姿なき挑戦者⑯ 寝台特急「北陸」(中編)

さて、旅行会社に行ってみると面白い事がわかった。それは「ジャパン・トラベル・ビューロー」、いわゆる「JTB」の国内旅行フリープランに寝台特急が交通手段の選択肢にある事がわかったのだ。これは使わぬ手は無い!と思い早速JTBへ。そして約28年ぶりに客車による開放B寝台に乗車する事になったのだ。そして・・・久々に立った13番線ホームは実に懐かしかった。もちろん上野駅の事である。中学生までは特急列車などを撮影にわざわざ相模線の始発に乗りやってきたものだ。レールファンを、当時は「卒業」していたはずなのに・・・なんだろう、この胸騒ぎ。なんとなく童心に帰った感じがして止まなかった。

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(ダイナミック✩トナカイ提供の「あけぼの」である。「北陸」とともに近年まで活躍した「純正」「正統派」の寝台特急であった。)

やがて「国鉄」とは違う現代風のタイフォンが鳴り止み、カクーンと揺れを催しながら幾多のジョイント音を響かせ、複雑なレールの波に身を揺らせていく。久々の感覚。車窓には「赤羽」「浦和」などの駅名標が掠めていくが、窓の向こうの通勤帰宅客には申し訳ないくらいにリラックスした体制でアルコールなどを頬張っていた。とは言え、私も4時間くらい前までは仕事をしていた身。仕事終了直後の寝台特急はなんとなくいつもよりアルコールの回りが早い感じであった。

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(画像はウィキペディアより。「北陸」とペアで活躍した急行「能登」。かつては旧型客車の夜行急行列車であった記憶であるが、同じく夜行列車の「越前」などと共に、1980年代は北陸方面への夜行列車はかなり充実していた印象であった。)

冬場のせいか、やたらと静電気が染みるカーテンを開けると窓の外は既に銀世界であった。既に「国境」は超えていたようで、どうやらいつの間にか夢の中へと誘われていたようだ。気がついてから約30分くらい走ったであろうか、深夜のプラットホームに滑り込んだ。照明は、深夜だというのにやたらとギラギラ輝いていた。レールファンは休業していてもこの深夜の運転停車は事情を察している。そう、長岡駅である。そして駅名標なども見当たらないのに長岡とすぐにわかってしまう。既に頭の中はレールファンモードになっていたのかも知れない。しばらくすると隣のホームには、なんとあの「トワイライト」が入線してくるではないか!レールファン休業中でも事情は知っている。静電気が気になるカーテンをつかみながら「トワイライト」の方向幕がやたら新鮮に映るのが実に良かったが、仕事の疲れが翌朝に響かないかという思いから「寝なければ!」と焦ってしまう。しかしながらその「トワイライト」の興奮が抑えきれなかった。



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冬の北陸

私も廃止数年前の1月に「北陸」の開放B寝台に乗車しました。
今回の記事はその時の様子が鮮明に思い出されるほど同様な内容でしたよ。
冬の北陸は初体験でしたが、今までに無い印象的な旅でした。
続きが楽しみです。

すんや様

コメントありがとうございます。

私がこの時乗った「北陸」は2月でした。確かに道中の「国境」付近では完全に銀世界でしたが、実は「国境」を超え北陸に着くと雪は全くありませんでした。私がイメージしていたのと全く違う光景であったので驚いてしまいましたが、現地でも雪という雪が全く無く、というよりむしろ春を思わせる陽気であったので上着を持て余してしまう始末でした。
すんや様の旅の思い出と重なる部分もあるという事で、私も同じく今までに無い経験をたくさんしています。紹介できない「事件」もありますが、次回アップでは「紹介できる一部」をお伝えしましょう。
プロフィール

ダイヤモンド☆トナカイ

Author:ダイヤモンド☆トナカイ
所在地:神奈川県湘南地区

〇2013年6月11日、北陸新幹線長野駅にてJR全線制覇いたしました(当時)。
国内の鉄道は、沖縄の「ゆいレール」を残し全線制覇しました。(とは言うものの、2015年3月の北陸新幹線延伸によりJR全線制覇は「ベルト返上」しました)

★ ブログ記事の「リメイク版」は、以前にホームページで紹介した旅日記をブログでリメイクしたものです。


◎ブログの登場人物

★ ダイナミック☆トナカイ
・・・中学時代の後輩で、2013年に約30年振りに再会を果たした。数多くの写真を提供していただいた「盟友」でもある。

★ おさる・・・かつて私がバンド活動をしていた時のメンバーで、鉄道復活のきっかけを作ってくれた人物。彼とは「秘境駅」を数回訪問した「親友」でもある。

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