「本線」という名の元に⑪ 大和田
2017-10-30

そしてここ大和田は伸也でもなければ漠でもない。というより、列車以外でこの駅に到達しようにはかなり覚悟を決めなければならない。それは、国道から一本外れ、それこそ草むらに囲まれた獣道的な道をひたすら進む。「本当にこの先駅があるのであろうか・・・」と感じてしまうくらいひと気が無い。いや、かつてはひとつの集落を形成していたであろうが、今や完全にゴーストタウンとなってしまった感じだ。
念のためウィキペディアで確認したところやはり道路切り替えにより集落も道路側にスライドしていったらしい。結果、大和田駅前は完全なるゴーストタウンと化してしまったらしい。そして何より、構内側線扱いで炭鉱路線もここから分岐していた歴史があり、正に今の姿が想像つかないくらい栄えた時代があった事だろう。

石炭と共に盛栄した留萌本線は、エネルギー革命と共に衰退してしまった。更にモータリゼーションや少子化などにより利用者が激減。しかしこの事は留萌本線だけに限った事でなく、全国的な現象でもあるため鉄道全体が抱えてる問題でもある。
そんな中でここ大和田のように付近に文明的なものを感じない場所を我々は「秘境駅」などと名付け観光的な気分でやって来るが、やはり固定の利用者が多数あって初めて鉄道として機能するし、そしてそれが本来の姿であろう。
残念ながら留萌本線には時間がない。もちろん現存区間の最期の日はまだ確定していないが、そう遠くない将来に発表があるであろう。




かつての駅舎より非常にコンパクトになったであろう大和田駅。北海道ではお馴染みの光景であろうが、基本、ここは駅である。駅前のロータリー風の空間に自転車やバス停などの設備は皆無であった。


駅前はご覧の通り、やや文明的な何かを感じるものの「駅前」の風景かどうかは意見が分かれるところか。





お約束の列車交換雰囲気。だが、他の駅と違うのは島式ホームである事。もちろん現在は片面使用であるが・・・

今回のレンタカーでの訪問で、列車訪問だけではわからなかったこの駅の素顔を見ることができた。もちろんそれは他の駅でも言える事だが、この先、留萌からの廃止区間を訪問して更に驚愕の光景に出会うことになろうとは・・・

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コメント
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takamii様
コメントありがとうございます。
「日中の雰囲気がわかって助かった」とは、夜間は相当にホラー的な環境なのでしょう。確かに、昼間の訪問の私でさえやや哀愁を感じましたから。地元の利用者は馴れてらっしゃる事と思われますが、本来駅って賑わってナンボの世界と思いますので、やはりかつての盛栄を取り戻してほしいです。
takamiiさんの地元・広島にも秘境駅的なムードの物はかなりあると思いますが、北海道のそれは何か独特の雰囲気がありますね。やはり背景に「開拓」「石炭」などのキーワードが隠れているからでしょうか。
「日中の雰囲気がわかって助かった」とは、夜間は相当にホラー的な環境なのでしょう。確かに、昼間の訪問の私でさえやや哀愁を感じましたから。地元の利用者は馴れてらっしゃる事と思われますが、本来駅って賑わってナンボの世界と思いますので、やはりかつての盛栄を取り戻してほしいです。
takamiiさんの地元・広島にも秘境駅的なムードの物はかなりあると思いますが、北海道のそれは何か独特の雰囲気がありますね。やはり背景に「開拓」「石炭」などのキーワードが隠れているからでしょうか。
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おまけに駅周辺は霧が発生し、目の前の幹線道路の賑わいから、こんなにも一気に空気が変わるものかとびっくりした駅です。
日中の雰囲気がわかって助かりました。