熊に逢ったらどうするか⑩ 士幌
2014-09-10

(画像は「プラットホームの旅」よりご提供いただいた現役時代の士幌駅駅名標。)
士幌線と言えば真っ先に末端区間を思い出させるが、こちらの「本体」も忘れてはならない。士幌と言えば「馬鈴薯」で有名であり、東京近郊にはJA士幌が関東方面への出荷をバックアップするほどである。そんな町にもやはりかつては「ローカル線」の存在があった。
「道の駅ピア21しほろ」の近くにある士幌駅は「士幌交通公園」として現在も昔のままの姿で保存されている。かつてはJAへの引き込み線もあったと聞いているが、やはり帯広近郊だけあってそれなりに民家や商業施設も多く「暮らし」が見える。現役時代も上士幌くらいまではそれなりに輸送量があったのは肯ける材料であった。
今回の記事においては幌加に続いて私のブログと相互リンクさせていただいている「プラットホームの旅」の管理人様よりご協力をいただき貴重なお写真を提供していただいた。改めましてこの場で篤く御礼申し上げます。

士幌駅の駅舎はやはりしっかり手入れがされていて保存状態もよく、もっと外部にアピールすれば素敵な「観光名所」となるであろうが、私個人としてはあまり観光名所になってもらうと治安的な問題などにより保存状態にも影響してきそうな気がするのでできればそっとしておいて欲しい気分だ。車掌室などの車両も保存されており往年の姿が甦るような雰囲気でもあるが、後日に紹介する旧・糠平駅跡の「上士幌鉄道資料館」ではその模様がしっかりと記録されていた。


現役時代(上)と現在の士幌駅舎比較。現役時代の写真は「プラットホームの旅」より。下の現在の写真は勿論私自身が撮影したものであるが(2014年6月)、ご覧のとおりほとんど変わっていないのが嬉しい。





もう何も言葉はいらないであろう。往年の姿がしっかりと甦っている。



現役時代の駅名表が残るが、なぜか中士幌も。どうせなら「電力所前」とかも一緒に並べてもらいたかった。



現役時代の上3枚の写真は「プラットホームの旅」より。下の現在の姿と比較してみよう。








往年の姿がしっかりと受け継がれている。というよりそのままである。既にお気づきと思うが貨物列車が静態保存されている。これがなかなかの味が出ている。






なぜに貨物列車か、それなりの意味が有るのであろう。勿論「馬鈴薯」を含む貨物輸送時代を彷彿させるようでもあるが・・・

数多くある北海道の廃止路線の中で私はこの士幌線がひと際特異に感じていた。現役時代に訪問できなかったのは残念であったが、やはり末端区間の「先行廃止」がいっそ士幌線カラーを強く染めた事であろう。しかし代行バス区間ではない「本体」にも魅力は沢山あった。例えば「黒石平」と「電力所前」の関係や旧・糠平付近がダムに沈んだ事など、話題性はたっぷりであった。そんな士幌線のドラマを数多く見てきた我々であるが、廃止されてしまってからもこうしてこれほど存在感がある鉄道路線もそう多くはないであろう。起点の帯広は現在高架化されてかつて士幌線が使っていたホームは勿論、昔の面影すら全くなくなってしまった。
旅とは・・・有名な観光地や話題のグルメ旅も素晴らしいと思う。京都・奈良など歴史的な文化財などを巡る旅も良いであろう。しかし私は全くそういう事に興味はない。「全く」とは大げさかも知れないがハッキリ言って「士幌線」と触れ合っている方が100万倍楽しい。士幌線に対して「楽しい」とは失礼かも知れないが、これこそ私の「旅」であることを再発見させてくれた、そして教えてくれた・・・そんな士幌線は今もこうして活きていた。

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