fc2ブログ

鉄道全線完全制覇の旅

昭和から平成へ・・・全線制覇の旅紀行!

夕張線への招待②(リメイク版)

昭和56年10月、石勝線が開通した。この出来事は当時中学生の私には非情に斬新で、サプライズであった。事前情報無しに時刻表にいきなり新線が載っているというのは実に困惑する。何せ、イチ石炭輸送路線が、道東アクセス幹線に変身してしまったのであるから・・・私は白糠線廃止情報と共に制覇の予定を企てた際、夕張線改め石勝線の実態を確認すべく予定を組み込んだ。

蛹玲オキ驕薙€€・・081_convert_20121222143621


苫小牧より夕張線時代の名残のあるダイヤ編成で追分で乗り換えせず直通で夕張へ行ける列車が設定されていたのだが、その列車にあえて乗り込み一気に夕張まで向った。途中新夕張では、廃止となった旧「紅葉山」が残骸をとどめていたのだが、後ほど散策を予定している。まずは夕張へ。夕張駅は現在までに2回移転したのだが、私の行ったのは「第1次」である。現在の第3次駅は、Mt.レースイスキー場の目の前である。炭坑の町からの脱皮を目指し、復興に意欲的な町の姿勢に好感を持てるが、現実はかなり厳しいようである。折り返し新夕張に戻る際に、清水沢では「三菱石炭鉱業」の列車が接続していたが、乗車チャンスが無く非情に残念であった。新夕張に戻り、周遊券を改札で見せて「紅葉山」に向った。既に駅名表や屋根などは無く、ホームだけが残骸をとどめ、レールの無い地面には水溜りが所々にあり、痛々しい表情をしていたが、私の訪れた時間は19時。暗闇に包まれた「駅前一等地」は活気も無くひっそりとしていた。「新駅」に戻り、今度は楓に向う。かつては「登川支線」などといわれ石炭輸送列車も数多く走っていたが、石勝線開通直前に廃止されてしまった。そして旧楓と登川の中間くらいの位置に「新」楓が設置された。新楓は本線の他に普通列車用の独立ホームがありそこへ単行列車が発着する。本線上のホームは旅客扱いせず、信号場扱いとなっている。2004年に旅客扱いを廃止し、完全に信号場となってしまった。本線上のホームには、過去に何回か旅客扱いした記録があるみたいなので、是非体験してみたかったのだが・・・さて、折り返す列車は私一人を乗せ暗闇をすり抜けていった。新夕張で乗り換え再び苫小牧に戻り、札幌から「まりも」に乗り白糠目指した。

img087_convert_20121222070834.jpg


途中、深夜に石勝線を通過するのだが、暗闇で景色も見れず、新得で「いい旅チャレンジ20000Km」の証明写真を撮影したのが深夜2時頃であった。しかしこれでは新線区間と新駅が確認できないのでとりあえずこの後白糠線制覇後の札幌に戻る際に再び石勝線を通るため、楽しみはここに取っておいた。白糠線制覇後、釧路より「おおぞら」に乗り予定通り石勝線へ。まずは「石勝高原」。現在は「トマム」と改称し、リゾート地としてその名を馳せ「ツインタワー」たる堂々とした巨頭が聳え立つものの、当時は何もない無人地帯であった。そして次の「占冠」では若干の乗客があった!当時は駅弁も販売しており、村民の期待が込められていた。とにかくこの辺りは山深い。集落と呼べるほどの集落がなく、とにかく付近は山ばかりである。偶然私は紅葉の季節に行ったので、列車に乗りながらにして「紅葉狩り」を堪能した感じであったが、鉄道少年には季節感など関係ない!新駅と、途中の信号場が気になって仕方なかった。夕張線の本線であった新夕張~夕張間は完全に支線に転落し、新線区間との差は歴然であった。新線区間と本線の追分~新夕張間は最新の鉄道技術を惜しみなく投入し、ポイント部にはスノーシェルターが設置され雪からポイントを保護し、CTC制御によりポイントを遠隔操作。PC枕木やカーブを少なくするためトンネルが多い。勿論旧「本線」は改良されておらず、夕張という名の地が「時代」を反映させてるように思えてならなかった。

