「本線」という名の元に⑫ 瀬越
2017-11-10

つい最近廃止になってしまった留萌~増毛間であるが、今回の紹介は廃止直後の訪問である。と言うより、私が訪問したときは2017年6月なので既に半年くらい経過していたが、このジャーナルがアップされる頃には1年くらい経とうとしているであろう。勿論、列車での訪問はできずレンタカーでの訪問になってしまったが、私が思っていた以上に撤去工事が進行しており廃線跡を現役時代のように確認できる時間はそう長くないようだ。中には既に撤去を終えた区間もあると聞いたので、私の訪問は本当に最後の最後、見納めのギリギリであったようだ。
そんな中、瀬越はとりあえず現役時代とあまり変わらないまま健在であった。国鉄時代は、昔の「岩原スキー場前」のような毎日営業の臨時駅であったが、JR化された時に駅に昇格。と言っても、設備が増築されたとか利用者が一気に増えたとかではなく、単純に「スライド」しただけだ。ただ、この駅前には「ジャパニーズオーシャン」が広がり、その荒々しさを目の当たりにする。深川から列車に乗りやって来ると、留萌を過ぎた頃一気に視界が開ける。そしてしばらくして瀬越に到着するが、あの華奢な待合室は何故か貨車にならずに残っていたのが嬉しい。そんな現役時代をそのままに、廃止後も待合室は健在であったが、人が入る部分はトタンで固く閉ざされていた。


留萌から繁華街を車で走ると突然カーナビからのシグナルが。その案内は海に向かえとの指示であるが、全く駅などある様子がない。そしてしばらくするとご覧のように駅に通ずる道が現れる。
留萌市街の外れにある瀬越であるが、列車以外での訪問の場合一見して駅のある場所がわからない。ナビに案内された方向に進むと、そこは崖っぷち断崖絶壁を更に急な坂道を下るイメージだ。その坂を下りきった所に瀬越はあるが、駅のある場所だけが周囲と全く異なる空間・・・まるで初代タイガーマスクの「四次元殺法」を見ているかのようでもあった。崖により完全に周囲から孤立している・・・いや、完全に独立国家的な印象であった。




ご覧のように、まるで「Z(ゼット)」の様に通ずる道が外界と駅を繋ぐ「シルクロード」となる。留萌の街の外れあるが、ここ瀬越駅の空間だけは時が止まったかのよう。
臨時駅であった過去が何となくうなずけるが、臨時駅と言えば、更に究極の「浜中海水浴場」が存在したのは周知の事であろう。ホームがなく、いわゆる「タラップ」により客の乗降を行っていたという素晴しさ。僅かながらでも増収を図ろうとする民営化のスタイルである。民営という組織の努力は素晴らしいが、何といっても現在はマイカー時代である。タラップのみの駅を利用する方はどれくらいいたのであろうか。非常に気になる存在である駅であった。



駅は残っていたが、ご覧の写真が厳しい現実を無言で語りかける。既にこの場所は歴史の一部になってしまっている。

繁華街の外れにある崖下は、異常なくらい異様な空間であった。もう、列車が再びやってくる事が無い事はレールの色が語りかけてくるであろう。

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コメント
ダイヤモンド☆トナカイ様
にわか者様
コメントありがとうございます。
今現在、まだこの状態で残ってたら、特に夜は間違いなく・・・おわかりいただけたであろうか。駅は勿論、駅に通じる道にも街灯がないので投稿ビデオのロケーションには最高最適だと思います。いや、実際に投稿している人がいるかも知れませんよ❗
ただ、現在は恐らく撤去済みと思われますから、逆にロケーション的にはやや劣るかも知れませんね。
ただ、留萌市街の外れにあるので、使い方によっては現在の「可部線」のような感じになれなくもないような・・・
とは言え、沿線人口の絶対数が違いますが。
今現在、まだこの状態で残ってたら、特に夜は間違いなく・・・おわかりいただけたであろうか。駅は勿論、駅に通じる道にも街灯がないので投稿ビデオのロケーションには最高最適だと思います。いや、実際に投稿している人がいるかも知れませんよ❗
ただ、現在は恐らく撤去済みと思われますから、逆にロケーション的にはやや劣るかも知れませんね。
ただ、留萌市街の外れにあるので、使い方によっては現在の「可部線」のような感じになれなくもないような・・・
とは言え、沿線人口の絶対数が違いますが。
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パソコンが使えるチャンスが、なかなかなくて・・・
それにしても、ホームの上にトタンで目張りされた待合室・・・
これは不気味ですね・・・
呪いの何とかのネタになりそうな(汗)
でも、解体撤去されてしまんでしょうね・・・