、釧路湿原のど真ん中に居る・・・そういえば、釧路湿原では「タンチョウ鶴」で有名であるが、私は野鳥評論化でも野鳥何とかの会に所属している訳でもないため、そちら方面の知識的なものを持ち合わせていない。しかし、そんな大自然の営みを垣間見る事が出来る釧網本線は、文字通り釧路と網走を結ぶ路線であるのだが「本線」と名の付くからには開拓時代の先人たちが、発展の期待を込められた鉄路であろう。建設当時、この路線に限らず「強制」や「タコ部屋」などの名の付く労働条件は、当時の人を苦しめ語り草になっている。そんな歴史がある北海道の鉄路も、時代と共に役目を終え中には廃止されてしまったものも多数ある。勿論生き残って今も尚「現役」の路線もあるが、現在は支線も持たない「本線」とは、かなりの拡大解釈をしても理解に苦しむであろう釧網本線。それはともかく、釧網本線制覇のため釧路発9時5分の3728Dに揺られながら北の大地を目で追っていた。

(知床斜里に停車中の私の乗って来たDC。かつてはここから「根北線」が分岐していたが、僅か13年の短命に終わった。)
事前に地図で確認する限り、この辺りに人が住んでいるのであろうか・・・と背中を丸めながら白と黒の線をなぞっていたのだが、実際に訪れてみるとそんな心配は無用であった。釧路湿原の反対側はしっかり集落があり、釧網本線の需要を支えているものと思われる。と言っても専らマイカー専用のガレージがあり、一家に一台以上は「足」を所有していると思われる。つまり1日3~4本しか来ない列車などに頼らなくとも生活は成り立っているのであろう。
暫く走ると鹿が線路を横切り、列車の行く手を塞いだため列車は一時停止した。暫くすると列車は動き出し、先ほど線路を横切った鹿がこちらを振り向いて過ぎ行く列車を見送っていた。観光客と思われる数名の乗客は物珍しそうに鹿の行く手を追いかけては「あっ、あっちだ」みたいに、その方向に指を差していたが、私は前日に根室本線の釧路~根室間を往復した際に何度も同じ場面に遭遇した。既に珍しいという域を完全に超えていたが、とにかく列車がダイヤ通りに動いてくれなければ、接続する次の列車に影響する。幸いダイヤへの影響は無かったが、とりあえずこんな大自然の中を長閑に走ってる訳である。

(グルメ路線の異名を持つ釧網本線。止別駅もそのひとつだ。駅舎にはラーメン店がある。「ツーラーメン」がお勧めらしいと聞く。)
暫くすると酪農業から住宅街へと景色が変化していった。そう「知床斜里」である。少々停車時間があったので駅舎の方に向おうとしたら「車内販売」が来た。地元の人が停車時間に列車に乗り込み名産品を販売しているのだ。その中に、噂の「生キャラメル」があるではないか!大分類では北海道だが、帯広と斜里ではかなり距離があるぞ!と思いながらも差し出された名産品の試食に妻はご満悦であった。駅名に「知床」が付いたのは近年であるが、昭和40年代には斜里から知床半島に向かい「根北線」と名の付く支線が存在した。「♪知床の岬に~」たる故人の歌があるが、そんな情緒ある風景とはかけ離れた超ローカル線であったろう。当時より大変地味な存在であったようで、廃止も地味であったようだ。私が行ったときは痕跡の「こ」の字も見ることが出来なかった。
そして列車は北海道で唯一、オホーツク海を車窓から眺める事が出来るところへ来た。流石に3月になると流氷も見ることは出来ないであろうが、この年は流氷が「不作」であったため、ピーク時に来ても結局見ることが出来なかった。とりあえず「雰囲気」だけでも味わおうと、事前に計画しておいた「北浜」で下車することとした。釧網本線は「グルメ路線」という別の顔を持っており、この北浜も駅に喫茶店が併設されている。