蛹玲オキ驕薙€€・・088_convert_20121222143809

それから約10年後の1993年1月、私はバイト先のスキー旅行に参加、行き先は北海道となった。3日目は各自自由行動であったため、私は迷わず「トマム」を目指した。朝1番でホテルを出て、札幌発「おおぞら」に乗り込む。勿論自由席であるが、スキー板など重装備であったためかなり周囲に迷惑を掛けたと思う。しかしそれほどの混雑ではなかったのでとりあえず一安心。札幌~千歳空港間でもバリバリ大自然があり、北の大地の壮大さを思い知らされた。そしてすっかり面目を一新した「トマム」に到着。長い連絡通路を渡り「インフォメーションセンター」なるものが登場し、そこからシャトルバスに乗りスキー場へ向った。初心者には優しそうななだらかな斜面が多く、ビギナーにお勧めのスキー場であるが、何と言っても「ツインタワー」なる「象徴」が圧巻。若者を中心に人気が高いのには大納得である。私自身「いつか必ず・・・」の思いが胸を掠めたのであった。帰りは降雪の影響で約40分遅れの特急列車に乗り千歳空港に向った。先ほどまで目の前に大きく聳え立っていた「ツインタワー」はガラス越しに小さくなって行った。途中「占冠」では、小学生ばかり4~5人乗車があり、普通列車の設定が無い区間での「普通列車」でどこへ行くのか・・・とにかく「利用」されているのがなにより嬉しかった。南千歳で乗り換え、新千歳空港駅に着いたが、40分の遅れで、一時はどうなるかと思った。結果的に間に合い、団体行動の秩序を乱すことなく、平和に湘南地区に舞い戻ることが出来た。

蛹玲オキ驕薙€€・・062_convert_20121222144237


それから更に15年、三度(みたび)石勝線を訪れる事となった。今度は北海道の未乗線区の制覇のための宿泊地としてあえて「トマム」を選択したのであった。2009年3月、新得より5分遅れの特急に乗り、雪の舞い散るトマムのホームに足を踏み入れた。懐かしさに浸る間もなく、シャトルバスの乗務員がホームまでお出迎え。以前とは違うサービス振りである。考えてみたら、前回はバブル景気の絶頂期。丁度リゾートやらが流行った時代でもあった。しかし時代は流れ、近年では「デフレ・スパイラル」などと紙面を賑わせて久しいが、そんな中、トマムも民事再生で生き残りをかけている。そして従業員や村が一丸となってトマムを盛り上げているではないか!私は心を打たれながら、密かな夢であった「ツインタワー」に向った。想像していた通り、リゾートの名に相応しい佇まいであった。ホテル内にはコンビニもどきの様な店で弁当が3割引とかで値引販売していた。「旭川でわざわざ買わなければ良かったな~」などと、若干日常の生活染みた気持ちが顔を覗かせてしまった。

蛹玲オキ驕薙€€・・089_convert_20121222144032


翌朝、再びシャトルバスでトマムに戻り、列車到着まで駅を堪能した。近い将来ライバルになるであろう建設中の高速道路が見えた。しかし付近には民家が見当たらず、スキー場が無ければほぼ無人地帯であろう。しかしここから乗る列車はなぜか清々しい。リゾートホテルをビジネスホテル代わりに利用するとは何とも贅沢であったが、わざわざやって来た甲斐があったというものだ。この日の予定では、一気に根室まで行く事になっている。「鉄道に乗るための旅」なのに、すっかりリゾート気分に浸ってしまった感のある「夕張線」の新線区間。銀世界のツインタワーを15年振りに見送り、憧れていた「苫鵡」を後にした。

にほんブログ村 鉄道ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 鉄道ブログ 日本全国の鉄道へ
にほんブログ村

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道乗車記録へ
にほんブログ村

スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://4190koawazay.blog.fc2.com/tb.php/58-d2222864

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

ダイヤモンド✡トナカイ

Author:ダイヤモンド✡トナカイ
✩2022年4月より毎週土曜日更新になります✩


昭和・国鉄の話題を中心に紹介しています。


2013年に長野新幹線の長野駅にて「いい旅チャレンジ20000km」よりスタートした国鉄時代の制覇を含めJR全線制覇を、そしてゆいレール以外の鉄道全線制覇を達成いたしました。


以降、北陸新幹線と北海道新幹線などの開業によりタイトルは返上しています。

JR以外の私鉄を含む鉄道未制覇路線は北陸新幹線(長野~金沢)・北海道新幹線・仙台地下鉄東西線・仙石東北ライン・富山地方鉄道延伸部分・ゆいレール・相鉄直通線(相鉄新横浜線)、そして新規開業の西九州新幹線や宇都宮に開業したライトレールも新たに加わりますます未制覇路線が増えてしまいました・・・

