相模線 ヘビー・ローテーション☆アゲイン⑥ 厚木(前編)
2020-06-15
「厚木」駅と名乗っているが、実際の所在地は海老名市なのは地味に有名な話で、厚木市は相模川を挟んで対岸にある。そして厚木市にある市の代表駅は小田急線の相模厚木から改称された本厚木である。
なぜ小田急が厚木を名乗っていないのかは歴史的背景によるものだが、更になぜ対岸の駅が厚木と名乗っているかは、やはり対岸の厚木の方が海老名よりメジャーだったという事であろうか。つまり千葉県浦安にあるのに「東京ディズニーランド」と名乗っているのと同じような感覚であろう。とはいえ浦安にあるからといって「浦安ディズニーランド」となのらなければいけないという法律や法則などないわけで、対岸の海老名市にあるからといって「厚木」を名乗ってはいけないという訳でもないのであえてメジャーの選択をしたのだろう。本当は相模川に橋を架け厚木まで到達させたかったであろうが、当時の技術的な部分と資金的部分が殆どの理由で実現できなかったと思われるのだが、後に開通した小田急は相模川に橋を架け厚木市まで鉄路を到達させ厚木市に駅を設置するのに成功した。


今回も「地理院地図」よりフォローいただいた。厚木駅周辺の1961年頃(上)と現在(下)の比較である。小田急のホームの位置が若干ズレているのは、相模川の鉄橋架け替えがあったためで、開業当時よりやや北側に移設された。
後から開通した小田急は厚木市に駅を設置する際に駅名に頭を悩ませた事であろうが、最初のネーミングである相模厚木より今の本厚木の方がしっくりくるしロマンスカー停車駅としての風格もでてくる。かつては相鉄が海老名より小田急線を介して本厚木まで乗り入れていた事を思うと、やはり厚木という場所は昔の人が見てもメジャーだったのであろう。
そんな「メジャー」とは裏腹に、相模線の「厚木」は鉄道設備や運転上のやりとりについてはかなり重要なポジションであるが、所在地周辺は海老名の中心部でもなければ市街地があるわけでもない。開業当時から今もずっと厚木駅前はのどかな時間が過ぎている。
もちろん開業当時から比べれば辺り一面には住宅やマンションが建ち並びいくらか賑わいを見せるが、やはりどこか庶民的なムードがいつになく漂う。


小野田セメント専用線と旧・厚木駅構内の変遷を「地理院地図」にて比較してみたい。上が1974年、下が現在であるのだが、現在は完全に小野田セメントの専用線はもちろん、工場も住宅に変化していて当時の面影を感じる事ができない。
さてそんな厚木であるが、砂利輸送時代的にはどうだったのだろう。その答は?それはそれは重要なポジションであり現在の相鉄本線の前身である神中鉄道との接続駅でもあった。そして相模線沿線で採取された砂利は神中鉄道を介して横浜方面へと送られていった。その接続駅であった名残が相鉄厚木線と厚木にある相鉄の電留線である。もともとその電留線も貨物用として使用していたもので、厚木駅自体も現在より若干橋本寄りの線路が沢山ある場所であった。やがて小田急が開通し、その交点付近に「乗降場」として旅客設備を作ったのが現在の厚木駅の原型である。多分、イメージ的には昔の小松島線小松島と小松島港や野上電気鉄道の日方と連絡口のような関係だったのであろう。

7年くらい前に撮影した厚木駅の新旧ホームの共演。というか、この時から7年経過した現在でも旧ホームが残るのはある意味嬉しい。ちなみに左側が新ホームで駅舎と直結し小田急との乗り換えに便利になった。
私が幼少時代から経験し知っている国鉄時代には既に現在の形になっていて、下り列車は正式に厚木駅となった乗降場に停車したあと、ホームが無くなった旧厚木駅の場所で列車交換が行われていた。上り列車はその逆となるわけだが、記憶だと確か職員専用の細い島式ホームがあり、そこで列車交換時にタブレットの受け渡しが行われていた。相模線に海老名が開設されてからはほとんどその場所で列車交換風景を見る事がなくなったが、それでも昔の名残を現在でも感じる事ができるのは嬉しい。
更にJRになった現在では駅舎から相模線のホームに行く場合、側線と相模線のレールを構内踏切で渡らなければならず、列車横行の際には構内踏切が遮断され小田急の乗り換え時などには支障を来たしていた。そして利用者も増えていった事から安全面での問題も考慮した理由から、近年に側線を撤去しその側線のあった場所に新たに棒線型ホームを設置して構内踏切を使用せずに乗り換え等ができるようになりとても便利になった。しかしながら資金的な関係から旧ホームも取り壊されずに現存しているので、もしかしたら新旧ホームの姿を記録できるチャンスが今しかないかも知れない。
<おまけ>橋脚架け変えにより残った旧線の橋桁が現在でも残る。ちなみに私用の関係からの外出の際に本日もこの場所をマイカーで通ったが、今でもハッキリと残っていた。
※今回の記事も航空写真は「地理院地図」、ストリートビューはグーグルマップを利用させていただきました。