(北浜駅駅舎。駅員無配置であるが、駅舎には軽食屋が入居。「エキナカ」と高をくくってはいけない。本格ランチが味わえるぞ!)
丁度昼飯時だし(と言うよりわざわざこの時間に到着するように計画済)名物のランチを頂く事に。鉄道ファンの間ではかなり有名だし、駅と併設という事で若干高をくくっていたが私の負けであった。出てきた料理は本格的で、ハンバーグランチは注文を受けてから肉のミンチをキャッチボールしていたくらい。そのため時間がかかるのだ。味については私が語るまでも無いだろう。経験していただければわかると思うが「大納得」である。しかもコーヒーはサービスとはなかなか気が利いているではないか!今回の北海道制覇の計画の正確さに、自分に表彰したいくらいの出来栄えであった。

(北浜駅のホームにて。既に棒線化されたが「オホーツクに一番近い駅」は売り物だ。)
ランチを終えると、次の列車の時刻まで時間があったので周囲を散策した、と言っても若干の雨のため駅を離れることが出来ず駅舎の中に閉じこもったり駅舎の撮影をしたりで時は過ぎていいった。やがて網走行きの列車が到着し、私は角度を変え遠ざかる「喫茶店」に別れを告げ網走を目指した。網走に近付くにつれ車窓が大自然から住宅街に変化していった。「もうすぐ網走だ」。鉄道では初の「番外地」だが、予定では網走で約4分の乗り換え時間のため、私は急ぎ足で身支度を始めた。

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(知床斜里に停車中の私の乗って来たDC。かつてはここから「根北線」が分岐していたが、僅か13年の短命に終わった。)
事前に地図で確認する限り、この辺りに人が住んでいるのであろうか・・・と背中を丸めながら白と黒の線をなぞっていたのだが、実際に訪れてみるとそんな心配は無用であった。釧路湿原の反対側はしっかり集落があり、釧網本線の需要を支えているものと思われる。と言っても専らマイカー専用のガレージがあり、一家に一台以上は「足」を所有していると思われる。つまり1日3~4本しか来ない列車などに頼らなくとも生活は成り立っているのであろう。
暫く走ると鹿が線路を横切り、列車の行く手を塞いだため列車は一時停止した。暫くすると列車は動き出し、先ほど線路を横切った鹿がこちらを振り向いて過ぎ行く列車を見送っていた。観光客と思われる数名の乗客は物珍しそうに鹿の行く手を追いかけては「あっ、あっちだ」みたいに、その方向に指を差していたが、私は前日に根室本線の釧路~根室間を往復した際に何度も同じ場面に遭遇した。既に珍しいという域を完全に超えていたが、とにかく列車がダイヤ通りに動いてくれなければ、接続する次の列車に影響する。幸いダイヤへの影響は無かったが、とりあえずこんな大自然の中を長閑に走ってる訳である。

(グルメ路線の異名を持つ釧網本線。止別駅もそのひとつだ。駅舎にはラーメン店がある。「ツーラーメン」がお勧めらしいと聞く。)
暫くすると酪農業から住宅街へと景色が変化していった。そう「知床斜里」である。少々停車時間があったので駅舎の方に向おうとしたら「車内販売」が来た。地元の人が停車時間に列車に乗り込み名産品を販売しているのだ。その中に、噂の「生キャラメル」があるではないか!大分類では北海道だが、帯広と斜里ではかなり距離があるぞ!と思いながらも差し出された名産品の試食に妻はご満悦であった。駅名に「知床」が付いたのは近年であるが、昭和40年代には斜里から知床半島に向かい「根北線」と名の付く支線が存在した。「♪知床の岬に~」たる故人の歌があるが、そんな情緒ある風景とはかけ離れた超ローカル線であったろう。当時より大変地味な存在であったようで、廃止も地味であったようだ。私が行ったときは痕跡の「こ」の字も見ることが出来なかった。
そして列車は北海道で唯一、オホーツク海を車窓から眺める事が出来るところへ来た。流石に3月になると流氷も見ることは出来ないであろうが、この年は流氷が「不作」であったため、ピーク時に来ても結局見ることが出来なかった。とりあえず「雰囲気」だけでも味わおうと、事前に計画しておいた「北浜」で下車することとした。釧網本線は「グルメ路線」という別の顔を持っており、この北浜も駅に喫茶店が併設されている。

