三江線への挑戦㉓ 口羽
2016-11-02

一般的知名度がどれくらいあろうか・・・ここ口羽は、先述通り私が三江線の中で最も気になる存在の駅である。基本、三江線の駅を紹介する場合、自身のお気に入りの駅を挙げるとするとほとんどの人がまず先に紹介した「宇都井」を挙げるであろう。だが・・・もし私が三江線企画の出版物を手がけるとした場合、まずここ口羽が一番最初に紹介したい駅となる。なぜ?それは分からないが、とにかくこの駅は中学生くらいから既にお気に入りのカテゴリーに登録されているので、その事について否定することはできない。

(なんとも素朴な駅舎!すぐ頭上を県道が横切るが、この道路はかなり新しい部類に属するであろうニューフェイスだと思われる。)
では何がお気に入りなのであろうか、あえて分析してみたら、まず無人駅なのに交換設備があるという点、そして利用者が少ないのに運転上の要衝となっている点が私にとって気になる存在となっている事であろう。とは言っても、無人駅での交換設備は現在の鉄道シーンにおいては当たり前の光景であるが、かつての国鉄時代には地方ローカル線のCTC化はまだ開発途上であった。というより徐々に浸透していった時代でもあった。我が地元相模線も、確か寒川と海老名、厚木以外は現在もスプリング式の分岐器であるがそれは基本的に国鉄時代とほぼ変わらない。特に寒川駅などは駅舎内に転轍機があり、ポイント操作が間近で見られたものだ。そんな事から「ポイントのある駅には駅員がいる」という無意識な概念みたいなものがあったから、今回紹介の口羽などが特異に見えて仕方なかった。そんな事からこの駅に次第に取り付かれてしまったのであろう。もちろんこのCTCについては今や常識の範囲での日常会話の如く鉄道業界に浸透している。

(なんと駅舎のドアは木造である!そして、ちょっとわかりづらいが、写真中央には梅雨の季節にはお馴染みの生き物が。)
ただ、一般的にはこの駅の特徴的な特徴が見当たらず、レールファンにとってもこの駅が「お気に入り」とするという方は極希な存在であろうかも知れない。って、そんな希な存在の一角を占める私であるが、実はこの地に降り立つのは今回が初めて。三江線に揺られ一度は訪れているが、その時は通りすがりの一部であった。もちろん「いつか必ず!」の思いがあったわけだが、今回その思いを一気に実現させた。なんでこの駅が好みなの?というくらいごく普通の風景が展開されていたが、特に私はその駅舎の素朴さに目を惹かれた。そして弧を描く島式ホームの脇には某会社的空間が広がり、駅舎のすぐ頭上を県道7号線が横切る。恐らくこの県道7号の陸橋は近年に完成したものと思われるがその真意はいかがであろう。だが、私が確認した限りはそれほど年月が過ぎていない印象であった。

(駅舎横から見るとこんな光景が見られる。三江線のどの駅もそうだが、有効長を持て余すほどのプラットホームは、設計当時の意図とは裏腹に、更に時代の波に逆らうことができずにホームそのものがなくなってしまうとは・・・)
三江線はかつて国鉄時代にはもちろん廃止候補にあがったが、沿線道路未整備の理由から現在まで列車が運転されている奇跡的な路線である。であるが、口羽をはじめ、沿線道路は完全に整備され、というより完全に主役を道路に奪われ、鉄道路線は完全に風前の灯火・・・いや、もう既に火が消えている事であろうが、無理やりライター、いや、湿気たマッチで火を点けている印象だ。だが、とうとうその火も消される日が来ようとは・・・そしてこの口羽も歴史の1頁になってしまうのかと思うと・・・

白線が途中で途切れている意味は、ミラーの位置がその理由を無言で語りかけている。




ど~ですか、この島式ホームのコントラスト!伝わるかどうか分からないが、なんとなく浜川崎並みのホームの幅が気になる存在!

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コメント
No title
ダイヤモンド☆トナカイ様
この駅がお気に入りなんですね(^O^)
全線全駅鉄道の旅によりますと、“リゾート観光で売り出す羽須美村の表玄関”と記載されていますね(^_^;)
駅の向かいにあるリゾート=センターを中心に(途中略)山陽方面からたくさんの観光客を集めているとも記載されております(^_^;)
ローカル線らしからぬ、さぞかし活気あふれる駅だったことでしょう(^_^;)
全線全駅鉄道の旅によりますと、“リゾート観光で売り出す羽須美村の表玄関”と記載されていますね(^_^;)
駅の向かいにあるリゾート=センターを中心に(途中略)山陽方面からたくさんの観光客を集めているとも記載されております(^_^;)
ローカル線らしからぬ、さぞかし活気あふれる駅だったことでしょう(^_^;)
でむろい・まぁーちん様
コメントありがとうございます。
口羽駅のような、ホームの両側に線路がある形式を島式ホームと呼びますが、相対式ホームの場合は「対向式ホーム」とも呼んだりもします。
ただ、今回紹介の三江線の場合、列車本数が口羽を境に三次側5本、江津側4本となるため、残念ながら朝の時間帯でさえ30分刻みの運転はありません。参考までにこちらをご覧になってください。
http://ekikara.jp/newdata/line/2701381.htm
2018年に廃止になってしまう予定の三江線ですが、ご覧のダイヤでさえ恐らく「過剰」なのかも知れませんね。
口羽駅のような、ホームの両側に線路がある形式を島式ホームと呼びますが、相対式ホームの場合は「対向式ホーム」とも呼んだりもします。
ただ、今回紹介の三江線の場合、列車本数が口羽を境に三次側5本、江津側4本となるため、残念ながら朝の時間帯でさえ30分刻みの運転はありません。参考までにこちらをご覧になってください。
http://ekikara.jp/newdata/line/2701381.htm
2018年に廃止になってしまう予定の三江線ですが、ご覧のダイヤでさえ恐らく「過剰」なのかも知れませんね。
にわか者様
コメントありがとうございます。
「リゾート」とは・・・ちょっとイメージ狂いましたね。「リゾラバ」にも程遠い静かな雰囲気の駅でしたから。
それに加え「たくさんの観光客を集めている」とは・・・恐らくそれは三江線の役割はほぼゼロに近いと思います。
私が訪問した時の口羽は、私がイメージしていたものにかなり近い感じでしたので、リゾート的な雰囲気は全くの範囲外でしたね。という事をこの場で記している自体、交通の主役は鉄道では無い事を改めて実感します。
「リゾート」とは・・・ちょっとイメージ狂いましたね。「リゾラバ」にも程遠い静かな雰囲気の駅でしたから。
それに加え「たくさんの観光客を集めている」とは・・・恐らくそれは三江線の役割はほぼゼロに近いと思います。
私が訪問した時の口羽は、私がイメージしていたものにかなり近い感じでしたので、リゾート的な雰囲気は全くの範囲外でしたね。という事をこの場で記している自体、交通の主役は鉄道では無い事を改めて実感します。
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口羽駅のような形態を島式ホームっていうのですか?
相対式ホームは知ってましたが・・・。
車両の画像が無いところをみると、三江線も運行本数が少なそうですね。
朝夕は30分刻みで運行してるんだろうけど。