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なぜ小田急が厚木を名乗っていないのかは歴史的背景によるものだが、更になぜ対岸の駅が厚木と名乗っているかは、やはり対岸の厚木の方が海老名よりメジャーだったという事であろうか。つまり千葉県浦安にあるのに「東京ディズニーランド」と名乗っているのと同じような感覚であろう。とはいえ浦安にあるからといって「浦安ディズニーランド」となのらなければいけないという法律や法則などないわけで、対岸の海老名市にあるからといって「厚木」を名乗ってはいけないという訳でもないのであえてメジャーの選択をしたのだろう。本当は相模川に橋を架け厚木まで到達させたかったであろうが、当時の技術的な部分と資金的部分が殆どの理由で実現できなかったと思われるのだが、後に開通した小田急は相模川に橋を架け厚木市まで鉄路を到達させ厚木市に駅を設置するのに成功した。


今回も「地理院地図」よりフォローいただいた。厚木駅周辺の1961年頃(上)と現在(下)の比較である。小田急のホームの位置が若干ズレているのは、相模川の鉄橋架け替えがあったためで、開業当時よりやや北側に移設された。
後から開通した小田急は厚木市に駅を設置する際に駅名に頭を悩ませた事であろうが、最初のネーミングである相模厚木より今の本厚木の方がしっくりくるしロマンスカー停車駅としての風格もでてくる。かつては相鉄が海老名より小田急線を介して本厚木まで乗り入れていた事を思うと、やはり厚木という場所は昔の人が見てもメジャーだったのであろう。
そんな「メジャー」とは裏腹に、相模線の「厚木」は鉄道設備や運転上のやりとりについてはかなり重要なポジションであるが、所在地周辺は海老名の中心部でもなければ市街地があるわけでもない。開業当時から今もずっと厚木駅前はのどかな時間が過ぎている。
もちろん開業当時から比べれば辺り一面には住宅やマンションが建ち並びいくらか賑わいを見せるが、やはりどこか庶民的なムードがいつになく漂う。


小野田セメント専用線と旧・厚木駅構内の変遷を「地理院地図」にて比較してみたい。上が1974年、下が現在であるのだが、現在は完全に小野田セメントの専用線はもちろん、工場も住宅に変化していて当時の面影を感じる事ができない。
さてそんな厚木であるが、砂利輸送時代的にはどうだったのだろう。その答は?それはそれは重要なポジションであり現在の相鉄本線の前身である神中鉄道との接続駅でもあった。そして相模線沿線で採取された砂利は神中鉄道を介して横浜方面へと送られていった。その接続駅であった名残が相鉄厚木線と厚木にある相鉄の電留線である。もともとその電留線も貨物用として使用していたもので、厚木駅自体も現在より若干橋本寄りの線路が沢山ある場所であった。やがて小田急が開通し、その交点付近に「乗降場」として旅客設備を作ったのが現在の厚木駅の原型である。多分、イメージ的には昔の小松島線小松島と小松島港や野上電気鉄道の日方と連絡口のような関係だったのであろう。

7年くらい前に撮影した厚木駅の新旧ホームの共演。というか、この時から7年経過した現在でも旧ホームが残るのはある意味嬉しい。ちなみに左側が新ホームで駅舎と直結し小田急との乗り換えに便利になった。
私が幼少時代から経験し知っている国鉄時代には既に現在の形になっていて、下り列車は正式に厚木駅となった乗降場に停車したあと、ホームが無くなった旧厚木駅の場所で列車交換が行われていた。上り列車はその逆となるわけだが、記憶だと確か職員専用の細い島式ホームがあり、そこで列車交換時にタブレットの受け渡しが行われていた。相模線に海老名が開設されてからはほとんどその場所で列車交換風景を見る事がなくなったが、それでも昔の名残を現在でも感じる事ができるのは嬉しい。
更にJRになった現在では駅舎から相模線のホームに行く場合、側線と相模線のレールを構内踏切で渡らなければならず、列車横行の際には構内踏切が遮断され小田急の乗り換え時などには支障を来たしていた。そして利用者も増えていった事から安全面での問題も考慮した理由から、近年に側線を撤去しその側線のあった場所に新たに棒線型ホームを設置して構内踏切を使用せずに乗り換え等ができるようになりとても便利になった。しかしながら資金的な関係から旧ホームも取り壊されずに現存しているので、もしかしたら新旧ホームの姿を記録できるチャンスが今しかないかも知れない。
<おまけ>橋脚架け変えにより残った旧線の橋桁が現在でも残る。ちなみに私用の関係からの外出の際に本日もこの場所をマイカーで通ったが、今でもハッキリと残っていた。
※今回の記事も航空写真は「地理院地図」、ストリートビューはグーグルマップを利用させていただきました。

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