よろしく哀愁。よろしく九州⑥ 安徳
2016-02-17

島原鉄道の廃止区間で最も「もったいない」という世界共通用語が当てハマってしまうのがここ安徳である。1997年に災害復旧の際に高架化されたが、その命もわずか11年という短い営業期間で幕を閉じてしまった。いわゆる普賢岳の噴火による災害復旧であったが、その災害を期に利用者が減少していくという結果から廃止となってしまった島原外港~加津佐間であるのが何とも皮肉な話だ。
かつては交換可能駅であったが、1960年に棒線化されたと聞いている。そして災害復旧で高架化されたわけであるが、その高架下には民家があり、私の訪問時にはちょうど高校から帰宅したと思われる学生がその建物の中に消えていった。そして体操服のような姿で再び玄関から姿を現したが・・・私のような「部外者」がいては落ち着かなかったであろう。その民家の目の前にちょうど安徳駅のプラットホームへと続く階段があったが、その入口は固く閉ざされていた。付近を流れる水無川には、安徳から続く高架より鉄橋も残存しており、並行する道路から見ると普通に列車がやってきそうであった。

ナビに案内された道では国道からかなり複雑な生活道路を通らされたが、実際にはもっと簡単な道があったであろう。と思ってしまったが、どちらにしても到着できたのだから良しとして、このアングルから見た安徳は(というよりどの角度から見てもであるが)実に普通に営業していると思ってしまうくらい立派な造りである。

高架化されて11年、廃止されて8年、合計で19年経っている事になる。だが、完全に普通の風景で、とても廃止されたものとは思えないであろう。

そしてこちらはホームへと続く階段である。少々見にくいが「立ち入り禁止」の看板の文字がやや掠れているあたりに時間の経過を感じる事ができる。ちなみに写真右側は民家の敷地内であり、ちょうど帰宅したその民家に住む学生には私の訪問に少々戸惑いを感じた事であろう。この場を借りてお詫び申し上げます。

ドライビングスクールが付近にあるらしいが、まさか写真下に写っている廃タイヤは・・・もちろん違うであろう。

そして並行する道路と共に島原鉄道の鉄橋もしっかりと残っている。というより、現在でもメンテナンスを行っているのであろう。と思ってしまうくらい保存状態が良い。いや、実際にメンテは行われているのであろう気がする。

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コメント
風旅記様
コメントありがとうございます。
島原鉄道部分廃止についてですが、私は島原鉄道のホームページを見て知りました。10代の頃はレール雑誌などよく購入し情報源として活躍していましたが、現在はそれこそインターネットの時代。リアルタイムで情報を入手出来ます。とは言うものの、この島原鉄道に関しては全くの偶然で、列車の時刻表を見ようとホームページ開けたら廃止の情報が出ていた感じでした。
そして廃止直前に島原に行く事を急遽企てましたが、やはり末端部分は廃止されても納得できる利用者の数で、私の乗った列車が加津佐に到着する頃には完全に貸切でした。ところが、加津佐から先をバスで移動しましたが、そちらは通学帰りの時間帯と重なり大盛況。というより、この乗客がなぜ列車を利用しないかと思ってしまうくらい不思議な現象でした。もちろん「ニーズ」的な部分も有りましょうが、やはり「地方の鉄道だけでなく、日本全体の交通インフラのあり方がもっと議論されるべき時になりました」的な事でしょうか。時代やニーズに合わせた考え方がもっと必要なのかも知れません。とは言え、プラス民営である以上「カネ儲け」が前提になりますが・・・
島原鉄道部分廃止についてですが、私は島原鉄道のホームページを見て知りました。10代の頃はレール雑誌などよく購入し情報源として活躍していましたが、現在はそれこそインターネットの時代。リアルタイムで情報を入手出来ます。とは言うものの、この島原鉄道に関しては全くの偶然で、列車の時刻表を見ようとホームページ開けたら廃止の情報が出ていた感じでした。
そして廃止直前に島原に行く事を急遽企てましたが、やはり末端部分は廃止されても納得できる利用者の数で、私の乗った列車が加津佐に到着する頃には完全に貸切でした。ところが、加津佐から先をバスで移動しましたが、そちらは通学帰りの時間帯と重なり大盛況。というより、この乗客がなぜ列車を利用しないかと思ってしまうくらい不思議な現象でした。もちろん「ニーズ」的な部分も有りましょうが、やはり「地方の鉄道だけでなく、日本全体の交通インフラのあり方がもっと議論されるべき時になりました」的な事でしょうか。時代やニーズに合わせた考え方がもっと必要なのかも知れません。とは言え、プラス民営である以上「カネ儲け」が前提になりますが・・・
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島原鉄道の部分廃止には驚いたのを今も覚えています。
普賢岳の火砕流のニュース以降、鉄道をはじめとした地域の復興が進められたと思いますが、道路など鉄道と競合するインフラも以前よりと整備され、鉄道に頼る環境から一気に変わっていってしまったのかもしれません。
人口が減る時代に入り、地方の鉄道だけでなく、日本全体の交通インフラのあり方がもっと議論されるべき時になりました。
この鉄道に末長く活躍して欲しいと願うと同時に、適切な交通体系はどのようなものなのかを考えていきたいものです。
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/?pc