(北浜駅駅舎。駅員無配置であるが、駅舎には軽食屋が入居。「エキナカ」と高をくくってはいけない。本格ランチが味わえるぞ!)
丁度昼飯時だし(と言うよりわざわざこの時間に到着するように計画済)名物のランチを頂く事に。鉄道ファンの間ではかなり有名だし、駅と併設という事で若干高をくくっていたが私の負けであった。出てきた料理は本格的で、ハンバーグランチは注文を受けてから肉のミンチをキャッチボールしていたくらい。そのため時間がかかるのだ。味については私が語るまでも無いだろう。経験していただければわかると思うが「大納得」である。しかもコーヒーはサービスとはなかなか気が利いているではないか!今回の北海道制覇の計画の正確さに、自分に表彰したいくらいの出来栄えであった。

(北浜駅のホームにて。既に棒線化されたが「オホーツクに一番近い駅」は売り物だ。)
ランチを終えると、次の列車の時刻まで時間があったので周囲を散策した、と言っても若干の雨のため駅を離れることが出来ず駅舎の中に閉じこもったり駅舎の撮影をしたりで時は過ぎていいった。やがて網走行きの列車が到着し、私は角度を変え遠ざかる「喫茶店」に別れを告げ網走を目指した。網走に近付くにつれ車窓が大自然から住宅街に変化していった。「もうすぐ網走だ」。鉄道では初の「番外地」だが、予定では網走で約4分の乗り換え時間のため、私は急ぎ足で身支度を始めた。

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コメント
やっぱり釧網本線グルメはいいですね!
でこすけ様
コメントありがとうございます!!
私の訪問は2009年3月でしたが、その年は流氷の不作年だったらしく、シーズンに訪問しても見れなかったらしい事を聞きました。
それよりも・・・停車場のハンバーグランチは、特にハンバーグは文中でも紹介してますが注文を受けてからミンチをキャッチボールしていたので出てくるまでに時間がかかりました。その分味は・・・説明するまでも無いですね。でこすけ様が自身で確かめていただくのが一番!
しかし「グルメ路線」は1日ではまわり切れないので、と言うより「ギャル曽根」でも無い限り1日では全て制覇できないので、釧網本線だけの訪問を企でた方がいい旅になるかもしれませんね。
そういえば、と言うか、実は来月に「鉄道を使わない鉄道旅」を企画しています。北海道への訪問ですが、家を出てから現地、そして帰宅まで全く鉄道を使いませんが、レンタカーで廃止路線跡などを訪問する予定です。もちろん帰宅後にすぐブログでアップする予定ですが、残念ながら釧網本線は次回に見送りました。しかしそのタイミングが訪れたときは「停車場」はもちろん、「えきばしゃ」や「オーチャードグラス」は必ず計画に落とし込みたい「物件」です。
私の訪問は2009年3月でしたが、その年は流氷の不作年だったらしく、シーズンに訪問しても見れなかったらしい事を聞きました。
それよりも・・・停車場のハンバーグランチは、特にハンバーグは文中でも紹介してますが注文を受けてからミンチをキャッチボールしていたので出てくるまでに時間がかかりました。その分味は・・・説明するまでも無いですね。でこすけ様が自身で確かめていただくのが一番!
しかし「グルメ路線」は1日ではまわり切れないので、と言うより「ギャル曽根」でも無い限り1日では全て制覇できないので、釧網本線だけの訪問を企でた方がいい旅になるかもしれませんね。
そういえば、と言うか、実は来月に「鉄道を使わない鉄道旅」を企画しています。北海道への訪問ですが、家を出てから現地、そして帰宅まで全く鉄道を使いませんが、レンタカーで廃止路線跡などを訪問する予定です。もちろん帰宅後にすぐブログでアップする予定ですが、残念ながら釧網本線は次回に見送りました。しかしそのタイミングが訪れたときは「停車場」はもちろん、「えきばしゃ」や「オーチャードグラス」は必ず計画に落とし込みたい「物件」です。
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北浜駅は流氷の見える駅!で有名ですが、こちらのランチも心惹かれますよね!
釧網本線の駅グルメをしようと思うとやっぱり数日かけるか再訪するしかないかもしれないですね。
私も飛行機にも慣れたし、チャンスがあったら釧網本線再訪したいです。火曜日にならないように注意して…(笑)