にほんブログ村 鉄道ブログへ
にほんブログ村


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道乗車記録へ
にほんブログ村

最新コメント

最新記事

カテゴリ

新年のご挨拶 (11)
相模線 (45)
西寒川駅 (7)
管理人のひとりごと (31)
時刻表の旅 (9)
きっぷコレクション (5)
フォトギャラリー (25)
サボ (2)
駅訪問 (41)
新十津川駅 (1)
北海道・廃駅 (2)
北海道・信号場 (4)
かけめぐる青春 (10)
奥津軽 (2)
東成田 (1)
九州駅巡り(廃止駅) (9)
九州駅巡り(現役駅) (3)
第三セクター転換前国鉄時代 (5)
松浦線 (2)
阿仁合線 (3)
機関車 (5)
SL (3)
快速列車・普通列車 (17)
奥久慈風っこ号 (6)
夜行普通列車 (9)
急行列車 (11)
新幹線 (6)
寝台特急 (26)
583系 (2)
JR特急 (15)
JR九州・特急列車 (3)
ドリームにちりん (2)
ゆふいんの森 (2)
JR北海道・特急 (4)
JR四国アンパンマン特急 (1)
廃止路線 (118)
留萌本線(留萌~増毛) (8)
士幌線 (5)
ふるさと銀河線 (8)
深名線 (4)
幌内線 (2)
広尾線 (7)
万字線 (3)
湧網線 (1)
天北線 (4)
佐賀線 (1)
大社線 (1)
大畑線 (1)
清水港線 (5)
鹿児島交通 (1)
高砂線 (1)
倉吉線 (1)
矢部線 (1)
赤谷線 (1)
日中線 (1)
白糠線 (7)
小松島線 (1)
三木線 (1)
鍛冶屋線 (1)
三江線 (35)
岩泉線 (5)
十和田観光 (1)
東武鉄道熊谷線 (2)
ドリーム交通 (1)
同和鉱業 (3)
下津井電鉄 (3)
一円電車 (1)
青春18きっぷ (58)
1982年・春<青春18> (5)
1982年・夏<青春18> (6)
1983年・春<青春18> (15)
1984年・夏<青春18> (6)
2008年夏<青春18> (7)
2009年夏<青春18> 広島 (11)
2010年<青春18>+伊賀鉄道+近江鉄道 (6)
周遊券・フリーきっぷ (119)
1983年・夏<東北ワイド周遊券> (36)
1983年・秋<北海道ワイド周遊券> (5)
2008年・北海道 (7)
2009年・北海道 (10)
スルッとKANSAI① (10)
スルッとKANSAI② (10)
九州制覇①2008年 (9)
九州制覇②2010年 (9)
九州制覇③2011年 (13)
2013年北陸 (10)
JR北海道 (101)
宗谷本線 (34)
根室本線 (1)
石勝線 (16)
石北本線 (7)
江差線 (1)
釧網本線 (1)
日高本線 (18)
留萌本線 (15)
室蘭本線 (8)
JR東日本 (51)
東海道本線 (1)
男鹿線 (2)
湘南新宿ライン (5)
仙山線 (3)
北上線 (3)
磐越東線 (2)
信越本線 (1)
鶴見線 (11)
五能線 (2)
篠ノ井線 (1)
磐越西線 (6)
中央東線 (2)
白新線 (1)
弥彦線 (2)
上越線 (7)
JR東海 (27)
中央西線 (2)
身延線 (3)
御殿場線 (2)
飯田線 (13)
関西本線 (1)
高山本線 (6)
JR西日本 (61)
姫新線 (1)
呉線 (1)
木次線 (8)
伯備線 (3)
芸備線 (18)
美祢線 (2)
山陰本線 (8)
因美線 (5)
可部線 (7)
播但線 (1)
JR四国 (12)
予讃線 (5)
JR九州 (22)
唐津線・筑肥線 (6)
指宿枕崎線 (2)
日田彦山線 (8)
肥薩線 (3)
日南線 (3)
私鉄東日本 (76)
弘南鉄道 (1)
相模鉄道 (5)
江ノ電 (7)
津軽鉄道 (1)
東武鉄道 (1)
湘南モノレール (1)
野岩鉄道 (8)
三陸縦断 (7)
長野電鉄 (4)
箱根登山鉄道 (12)
ひたちなか海浜鉄道 (5)
小湊鉄道 (4)
鹿島臨海鉄道 (6)
しなの鉄道 (2)
上信電鉄 (4)
上田電鉄 (1)
いすみ鉄道 (4)
ディズニーリゾートライン (0)
アルピコ交通 (1)
富士急行 (2)
私鉄西日本 (117)
大井川鉄道 (6)
長良川鉄道 (2)
岳南電車 (11)
紀州鉄道 (1)
えちぜん鉄道 (0)
三岐鉄道 (1)
島原鉄道 (1)
福井鉄道 (2)
阿佐線 (3)
東海交通事業 (2)
スカイレール (1)
広島電鉄 (1)
天竜浜名湖鉄道 (2)
門司港レトロ観光 (1)
平成筑豊鉄道 (1)
名古屋鉄道 (7)
北陸鉄道 (2)
万葉線 (2)
富山地方鉄道 (6)
関西電力黒部見学ルート (10)
近畿日本鉄道 (5)
富山ライトレール (4)
伊豆急行 (17)
黒部峡谷鉄道 (4)
能勢電鉄 (1)
静岡鉄道 (16)
水島臨海鉄道 (5)
養老鉄道 (2)
智頭急行 (1)
遠州鉄道 (0)

カウンター

月別アーカイブ

最新トラックバック

リンク

このブログをリンクに追加する

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

Template by たけやん