「本線」という名の元に⑧ 峠下
2017-10-15

ご存じ、留萌本線の中間駅で唯一交換設備が残されたここ峠下であるが、周囲に民家はほぼ皆無で、利用者的にも北海道らしい数値であることは間違いないであろう。
そして駅舎に至っては「年季が入った」などという言葉で片付けてしまっては申し訳ないような年季の入り様で、恐らく石狩沼田や留萌よりも先輩に当たるであろう。
国道沿いにあるが、意識していなければ普通に通り過ぎてしまうであろうその空間は、文字通り「サミット」であるため、確かカーブの途中に駅へ通じる道があった記憶だ。

山道くねくねの途中に「峠下駅」と書かれた看板に従い右に折れると、そこはまるで異空間のパラダイスであった。寄り添う国道はトラックなどがバンバン飛ばしてくるが、峠下の駅前に入った途端、まるで時が止まっているかのような錯覚を起こす。もちろん駅前には商店や飲食店などの商業施設は皆無である。もしこれらの施設を必要とする場合は石狩沼田か留萌まで足を伸ばすしか術は無いであろうと思われる。実際に私自身も、石狩沼田から次の駅に向かおうとした時にレンタカーの燃料が気になった。この先スタンドかあるかどうか・・・一応ナビ検索してみたが、やはり石狩沼田まで引き返したほうが無難と判断。結局石狩沼田のスタンドで燃料を補給して次の駅に向かった。

峠下に着く頃には更に山深くなっていき、少なくとも国道沿いでは民家を見つける事が困難であったが、果たしてここ峠下の利用状況はどうなっているのであろうか。
某秘境駅訪問家の評価はそれほど高くはないが、秘境度的な部分のみを考えれば私的にはかなりの上位になるであろうと思う。留萌~深川間の中間駅で唯一交換設備が残されたのは、留萌~深川間のほぼ中間地点であるのが最大の理由であろうと思われるが、おかげで現在でも昔の姿が残されているのが嬉しい。現代人が昔の鉄道を体幹する事ができる貴重な峠下は、これから先時間が経過するにつれもっと貴重となってくるであろう。





では早速駅舎から。留萌本線は比較的昔の駅舎が残っている路線でもあるが、やはりこうした古式ゆかしい駅舎は無意識に気に留めてしまう。時間の経過や時代の変化と共にだんだん貴重なものとなってくるが、こちらの場合、最終着地が見えている事から出来るだけ早いうちの訪問がよかろうと思う。







ホームは舗装されておらず、砂利や土ベースになっている。周囲は文明的な何かが全く見当たらない。ウィキによると付近には農家が一軒あるだけとの記述が。


恐らく「冬季グッズ」が収納されている事であろうと思われる。こういう倉庫も昔のままってのがまた味がある。「新しいもの好き」「時代の最先端」などと、よく古いものは敬遠されがちな日常もあるが、「古き良き」「昔ながらの」など、ある意味かつてからずっと引き継がれているものも、こうして今も活き続けているからこそという日常もあるから良い!

国道直結の駅前一等地。その国道は文字通り山深い。夜中には恐らくひとりで歩けないであろう。

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コメント
ダイヤモンド☆トナカイ様
にわか者様
コメントありがとうございます。
既に峠下は「蛻の殻」状態ですが、棒線化されてない昔ながらの 留萌本線が見れる貴重な駅ですね。もちろん他の駅も駅舎などが健在ですが、やはり棒線化されてしまうと寂しいものです。特に後述する留萌は羽幌線が廃止されて以来次々と線路が撤去され、過去の盛栄が信じられないほどに痩せ細ってしまいました。
鉄道に関しての明るい話題が少ない時代に、なぜ我々は鉄道を追い求めてしまうのでしょうか?なんだか不思議な趣味ですよね。
既に峠下は「蛻の殻」状態ですが、棒線化されてない昔ながらの 留萌本線が見れる貴重な駅ですね。もちろん他の駅も駅舎などが健在ですが、やはり棒線化されてしまうと寂しいものです。特に後述する留萌は羽幌線が廃止されて以来次々と線路が撤去され、過去の盛栄が信じられないほどに痩せ細ってしまいました。
鉄道に関しての明るい話題が少ない時代に、なぜ我々は鉄道を追い求めてしまうのでしょうか?なんだか不思議な趣味ですよね。
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私が訪れた時は、すでに閉塞扱いの駅員しかいなかったのですが・・・
今ではその方もいなくなったようですね・・・
でも、駅舎は健在のようですね。